21話 人ってぷっつんとくると怖いね。棚上げ?何それ、美味しいの?
あれー?
今どういう状況でしょうー?
何で僕はメシスさんやネルメさんや父様や母様や兄様、その他大勢の召使の方々に押さえつけられているのでしょー?
んー・・・おお。メシスさんもそんな危機迫った顔、出来るんですねー。
でも優しさが見える顔。
あ、皆さんもですね。
そういえばメシスさんとネルメさんって何歳なんだろー。
だって異常に強いし、何か掴みどころがないしー。絶対変だよね?
まぁそれはやっぱり異常に強い父様と母様にも言える事なんですけどねー。
・・・で。
ああ・・・僕が暴れたからですか。
いや、正確には人道を外れた様な行いをおじさんにしたからでしょうけど。
ほらほらだって今改めてみると、それは無残な姿のおじさんが物凄く怯えている表情で僕を見てますし?
あー、レクは大丈夫みたい。
ならよかった。
例え、家族やメシスさん達にどんな目で見られる様になっても、僕はレクが無事な事が一番嬉しいよ。
・・・レク。
《あーら。性別も性格も変わってると思ったら、肝心な部分が変わってないじゃないの。》
ああ、レク。
《・・・ちょっと感動の再開(?)でしょ?》
・・・レクを想うあまりに遂に幻聴とは・・・。
《・・・分かっててやってるの? てかそうよね?》
わー。お久しぶりですー。全然嬉しくも感動もしない再開ですね。 ・・・ストーカーおばさん(ボソ)
《・・・あっそ。 ・・・て、ん?今、私の事なんて言ったのかしらぁ?》
怒ると皺が増えるってほんとなんですねー。
《っな! そ、そんなはずないわ! だって何時も毎朝一時間もお手入れして――って騙したわね!?
だってまだ貴方に姿見せてないはずだもの!!》
そーですかー。毎朝大変なんですねー。それでも歳というものは変えられないものだというのに・・・。
・・・転生したら若返った事になるのかな?
《うぅ・・・まんまと嵌った事が憎らしいわ・・・》
・・・で?今更何しに来たんですか?
神候補について説明しなかったのはドジったとして・・・《わ、忘れてたわけじゃないわ!》・・・。
・・・兎に角、何で今更なんですか?
忘れてたなら、産まれてからでも遅くはなかったはずですよね?
《・・・悪かったわ。私が無闇に転生なんかさせたから居場所が掴めなかったのよ・・・。貴方とあいつ――あの神候補の戦いのおかげでやっと見つけたの》
ふむ。意外と素直な謝罪だったので許しましょう。
ですが、ほんと、何で今なんですか?
どー見ても取り込み中でしょ?
ほら、今だって僕は叫びながらおじさんに近づこうと奮闘しているではありませんか。
止められてますけど。
《っ・・・今だから、よ。私の説明不足のせいで貴方は今そんな状況にある。だから・・・私には貴方を止める義務がある・・・でしょ》
・・・意外と律儀なんですね。
僕が貴方に付けた不名誉極まりないあだ名は下ろしましょう。
《ほ、ほんと!? よかった・・・そんな名前で呼ばれてたら私、他の天使に馬鹿にされるとこd――》
それはいい事聞きました♪
《・・・止めなさい。いいから今企んだ事は止めなさい・・・》
では、今現在を持って貴方の事は『いい歳してドジっ子属性の――
《ぃやめなさいーーー!!!》
ドゴォォォォ!
がくり。
謎の一撃によって僕の精神&今なお抑えられていた肉体が意識を失いましたとさ。
??「ふむ・・・気付かぬうちに面白い展開になってきたな」
??「仕事して下さい」
??「お!此奴も動き出したか!」
??「仕事しろっつってるんですが」
??「おお!此奴は三角関係の予感——」
??「おいこらてめぇ。なめてんのかフォッキン糞じじぃ」
??「口が悪い!?言い過ぎでしょ!?」
??「・・・では此方がして貰わなければならなかった書類です」
??「無かったことに!?しかも過去形!」




