145話 世界の破滅を願う者(笑)はまだ、終わらないんだってさ。
「は、あーいお元気ですかー?全知全能な筈なのに持病を患っていらっしゃるという噂の神様はー」
「ふはは。誰がもう歳だっ!馬鹿にしているのか」
「おお・・・僕、神様につっこまれてるよ!凄いね僕っ遂に大物だ」
とまぁ、ふざけてみたものの・・・思ったよりもノリの良さそうな神様で。
ほとんどが白で出来ている神殿のようなところで僕は笑う。
へーここが天界かぁ。
・・・へぇー。
「無理に感想を言う必要はございませんよ?このような我らが主の駄作ですが・・・あえて言うのであればこの駄作が、と彼をお罵りになられて下さい」
「え、ちょ」
「気が合いそうですねお姉さん」
「ちょ、ちょちょ、ま」
見た感じ、天使のおねーさんと意気投合。
何故だろう。神様は将来禿げるような気がする。
と、あ、ソラ君発見。
おねーさんの足元に。
「ソラ・・・君ってやつは」
「ち、違うからなっ。気づいたら投げ飛ばされてて酷いめにあっただけだからなっ」
なんか色々あったらしい。
「気が合いそうですねお姉さん」
「ええ、とても」
ずっと無表情だが生粋のドSだと分かるぞ。やるな・・・。
「こほん。さて、ここまて辿り着いた者よ。聞くまでもないであろうが・・何が望みだ?」
今更取り繕っても遅いぞおっさん。頭の片隅でそんな事を思いながら口元を歪ます。
「勿論、下克上でも起こそうかと思って?」
「ほう・・・」
ごわっ
あ、神様の髪が少ないのにごわごわとかいう意味じゃないぞ?
なんかすっごい威圧感が、ね。
やべぇ・・・滴り落ちてきた汗が目に・・・リアルに目から汗がっ。
「「っ」」
『お鎮まりを我らが主よ』
凛とした声が響く。まさか、まさか、まさかぁぁ!?
「・・・なんの真似だイオフィエル」
イオちゃぁぁぁぁん!
『なんの真似、と言われましても・・・この行動通りです』
『んじゃー僕もぉ~』
『・・・私も』
イオちゃんに連れてフェアーとルーンも出てくる。後、タブリスと・・・小さな女の子?(ディオネスにーさんの天使様かなー?これはまた・・・気をつけてねレイ。君の兄様は思わぬ性癖が・・・)も、ソラに言われて出てくる。
「ほう?その人間を守るというのか?お前達の主に楯突いた人間だぞ?」
『あら、神候補者を主として扱えと言ったのは主様でしょう?』
『つまりぃ、これも僕らの主だしねー』
『・・・レイのほうが可愛かったけど』
ルーンは失礼だなおい。
『あ?俺は別になんとなく?』
『うにぃっ!ディオネシュしゃまのほうが良かったのー!でも、ソーヤもしゅきーだよぉ?だかりぁ・・・』
なんとも、まあ・・・なんともなんとも、可愛らしい天使をお持ちでしたねにーさん。
「ふっ…わははははははははっ」
おお?遂に・・・
「遂にいかれましたか主。このポンコツ」
「ぶっおっふっ!?・・・もう少し、優しく言えよ。まあ、いい。さてソウヤよ。いいだろう、この座はくれてやるっ」
「へー」
「・・・いいさ、どうせ私は(ふつぶつ)」
「ソウヤ様。これで晴れて貴方様が神となられました。この禿げかけの元上司と私はこの場から離れて隠居しようと考えております」
「へー」
「・・・他の世界にはまだ多くの神候補がいますが・・・処理についてはお任せします。彼らの情報はこの水晶で知る事ができますゆえ」
「へー」
「神の仕事、といえば世界に刺激を与える程度です。そのやり方やらも水晶に一任します。後、天使たちの今後も貴方にお任せします」
「へー」
「・・・」
「うおぅっ!わ、分かりましたっ!ちゃんと後で言っときますんではいっ」
わぁ、ソラ君が必死でお姉さんの攻撃を避けてる。やるな、主。
「では」
あっさりと居なくなる元神様とお姉さん。
できてんのかなあの2人・・・。
「行っちまったな・・・っておい!既に水晶使い慣れてる!?」
「おおお!?ま、まさかこんなこんな画像が・・・」
「え、なにっ何が見えてんの!?ねぇ!」
「ふははは!いいだろう、この画像は拡大して貴様にくれてやろうぞ!」
「・・・おおおお///」
なんの画像かは貴方の心次第。
これでソラ君も虜に・・・ぐふふ。
さて、ソラ君がきゃはきゃは騒いでいるのは後でアリサに伝えておくとして・・・。
水晶に映るのはさっきまで居た変な地下。
真っ暗で、血にまみれた世界。
立っているのはただ1人。
『あは、あはははは!ぜぇんぶ、ぜぇんぶ壊しちゃったぁぁ♪きゃははははは!・・・ああ、でも。何処行っちゃったのかなレイヴェアちゃぁぁん。壊して上げるよ。僕がじっくりと、君を愛しながら、たった2人っきりで・・・。我が名はエアレズ、否!我が名はルシファー!貴様らは絶対に許さないっ!何処までも追い続けてやる!!』
・・・ルシファーね。あれだねあれ。元天使なのに地に落ちた堕天使。魔界の王とか言われるあれだね。
エアレズさん・・・出世したねー。
にしても物騒な事を言うわぁ。引くわぁー。
「ま、レイは既にその世界には居ない訳だけど」
母さんが・・・ウリューネさんが頑張って逃したみたいだね。にーさんとレイ達の戦いを止める為に用意していた力が思いも寄らない所で使われちゃったみたいだけど。
「さぁ、レイ。物語が終わったのは僕の方だ。始まったのは君の新しい物語・・・。まだ、終わらない。全てを失った君は・・・」
——許した筈の世界を、どう思うのかな?
どこかの世界の、どこかの森の奥。
銀の長い髪を風になびかせた蒼と碧の瞳の少女は呆然と呟いた。
「あれ、僕は・・・いえ、私は・・・」
——誰でしたっけ?
ありがとうございました!
一応完結です。。。
まさかノリで進めて来たこれが完結までいけるとは・・・。
お気に入り登録をしてくださった方、
少しでも面白いと思って下さった方
こんなノリだけの作品に付き合って頂きありがとうございました!!