138話 僕が、君が、お前がで、僕が。ふぅ。
お前が行けば、兄様を殺してしまうのです。
兄様を殺させはしない。
それは無理。だって僕の大切な人達を傷つけちゃったもん。
貴方には関係ないのです。
お前の大切な人じゃない。
どうであろうと僕の大切な人だ。
兄様を殺させはしない。
兄さんは皆を殺そうとした。
でも家族。
僕には関係ない。
貴方には関係無い。
家族は絶対に傷つけない。
でも貴方は傷つけた。
僕は関係ない。
兄様は僕達の家族だ。
僕の家族はあの人達だけ。
でも兄さんと呼ぶ。
だって僕の兄さんじゃないか。
でも家族とは言わない。
家族だよ。
お前は家族なんかじゃない。
彼は僕の兄さんだ。
家族は僕達だけ。
そんな君たちでもあるんだから家族だ。
ならどうして。
それなら。
僕の守るべき家族ではないから。
僕達の大切な家族だっ。
傷つけたのはお前だっ。
僕は君らでもあるというのに?
あんな事、望んでない。
皆を助けたかっただけだ。
「「「ソラは別だけど」」」
家族もいたっ。
だから僕らは力を求めた。
そう、だから僕が生まれた。
家族を助ける為に望んだ力だ。
傷つける力は望んでないっ。
でも僕という存在を求めたのは君たちだ。
お前を望んだ訳じゃない。
そんな都合のいい力が手に入るとでも?思ってないよね。
でも、でもっ。
僕達の本当の家族を忘れたの?
僕達の本当の家族は今の家族だっ。
じゃああの家族は偽物だと。
それはお前も同じ。
僕達の家族を偽物扱いするお前も同じ。
「「「僕の家族は本物だ!!」」」
消えろ消えろ消えろ!
お前なんていらない。
僕らは僕らだ。
なんでこんなやつと!
同じ僕だけどね。
・・・うるさい。
納得はしてる。
でもそんなこと関係無い。
不完全な合体をしてしまったから。
だからお前なんかが生まれてしまった。
酷いな。お前達が無意識に生んだ僕を否定なんて。
お前も僕だ。
気持ちは分かるよ。
でも、だからこそ。
涙が出る。
互いに家族を馬鹿にされる痛みが分かるって言うのは・・・。
なんて、面倒くさい存在なんだ僕達は。
僕らは僕と僕と僕なんだ。
独立した存在なんだ。
1人に収まるなんて出来ない。
なんでこんな。嫌だよ。兄様に会いたい。
兄様兄様。
・・・とう、さん。かあ、さん。
お前の家族はもう居ないだろ!
ここは空気を読んだんだよ。
・・・もう、嫌だ。
どうしてぶつかり合わなきゃいけない。
僕達の器が壊れてしまう。
助けてよ。
助けて。
「んじゃあ、離れちゃえば?」
「「「・・・は?」」」
前略皆様。もう1人、増えました。
「なんかソウヤ、途中で矛盾してませんでした?」
「なんのことかなー」
「・・・僕には関係無いとか言いつつ、大切な人だとか言ってたよね。僕達とか、兄様とか」
「おお、簡潔にまとめてくれましたねレク」
「大変そうだねぇ〜」
「「「お前のせいだからね蒼夜」」」