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世界の破滅を願う者(笑)  作者: 藍猫
今何時代?
127/145

127話 ほらこういうのって、期待が重くなるパターン?









ばりぃぃぃぃん!


暫くして真っ白に染まっていたソラの世界が、遂に開門した!ん?むしろ割れたから・・・だ、脱皮?いやそれはないわねうん。

後ろじゃ息絶え絶えのむさい男共(女組は待機。鬼だと叫んだ人が居たけど・・・ああ、ルイスだけどどうかした?)がとても暑苦しい。なんか休戦状態になってるし。

まぁ、どっちかっていうとー、ていうか事実言っちゃうとー、言っちゃいますと・・・負けてるんだなぁ、これが。

で、今囲まれてる。

私?

自分の身は守るよ?

ほらピィちゃんが(スカーレット家代々受け継がれる切り札中の切り札、ピィちゃん!)。

ルイスに熱いって怒られたけど、いや知らんし。


でもほら。今からソラが来るんだから!


「ねっ! ソ・・・ラ?」


あ、れ?


「お、おいソラ!?」


「きゃぁあ!そ、ソラ様・・・ですの?」


「なっ!どうなっているソラっ」


ソラは、ぼろぼろだった。

ぼろぼろなだけならよかった。ただ、異常なのがどうしてソラはあんなに固そうなんだろうってこと。男の人だし体は固い方がいいんだろうけど・・・じゃなくて。ソラの体はまるでガラスが割れたようになってた。腕のあった場所の皮膚はどう見ても人の体じゃない。ダラスみたいに鋭く尖っている。

遠くにあるソラの腕も固いものにはいるようなひびが入っていて、足も似た様なものになってた。

そう、ただの、もの(・・)に。


「っソラ!!」


急いで駆け寄って、ソラの顔に手をあてる。

固くはない。でも・・・


「目、が・・・」


光をなくした瞳にもひびがありありと浮かんでいた。


「ぁ・・・リ、サ?」


「ソラ!」


ソラの唇が微かに動く。


「・・・——」


「え?」


「・・・わ、る・・・ぃ」


「わ、悪く無い!悪く無いから!てか何言ってんの!?それ、フラグって言うんだよ!?レイがそう言ってたんだ!だからそれ以上何も言わないで!!」


頬に何か冷たいものが流れ落ちる。


「・・・お願い。それ以上はなにも、言わない、で——こぷっ!?」


「ぁ・・・? アリ、サ?」


ソラが見えない目で私を見ようと身を捩る。


「だ、大丈夫。何でも無いの。だからソラ、今は寝ていて」


精一杯の笑顔で答える。

瞼を下ろしたソラをみて安堵で顔の筋肉が緩む。緩むと言っても微笑んだ訳じゃない。痛みで、眉をしかめたんだ。


「お見事です。アリサ嬢」


「どう、いたしまして・・・」


お腹から突き出た長い剣が凄く、邪魔。

あー。意識がぼんやりしてきたなぁ。やばいやばい。このままじゃソラの後を追いかけちゃう——いやいや、死んでないから。ソラはまだ死んでないから。むしろ私だけで逝くとかやだなんですけど。やっぱり一緒にいこっかな・・・。


「アリサぁぁぁぁぁぁぁ!!」


あ、あー。ルイスだよね、ね。

聞こえない。聞こえなくなって来た、よぉ・・・?



ソラを、助けて・・・ね。



レ、イ・・・。









——くすくす。くすくすくすくすくすくすくすすすすすすすすす・・・ふぅ。












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