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世界の破滅を願う者(笑)  作者: 藍猫
今何時代?
120/145

120話 なんだろう。見られているような気がs——ゾクっ。







「止めろぉ!」


()の声に私は歯を食いしばる。

例え敵であろうと息子。ディオネスを命がけで止めないといけないのだから。


だが、と覚悟を決め渾身の一撃を放った。魔力を溜めた、最強の一撃だ。


ごしゃぁぁと激しい音が鳴り響き、愛しの息子がばらばらに砕け、倒れ伏す姿を見た。

心の中で。


「! ルハイト様避けて下さい!」


「っがはぁ!?」


しかしそこに立っているのは未だ笑みを浮かべた無傷の息子。みぞおちに強い衝撃を受けて飛ばされる。

何故だっ!?

私の知っているディオネスは——


「『もっと弱かった』、ですか?」


「く、息子が父を超えたかっ(読心術が)」


「ええ、超えまし・・・いえ、それは勘ですよ」


平然と受け答えをしながら魔法を打ち合うのはシュールだ。

ただ、お互いで違う所といえば・・・ディオネスには動きがないことだろう。

魔法を放つモーションも、魔法を防ぐ様な行動も存在しない。

私の目に映らないほど速く動いているなら別だが・・・それはありえない。私とて長年戦いに身をおいていたのだ。気配を感じる、ということは達人並み、超人並みには出来るのだ。だからこそ、全く動いていない事が分かり、謎を深める。


・・・今までこんな戦いはしない子だったのに・・・。


子の成長がこんなにも悲しいのは・・・私も親ということか?

いやいや、しみじみとする前にこのカラクリを解かねばウリューネに叱られてしまうな。

子は親の背を見て育つもの。その親が見下されてどうするのだ、と。


表向きには「全くルハイトは〜。駄目じゃない☆」のように聞こえるのだろうが。


さて、ディオネスに当たる前に消える魔法のからくりを解き明かし——


「ぅおいっ!よくも俺を見捨てたなレクヴィオ!」


・・・レクヴィオの友達か。後でオボエテロ?
















「レクヴィ——ってなんなんだこの状況!?お前の親父が戦ってるのってお前の兄じゃねぇか!」


「煩いよルイス。今の状況は・・・君が言った通りだよ」


素っ気ないながらも律儀に返事を返したレクヴィオ。てか、あれ?そこに倒れているのはレイヴェアさんではないですか??


服がびりびりなのにどこも露出してないとは・・・流石だぜ!

レクヴィオの殺気が向けられたのはきっと気のせいだ。そう、ただレクヴィオは珍しく、非常に珍しく取り乱しているから、つい殺気を放っちゃったぜとかだろう。てかそうであってくれ!レクヴィオは怒らせると怖いんだ!目が!


「レイ・・・レイ」


でも、ここまで戸惑うレクヴィオを見た事はない。

いつもきりり(中は兎も角)していて、偉そうで、実力もあって、もてて・・・くそぅ、言ってて虚しいぞ。

兎に角っ。そんな弱さを見せないレクヴィオが、弱さを露わにしている。

それはもう、いつも俺を足蹴にしているやつを、哀れだと思えてしまうほどに・・・。


「あ、あの。そろそろ助太刀とかは・・・」


「いいのですわマクオン。これは、私達にどうにか出来る事ではないでしょうから。貴方は私を守っていればいいのですわ」


「は、はいユリシア様///」


後ろでいちゃついてる奴ー。状況を考えろっ! いや、考えた結果がこれなのか?

溜め息をつくと、背中に背負っていたぼろぼろのアリサが「くぅ」と寝息をたてた。

・・・平和だなー。

壁とかが崩れてなければ、だけど。


ついでに、ユリシア?

いちゃいちゃしながら目を見開かねぇでくれね?その鬼気迫った顔は怖いから。













〜少し前〜


「お?あいつ、お前の従者じゃね?」


「え・・・ま、マクオン!?何故ここに、というかにゃぜここにぃ!?」


「テンパるなテンパるな」


「にゃにぃにょにゅっにゃにゅにょ!?」


「お前が何を言ってるんだよ!?」


「「・・・あれ?伝わった?」」




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