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世界の破滅を願う者(笑)  作者: 藍猫
今何時代?
112/145

112話 おうじさまは井の中の蛙ちゃんだって思うんだよな。






「俺がやる」


「お前じゃ役立たずだ」


「お前はヘタレだろう」


「あんたは世間知らずのお坊っちゃま」


「「・・・」」


こ、い、つ・・・。


「・・・ったく、仕方ねーな。んじゃ、いっちょあれで決めるか」


あれか。

ふ、まさか俺に勝てるとか思ってんのか?

レイヴェア直伝のあの技がある限り、俺は負けないというのに。



・・・負けた。



「くそぅ! 何故だ、何故なんだぁ! これさえ使えば勝てると、言っていたじゃないか!」


「・・・誰に教えられたか何となく予想はつくけどよ、誰がそんな古いチョキを教えた訳よ? じゃんけんでそれを出しす奴、まさかここ(異世界)で拝めるとは」


呆れ顔のソラが嫌にむかつく。

だが、まぁいい。

例え先に戦う権利をとられたとはいえ、先にやってしまえばこちらのものなのだから。


「っ! おい!」


「ふっ。卑怯で悪いな! これもレイヴェアの為だ!」


そう。やってしまえばこちらの手柄。

さぁ、さっさと終わらせ——



「あはは。飛んで火にいる夏の虫とはこのことだね。いらっしゃいお、う、じ、さ、ま☆」



「・・・っぐ、あ、れ?」


何でだ?何で俺は、床と密着している?

それにこの痛み・・・攻撃されたのか?


「あーあ。だから言ったのに」


お前は何も言ってないだろうソラ。

俺を止められずに「おい」って言っただけだろうが。威張るな。

てか、え?こいつの攻撃、全然見えなかったぞ・・・?


「馬鹿だね〜。僕、一応ここのNo.1。つまり一番強いんだよ?レイヴェアやレクヴィオ君なら兎も角、平和ぼけした王子様に負けるとは思えないね〜。あ、正直言うと、君よりそこのソラ君の方が強いよ? まぁ、今から戦うからやってみないと分かんないけどね」


一気に言い切ったエアレズはえへへ、と照れくさそうに(いらっときた)にこやかに笑う。


「そぉれ!」


「うわぉ!? かすった!かすったよエアレズとやらぁ!」


「あれれ?おかしいな。飛んだと思ったのに」


「何処がぁ!?」


ソラの悲鳴が轟く。いや、つっこみか。


そして動けない俺。くそ、なんて虚しいんだ。


「喰らいやがれ!【我が力よ・・・ここに灯り・・・奴を葬り去れ】!」


ソラが唱えると、辺りが急に眩しくなった。

まさか、光魔法か?

今まで使える者はいなかった筈だ。レイヴェアさえも。

使えるとしたらそれは勇者。


・・・ソラが勇者?いや、それはないな。うん。あっても困る。


だが、光魔法が凄まじいのは知っている。しかも上級魔法みたいだし。


こんな魔法を喰らって無事な訳が・・・あれ?無い筈だよ、な?あれ?


「ざぁんねん。僕ってば、そういうの効かないんだよねーこれが」


けらけらと無邪気に笑うエアレズ。

それもお構いなしに飛び込んだソラだが・・・呆気なく沈められた。

ソラはそれでも直ぐに飛び去り、また攻撃にうつる。


が、っがが!

ばしぃ!


目に追えない(レイヴェアは見えるらしい)速さで出される拳は、全く動いていないように見えるエアレズに叩き落される。

まるで扱いがハエだ! 敵にもそんな扱いされるとは・・・やはりソラはソラだなっ。


・・・この安堵は凄く可哀想に思えるんだが?


それにしても・・・。




俺は、ソラには勝てなさそうだな。





いや、別にレイヴェアの話じゃないよ?勝つ自信はあるしっ。ただ戦いの話であって。

そ、それに!お、落ち込んでいるわけでもないし!


ただ・・・







何も出来ないんだな、って思ってしまっただけだ。そう、ただそれだけなんだ。









「くす。『闇』が漏れてるよ?王子様」








エアレズがにぃ、と微笑んだ(?)。











「お、見つけた見つけたぜアリサ」


「・・・」


「さって運ぶか」


「・・・変態げすめ」


「・・・ほんともう、許してくれ。ね、だからね?弓をしまおうか」


二人の険悪はまだまだ続く・・・。



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