109話 あ、僕って・・・人外でいいのかな?(汗
「つー君脱落かぁ〜」
気負いの無い声が暗い部屋で響く。
「ええと〜? No.2脱落、No.4脱落、No.5、3は昏睡状態。残りのNo.6からNo.10は・・・まぁ、連絡は来てるけどやられちゃったってところかな」
現在の状況を確認したエアレズ。
ふと周りを見て、満面の笑みで笑う。
「あはは。みぃんなやられちゃった〜?随分と寂しくなるねぇ。ほんとに・・・寂しいなぁ」
強者のほとんどが居なくなった部屋は静かで、心底楽しそうなエアレズの笑い声だけが木霊す。
「・・・さぁて、そろそろ始めないとねぇ」
「(笑)」
「あははは。 君は相変わらずだね〜レイ」
「いえ」
隣でくすくすと笑うレイヴェアは急に寝転がったり、転がったりと忙しそうだ。
「んじゃ、No.10からNo.40は待機。僕とレイヴェアが二人で行くよ〜」
「うーい。了解ですよエアレズさん」
レイはのんびりと、優しく、瞳に苛つきを隠しながらエアレズに微笑んだ。
「くすくす。さ、いこっか」
レイに背を向けたレイはぱくぱくと口を動かす。
——僕をを傷つけたら、許しません——
にこり、と浮かぶ笑顔は天使のような純粋な笑み。
「・・・ここは」
「広いねぇ。ここが僕達の墓場って言いたいのかな?」
今までで一番広い部屋。
なんでこんなに悪趣味なんだろ?
暗いのは分かるけど・・・なにこのドロドロ感。人じゃないんだろうけど、すっごく血なまぐさい。
てか動物のお死骸を置きっぱなしって・・・せめて外に出そうよ。
「おい、そういう問題かレクヴィオ」
「大事な問題だよ。だってこんな所だったら土に還れないじゃない」
「え、いや、まぁ、そうだが」
「それとも何?ここで腐っているほうが君の好みなの? うわぁ・・・引く」
「ちょ、ちげぇよ!ただ、お前がそんな優しい(?)事を考えてたのに驚いただけだ!」
「・・・は? ああ、なるほど。クレイト君、君って僕達双子の事を勘違いしてるでしょ?」
「え? いや、確かにそうかも知れんが・・・何をだ?」
「君が今優しいって言った事。どう考えてもそれは一般常識な事でしょ?僕達だって一般人なんだからそれくらい当然の感覚なんだよ?一体君は僕達をなんだと思ってたの。同じ人間でしょうに」
全く・・・まさかクレイト君に人外扱いされていたとは。
ショック?
何言ってるの。
僕達が人間なのは当然でしょ?むしろ呆れたって感じかな。
てか僕もレイも、1人になってしまえばただの人なんだし。
まぁ、つまりは2人揃う——一人の僕になってしまえばそうとは言えないかも知れないという事なんだけどさ。
・・・ん? じゃあ人外って事で間違いじゃないのかな?
「い、いや別に人外認識してたわけじゃ・・・」
「ああ、その認識で間違ってないから安心して」
「どっちだよ!? ついさっき否定したばかりだろうがっ」
「状況が変わったからね」
「今の一瞬で!? 結局どうなったんだよぉぉ!」
「ラスボス登場的な」
「マジかっ」
さぁて、僕とレイを引き離した愚か者は、だぁれ?
(・・・そういえば俺、最近認識がおかしくないか?どう考えても『優しい』の基準が・・・)
「何言ってるの。立派な優しさじゃないか」
「ああそうだな・・・うん?」