32話 wwはっ。ざまぁ!レイの受け売りだからこれ。
ごぅおおおお!
炎が部屋中を埋め尽くす。
炎に囲まれたカナリーレはかなり焦ってる筈だ!
と思ってたけどやっぱり相手はただの女子生徒じゃなかったみたい。
炎を一刀両断して無表情で歩いてきた。
「な、何ぃ♪ 炎が効かないだとぉ♪」
「わざと、らしい」
私の驚きはお気に召さないらしい。くすん。お年頃の女の子の心を傷つけるなんて・・・。
忌々しげに眉を寄せて刀を構えてる。
刀を振り上げたところを見計らって炎を操る。
「——行っけ♪」
カナリーレは特に反応せず、炎をちらりと見ただけだ。
どぉぉぉ!
カナリーレがそのまま刀を振り下ろすと爆風が渦巻いた。
炎は霧散——・・・ああ、悲しかな・・・。
「ふ、ふふふふ♪ やっぱりいいね、いいね! その顔は何時になったら苦悶に歪むのぉ!?」
ちょ、私そんな事思ってないって!
ああ、口が勝手にぃぃ!
「・・・きも、い」
いやぁぁぁぁぁぁ!
恥ずかしぃぃ!!
こんな・・・こんな私を見ないでぇぇぇぇ!?
「・・・燃え尽きちゃえ♪」
ごぉぉぉぉぉ!!
炎の純度が高まり、勢いを増す。
そう、こんな恥ずかしい記憶を持つのは、私だけでいい。
この私を知られたなら・・・消せば良い!!
更に炎の勢いが増す。
「・・・こん、な、もの・・・っ!?」
カナリーレが炎に振り下ろした刀を見て身を強ばらせた。
「溶けて・・・!?」
どろりと刃を無くしたものを見つめる。
少しの間わなわなと震えていたが、直ぐに開き直ったようだ。
かしゃん
刃を無くした刀だったものを放り捨てた。
「あれあれ〜♪ いいのいいの? 味方を捨てちゃって!」
お? これは勝った? 勝っちゃった?
このまま丸焼きにしてやろうか。
でも、痛いよね。
「・・・【我に誓い仲間達・・・私のもとへ・・・現れよ】!」
カナリーレが呪文を唱えると手元に新たな刀が現れた。
両手に1本ずつ。
「へぇ♪ 新しく出しても意味ないよ? 私が溶かしちゃうもの——え!?」
今度の刀は溶けない。それどころか——
「・・・炎が、奪われた?」
炎が刀を守る様に刀の周りを飛び回る。
私の支配下から逃れている!?
「・・・貴方が、どれだけ、炎の扱いに長けていよう、と・・・私の支配下にしてしまえば、関係、ない!
私も、『炎』の属性、だから!」
——迂闊、だったかな。
さっき召還したであろうたくさんの刀を周りに従えて、勢い良く私の方へ向かってくるカナリーレをじっと見つめながら思う。
あはははーカナリーレがスローで見える〜。
死の前だからとか? うわ、なんて嫌な状況。
でも、体が反応しない。
・・・ここで終わりぃ?
私ここで切られちゃうのかな?
そっか・・・助けられなくてごめんね・・・レイ・・・。
「なーんてね♪ あは、ふざけないで♪」
ぼん!!
炎が私を中心に軽い爆発を起こした。
「っな!?」
カナリーレが吹き飛ぶ。
wwざまぁ!
ん? wwが何かって? えへへーレイに教えてもらったんだ〜。
誰かが無様な時に使う正式な挨拶だって♪
え、違う? いいじゃんいいじゃんそんなこと!
使う場所は間違ってない筈!
とか陽気な事を思ってるけど、体の1部が軽い火傷で抉れたようで、じくじく痛い。何気に心も。
さっきのレクヴィオ君達のが効いてるのかな。うん。後で仕返ししないと。
でも、その前に——
「私が、勝たせてもらうよ♪」
勿論・・・容赦はしないよ♪
魔法への対価は、支払った。
ああ・・・勝つまで精神戻らないなこれは。
でも、まぁ・・・精神の状態まで魔法に使ったんだ。
・・・ただでは、生かさないからねぇ♪
どう見ても敵はアリサさんww
悪役ですね。