初めての依頼
この男はいったい何なのだろうか?
「いやぁ、ごめんねぇこんなことになっちゃって」
サングラスを取りながら近づいてくる男に恐怖を感じ、つばを飲み込む
「そんなに怖がらなくてもいいって、まぁこんな人が声掛けてきたら普通そうなるか」
笑いながら前に立ってくる
「あのあなたはいったい・・・」
勇気をふりしぼりたずねる
「おっとそういや名前をいうの忘れてたねぇ俺は上沢 林道ってんだ、よろしくな」
サングラスを拭きながら名乗る
「君にいいたいことはほかでもない依頼のことだ」
「え、ほ、本当ですか?!」
いきなり依頼のことをいわれて、驚きが顔に出る
依頼といったが俺は「ベスト」という依頼事務所を経営していて
ていうか最近知り合いと経営し始めた
たぶんこの上沢と名乗った人は初の依頼主ということだろう
「あぁ、そうだよ、で依頼を引き受けてくれるかね?」
「は、はい!」
そういうと上沢は微笑んで
「そうかいそれはよかった、で依頼の内容だがブツをある空港まで運んでほしいんだよ、で詳しくは これに書いてあるから」
そういいながらサングラスをかけなおし、紙を渡してきた紙を開けようとした
その瞬間 上沢に手を止められる
「俺がなんでわざわざ紙に書いて渡したのか、わかってるかい?」
どういうことか理解し、おとなしく紙を片づける
「初めての依頼だからってそれぐらいは理解しておこうよ」
上沢がつぶやきながら倒れているチンピラを見下ろす
「さてとこれで依頼について教えたからこれちゃんと届けてね、じゃあ俺は用事があるんでな」
といいスーツケースをおいて去っていくその後ろ姿を見送りながら心の中で喜ぶ、
初めての依頼を受けたためかなり上機嫌になっていたが、
その依頼は簡単なものではなかった・・・