街の鼓動
ここは平凡な世界 になろうとした世界
ここは平凡とは遠く離れた神にさえ見捨てられた世界
そしてこの世界の住民はいろんな意味で人間離れした者たちがいた
ある街の裏通り
「てめぇ何してんのか、わかってんのか、ごら!!」
ある青年がいかにもチンピラという感じの男に絡まれていた
その青年―――神崎 千秋はのちに物語の中心人物となる者だ
「きいてんのかてめぇ、殺すぞ!」
千秋は無言のままチンピラの顔を睨みつけた
チンピラは眉間にしわを寄せ千秋に殴りかかる
次の瞬間―――殴りかかったチンピラのこぶしが見知らぬ男に受け止められていた
「きにくわないねぇ、なにもしていんない男の子に殴りかかるなんて」
チンピラは見知らぬ男の手を振り払い、後ずさる
「んだてめぇ、こいつの仲間か!」
「仲間?違う違うただこの子に用があっただけさ」
笑いながらチンピラの肩に手を置く
「まぁ、この子に用があるんで少しの間寝ててもらえるかな?」
「は?なにいってやがッ!」
千秋が気付いた時にはチンピラはすでに倒れていた
どうやら目の前の男はものすごい速さでチンピラを殴り倒したのだろう
「まったく、最近の若いのはこれだから嫌なんだよねぇ」
それにしてもこの男はいったい誰なのだろうか?
千秋は男を見つめながら思っていた