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8.華子はもんすたー

「なんじゃこりゃ!!!」

ティニーに放たれていた魔法は突如目の間に現れた獣人の女性のドロップキックによって吹っ飛んでいった

その女性は今自身の身体を見てワタワタしている

ティニーへの脅威は去ったがその脅威を吹き飛ばす力を持つ女性が何者なのか分からない

ここへ飛ばされたのも生贄だと言っていた

ということはこの女性への供物がぼくたちなのだろう

ならば、ぼくがどうにかして2人だけは逃がしてもらわないといけない

ティニーをフェミニに任せてアンチャは女性に膝をついて懇願する

「どうか!どうか後ろの子達だけは助けてほしい、です!ぼくはどうなってもいいから!どうか2人だけは…。大事な家族なんだ…。」

涙がこぼれる

でも2人のために方法を選んでいる場合ではないと思った

ぼくの声が聞こえたのかワタワタしていた女性は動きをやめ

こちらを向き少しずつ近づいてくる

恐怖で顔を上げることができない

「アンチャ…。」

背後でフェミニのか細い声が聞こえた

(ごめんね。)

心の中でそう呟いた

女性の足が視界に入る

その足は人のものより一回り大きく

先ほど炎を蹴り飛ばしたはずなのに毛の1本も焦げていない

その女性がぼくに手を伸ばす気配を感じた

ぼくは終わりを悟って目を瞑る

時間がとてもゆっくりだと感じた

(ありがとう。ごめんね。)

覚悟を決めたぼくのうえを何かが飛んでいった

「うぼぉああ!」

女性は突然に悲痛な叫び声をあげた

それにびっくりとして顔を上げる

「母サマっ!」

そこにはクの字に折れ曲がって吹っ飛んでいく女性と

女性の腹部に抱き着くティニーの姿があった


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