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4.大都市セパレトにて

ここは大国の外れ

城を中心にぐるりと高い塀が聳え立ち

城下には数多くの喜びが生まれている

今も城の一室で身なりの整った高齢の人々によりこの都市の未来について語られていた

住人からの要望

防衛のための外壁の改造

他国への援助の立案

必要なものから不要なものまでさまざまな議論が交わされていた

「本日の最終議案になります。我が都市はこの国の中でも中核を担う街であります。我が街は全ての理想のモデルとなるべく、この街の汚点については徹底的に排除することが望ましいと考えられます。そこでですが、街外れにあるゴミの溜まり場についてです。この街だけでなく国を脅かすほどの呪い(・・)を受けた忌々しいゴミどもが我が街の周辺に居住を構え、この街の品位を著しく貶める存在となっています。さらに我が街の聖域も年々状態の悪化が確認されています。研究者の研究結果によると贄による一定の回復が望めるとの報告です。つまり、その贄にゴミ共を使用するというのがよいのではないかと考えます。皆さんの意見を頂戴したいと思います。」

議場は賛同の声が飛び交う

「この議案に賛成するものは起立を。・・・賛成12 反対1によりこの議案を実行に移したいと思います。つきましては、日程の調整について…。」

一人反対をした男ジステスは溜息を吐く

(ここまで歪んでしまったのか。儂だけではもうどうにもできんのか。)


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この都で塀の外にひっそりとたたずむ一軒の民家

家と呼ぶには少し寂れていて

外壁には斑に木の板が打ち付けられている

そこに似つかない服装をした男と

鎧をまとった兵士数名が訪れた

「伝令である!誰ぞおるか!」

兵士の一人が扉を叩き、声を上げる

ボロボロの扉が開き中から耳のとがった小さい女の子が顔をのぞかせる

「そこの少女よ、ここの管理者はおるか」

兵士の問いかけに少女はコクンと頷き部屋の奥へと小走りで向かった

少女の姿が見えなくなったころ兵士と身なりの良い男は眉を顰めて顔を合わせて愚痴をこぼす

「まったく、ここは醜いし臭くてかなわん。おい、戻ってきたらさっさと要件を済ませてしまえよ。」

「はっ!」

しばらくすると齢15程の青年が姿を見せた。先ほどの少女に比べて肉がついてなく、左腕もない。顔の左側は髪で覆われている

「みんなさま、どうしたですか?」

「命である、ここに暮らす者共の才を見込みこの街の復興のため協力を求める!その異才を十分に発揮しこの街に利益を齎せ!」

青年は足にしがみつく先ほどの少女と顔を見合わせた

「ぼくたちが・・ですか?」

「ついては、明後日使いを渡す。昼食と礼の品も用意しておくので必ず来るように!」

「はっ、はい。わかったです。」

兵士と身なりの良い男は言い終わるとすぐに帰っていった


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残された青年と先ほどの少女は部屋の奥に戻り

寝台に横たり浅い呼吸を繰り返す少年にも声をかけた

「ティニー、ご飯は食べれそうかい?」

寝台に横たわるティニーはコクンと首を振る

「そうか、じゃあ用意するから待ってておくれ。」

「アンチャ、わたしも手伝う。」

「ありがとうフェミニ、それなら用意するまでティニーを見ていておくれ。」

アンチャはふらふらと立ち上がり隣の部屋へ向かった

「ティニー、からだふく。」

フェミニはティニーにかかっている布切れをずらし上体を起こす手伝いをしてくれている

その体は体毛に覆われ

体毛の隙間から縫合された後が無数に覗き見える

「フェミニ、ありがとう。ティニー、熱はどうだい?」

アンチャは持ってきた少しの具が浮かんだ透明な汁の入った椀を傍らに置き、フェミニの頭を撫でたあと額をティニーの額と重ねた

少し下がった気がする熱にアンチャは安堵しにこりと笑う

「あのね、ティニー。今偉い人が来てね、僕らに仕事をしてほしいんだって。僕らのこんな力も何かの役にたつかもしれないんだね。ご飯とお礼ももらえるんだって。そのお礼を使えばティニーの病気もよくなるかもしれないからやってみようと思うんだ。」

「んっ、いいと思ウ。」

アンチャの問いかけにティニーは虚ろな目で答える

「そうか!偉い人はみょうごにちに来るっていってたけどみょうごにちがいつか分からないからいつ来てもいいように準備しておこうね。ティニーはそれまでちょっとでも休んでおこうね。フェミニもいいかい?」

「分かっタ。」

「大丈夫!」

アンチャたちは希望を胸にその日を待った


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「奴らは凄まじく醜くかったな。あのような奴らがこの街にいたというのが不快でたまらん!隻腕に隻眼の男に、黒いエルフ、獣のような匂いもした。奴らは祝福の代わりに呪いを受けたこの国の禁忌だ!だが、それももうすぐ終わる。そしてこれは吾輩の功績として評価されることになるに違いない!くっくっく。がはははは!」



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