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盧植のおそらくは居ただろう子供に転生?した系三国志の話  作者: 凡凡帆凡
いーまから一気に これから一気に 殴りに行こうかぁー やーやーーやー やーやーやー 編
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分岐

 軍装を解いた盧繁は客を迎えて居た。気にはなって居たが聞くに聞けない事。その答えをくれる客人の簡雍。


「やっぱりですか。何となく徳然殿が居なかったんで。正直そんな気はしてましたが……」


 盧繁は寝台の上で溜息を一つ。対面に座る簡雍も台の上に鼎を置いて続いた。盧繁は居た堪れなくなって口を開く。


「張純の乱が激戦だったとは聞きましたが。やっぱりその時ですか」

「ああ。亮の奴は、索敵に行って見つかったらしくてな。二度目の物見を出した後に堪らず陣地を攻撃したら。……縊り殺された亡骸だけ、残ってたよ。俺達の事は黙ってたんだろうな。頑固な奴だ。

 それで義は流れ矢だ。何とか医者に見せたんだが呆気なく死んじまった。最後に劉備の奴に偉くなれって。展の奴が死んじまった意味をって言いながらな、泣きながら親父さんとお袋さんの名前を最後に逝っちまった。

 その展の奴は関さんと益徳を前線に送って手薄になったところで奇襲を受けて、な。展はな、何度も何度も、刺されながら助けて助けてって、言って。だが、如何しようも無かった。俺もアイツもさ。関さんと益徳が帰って来る迄、味方の亡骸の下に隠れてる事しか出来なかったんだ」


 盧繁としても簡雍としても相手との関係は深くない物である。琢郡で見た事があり黄巾征伐で喋ったのが明確に関わったと言える最初だ。その後は公孫瓚の下へ行った。

 とどのつまりは同郷以上の関わりは無いのである。しかし盧繁としては沈痛に語る簡雍にはらしく無いと言う印象をを抱く。だがそうなって当然の状況だった。


「それは、何とも……。違和感を覚える筈だ」

「以来、ちっと劉備の奴は向上心ってより野心を持つ様になっちまった。如何にも仁義だ何だとそう言うモンを露骨に表に出す様になったのよ。そりゃあ外聞としちゃあ悪か無いんだが、な」


 盧繁は返答に窮す。任侠かぶれで叔父の援助で塾に通いながら博打をしていたと聞いていれば当然の事だ。だが悪い事では無いと内心で頭を振る。


「まぁ劉備の野郎。玄徳なんて字で度が過ぎて気味の悪いこった。明徳に変えるべきだなありゃあ」

「言っちゃったよ……」

「そうでもなきゃやってられん。で、本題良いかい? 坊ちゃん閣下」

「坊ちゃん閣下か。否定できねぇ……。お願いします憲和殿」

「呂布の野郎……畜生って言っても良いかね?」

「まぁ、はい。えーと。此処でなら」

「おう。んじゃ遠慮なく。あの畜生のトコには分かりやすく派閥がある。

 最大派閥の并州、陳宮を頭にした兗州、曹操が憎い徐州、実際ごった煮の司隷ってな。此の中で兗州と司隷の派閥は呂布の事が大して好きじゃねぇ。

 そんで陳宮ってのに坊ちゃん閣下の義父殿と繋がろうとしてるって事を伝えられた訳よ」

「公路さんと?」

「そ、要は鼠が俺らって穴蔵を見つけたのさ。呂布に付いて行く気はねぇと。早いところ坊ちゃん閣下に渡りを付けたかったんだろ」

「分かりました。では彼等の出来る事と望む物は?」

「城門を開ける事と大赦だな」

「良いでしょう。じゃあ出発します」

「……ん?」

「兵は拙速を尊ぶ。どころか今動くのは拙速ではなく巧速と見ました。すいませんが軍議を開くので玄徳殿を」

「もう、かい?」

「ええ。早く終わらせて妻の家族の安全を確保したいので。何より幾らやらかしたとて情があって当然で、忠孝の狭間で苦悶する妻が待っています。速戦で終わるなら選択肢ない。

 あ、あと兵糧が無駄」

「あーうん。だわな。分かった」

「酒は持って行って良いですよ。客人用ので俺は飲まないんで」

「お! そりゃあ、ありがてぇ。じゃあ坊ちゃん閣下。失礼致します」

「はい。暗いので道中御気をつけて」


 盧繁は見送る。対して酒壺を振りながら退室した簡雍はそのまま盧繁の屋敷を出て重い壺を抱え込む。そして困った様な嬉しい様な何とも言い難い。


「劉備、ありゃ。格がちげぇぜ」


 何より安堵した顔で吐露した。


 〓曹操〓


 子昌殿は、とんでもない者に育ったな。鳶が鷹を産むと言うが此れでは虎が龍を産んだ様なものだ。いや、蚩尤の方が良いか?


 ……悩ましいな。


「——て、訳で兗州牧が敵を抑えてくれている間に下邳城。要は別動隊を迂回させ敵の本拠を落とします。

 尚、迂回軍は玄徳殿が離間計を施してくれているので俺が玄徳殿と共に進軍し駐屯する形になるでしょう。もし万一に敵の謀略だった場合でも騎兵のみの進軍であれば小沛と下邳程度の距離ならば離脱は余裕ですから。

 寧ろ危険なのは呂布本隊を抑える兗州牧となるでしょう。此方は無理に戦わず隙を見つけたら攻撃する形をお願いしたい」


 まぁ此方には数の利がある。であれば当然取るべき最高の作戦だ。覇王項羽とて数の前には何も出来ず、呂布とてそれは変わらんが故に平押しで良い。

 白波兵と黒山兵を子昌殿が率い、青州兵を俺が率いている。しくじっても兵は幾らでも居るからな。それこそ呂布が万の軍勢を相手取れてもそれを繰り返すのは不可能だ。妙な事をする必要もない。それに現状は兗州と徐州の戦後を鑑みた兵の運用をしている。

 ……だが青州兵は呂布に恐怖しているからなぁ。うーむ。


「此度の戦。要は曹兗州牧となるでしょう。懸念などは御座いますか?」

「恥ずかしながら閣下。青州兵は呂布を恐れております。恥ずかしながら呂布の数十騎に万軍が撃滅されたが故です。

 籠城の形であれば戦えますが野戦となると味方の足を引っ張るかと」

「野戦で敵を釣る事は?」

「そこはやって見せましょう。精兵であれば難しくない。寧ろ逃げろと言われれば喜んで逃げましょうな」

「分かりました。では曹兗州牧は呂布の誘引をお願いします。飛燕さん」

「へい」

「来たら奇襲。出来ますか」

「ええ、任せて下さいや。兗州牧殿を追ってきた部隊を殺しぁあ良いんでしょう? 夜襲は得意ですぜ」

「頼もしいです。ただ并州兵は勇猛。騎兵も多い」

「十分に気をつけまさ」


 数が多いとは恐ろしいな。これだけやって未だ兵のゆとりがある。しかも本隊を任されるのは。


「じゃあ賈さん。敵が追ってくれば包囲撃滅。籠もれば陣を築いて俺を待ってください」

「承りました」


 あれゼッタイ只者じゃないだろ。めちゃくちゃ目付き怖いもん。家臣に欲しい……。

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