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盧植のおそらくは居ただろう子供に転生?した系三国志の話  作者: 凡凡帆凡
いーまから一気に これから一気に 殴りに行こうかぁー やーやーーやー やーやーやー 編
67/80

たぶんタイムスリップ? して一番イヤな光景

 残兵である。文字通りの敗残兵。いや無惨の惨で、惨敗として惨敗の残兵達。武器を持つものさえまばら。人馬も疲れ切っていた。

 その無惨な塊から三騎が出てきて曹操の前で下馬して。


「いやいや何と!! 此の様な敗残兵を出迎えまでして頂き!! 深甚感謝しか無い!!」


 曹操は困惑しながら劉備を迎えた。関羽と縁を持つ序でに僅かながら会合したが余りにも人が変わり過ぎている。道化の如き有様に馴れ馴れしくも不快にならない程度には計算された立ち回り。

 物腰の落ち着いた雰囲気を一変させたそれは記憶に刻むに最適で、印象の変転に対する違和感を大きくするに余りあった。


 とは言え、曹操である。


「ああー玄徳殿!! ご無事で何よりだ。心配していたのだ。私は袁紹の手先、貴公は公孫瓚の手先とならざる終えなかった。その同病相憐れむ共感からです。

 だが、陛下と大将軍閣下の慈心によって轡を並べ奸賊呂布を討てる。これほど嬉しい事は御座いませんな。

 ささ、忠勇たる将兵臣下の歴々も。然したる物は出せませんが羹を用意いたしました」

「おお! 劉備、感謝の念が絶えませぬ!!」


 大仰に両膝をついて拱手する劉備に薄ら寒さを感じながら曹操は慌てた様に劉備の手を取り立たせて膝の土を払う。続いて関羽を立たせて土を払い。ついでに張飛も。


 恐縮する三兄弟に曹操は首を振って。


「お気になさいますな玄徳殿。お二人もだ。ささ、此方へ。惇は皆様を!!」


 譙城に入り熱い酒を三人の鼎に注がせた曹操は上座で鼎を掲げ。


「三人の英雄達の無事を祝い、三人の英雄を逃すために散った勇士達へ捧ぐ」


 三兄弟が曹操の言葉に続いて同じ様に鼎を掲げるのを見てから息を合わせ酒を呷った。その鼎が置かれると早速食事を掻っ込む三兄弟達。彼らが満足するまで曹操が待てばコと言う短い音を立ててた椀を置いた劉備が曹操へ視線を向けていた。


「何かな玄徳殿」

「兗州牧殿。それで子昌殿は? その軍の来る時期は、その兵は」


 曹操は劉備から焦りを感じない事に違和感を覚えたが、しかし。


「出兵が来月。着陣は近々。歩兵を五万と騎兵を一万」

「……随分な数だ。兗州牧殿、私は見ての通りだが。どうか小沛攻略軍へ加えて頂きたい」

「玄徳殿。鼠を放ったか」

「流石で御座います孟徳殿」


 曹操は劉備という人間を徐州を失った今だからこそ高く評価した。故に。


「貴公には及ばんよ。玄徳殿」


 〓盧繁〓


 あー蒼天たけぇー。んで徐州クッソ遠いなぁー。いや、しゃーないんだけどさ。

 ほぼ俺の私兵でしか無い直下軍の移動だけでもだいたい10日。それこそ全軍で言えば物資のアレコレで一月は掛かる。黄河があってコレとか馬鹿じゃねぇの?

 何たら津って聞き過ぎでゲシュタルトってるわマジで。地図ないと死ぬ。


 ……まぁ気を使われて黄河沿いの地点は譲られてるから超ありがたいんだけど。戦力的にもウチが一番デカいし。


 つーか反董卓連合マジなんなん? 5年近く経ってんのに兗州のそこかしこが人も畑もカスカスなんですが。コレで人が戻った方ってアイツら唯のイナゴだろ。いくら開墾するからって行軍中の軍勢が駐屯して喜ばれてんのおかしくない? 異民族どころか普通に兵も困惑してるよ正直。


「閣下」


 あら賈さん。なんか見えたかな?


「如何しました?」

「前方に騎馬が。お迎えかと」

「……最近、立場の所為で気を遣われ過ぎて気を使うんだけど。やっぱ血縁でもない大将軍ってダメだと思うんですよね。それこそ大将軍に親族でも無いのになって良いいのはかの韓信くらいのもんでしょ。驃騎将軍とかに落とせねぇかな」

「……驃騎将軍でも同様かと」

「じゃあ何とか雑号将軍くらいに落とせませんかね」

「無理ですね」


 無理かぁ。マジで董殿が生きてればなぁ。せめて義兄上殿が死ななければ……。

 いや、盧家の家長としてアレか。三人の親族も背負わなきゃいけないし日和ってる場合じゃねぇんだよな。毓の事もある。

 気ばろ。ガチで。


「閣下ァッ!! 県令の——」


 ……うん、やっぱアレ。


 でもコレは正直キツイって!! 行く先々メチャクチャ年上!! の五体投地!! 


 無理!!!!!


「やっと着いた……。戦いの時のが気楽って如何いう事? ガキに気を遣いすぎでしょ」

「閣下の立場と膂力を思えば当然かと」

「膂力て。俺、獣かなんかだと思われてる?」

「……」


 …………。


「思われとんのかい!! え? 賈さん嘘でしょ!? 俺、一応は盧家の家長だよ!!? まがりなりにも儒家ですけど?!! よりよって獣って何で!!!?」


 って、うわ!! スゲェな。賈さんのこんな顔見た事ねぇ。何その呆れ果てが極まったみてぇな顔。


「獣というか……」

「と、言うか?」

「蚩尤かと」

「バケモンじゃねぇか!! ケモノどころかバケモノかよ!! 酷くない?!!」

「父君で辛うじて儒家。閣下は父君以上に軍功が輝かし過ぎます。一般的に儒家として見るのは難しいかと」


 うん。まぁ、うん。釈然としねぇ……。


「閣下。曹兗州牧と劉玄徳殿です」

「お、師匠と……。何だアレ。何が、あ」


 親族集が一人も居ない……。


 ……変に気を遣うべきじゃねぇか。


「閣下ァッ!! 此の曹操!! 御着陣を今か今かと待っておりましたぁ!!!」

「此の劉備も深甚歓喜しておりますぅ!!!」


 …………えぇ。地面に頭叩きつけ、えぇ。


「ねぇ本気でやめて。ホント。やめて」


 ガチ勘弁して。

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― 新着の感想 ―
呂布を赤子扱いする武威だけでなく知性や道徳を備えてたら、そらそうなるわ。 曹操でなくとも全力で媚を売るでしょ。
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