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盧植のおそらくは居ただろう子供に転生?した系三国志の話  作者: 凡凡帆凡
いーまから一気に これから一気に 殴りに行こうかぁー やーやーーやー やーやーやー 編
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バランスボールに座ってる君に飛び膝蹴り

 涼州の事を樊稠や朝廷から派遣された張猛などに任せて徐栄と共に益州攻略を始める。だがその当初の予定は良い意味で変更することになった。馬騰と韓遂は朝廷として必ず討ち取らねばならない相手だった。


 だが益州は涼州と事情が違う。厳密に言えば漢中は、だ。


「大将軍閣下。御無礼、御容赦を。師君、などと自称する痴れ者。張魯に御座います」


 随分と見てくれの整った。それこそ盧繁さえ居なければ、周瑜や呂布さえ知らねば神々しささえ感じさせる容姿と雰囲気を持った男が盧繁の前で跪く。盧繁は彼を立たせ座へと腰を下ろさせ。


「いえいえ、よく来て下さいました公祺殿。早速本題ですが伺った話は誠の事でしょうか。三年か、まぁ長くても五年は掛からないと?」


 席に促された張魯は茶を出した侍女に一礼してから盧繁の問いに涼やかに頷く。


「ええ、既に。東州兵と民の間に諍いが御座いますので。火が付けば瞬く間でしょう」

「東州兵と言うと三輔や南陽を故郷とする兵でしたね」

「ええ。大半は南陽になりますが。何せ三輔の兵は閣下の帰還とともに故郷へ帰ってしまいましたから。しかし劉璋などに引き止められ、その為に離れ離れになってしまった縁者も多いとか」

「……なりふり構って居られないのか。しかし手を出すにも時が必要です。一先ずは取り決め通り戦っているフリを適当に一年程続けましょう。もし万一にも劉璋の援軍がもし来た時は一報を。誘導してくだされば此方で」


 盧繁はそう言うと自分の首の横で掌を薙いで見せた。何故か張魯は背に氷を入れられた様な心地になる。巫術などではなく神そのものを相手にしている様な錯覚。


 たまたま斧の素振り見ちゃってクソビビってるだけだけど。


「承りました。もしその時になれば必ず。それで益州を得た暁には我等が天師道を御認め頂けるのですね?」

「ええ。これは政治的忠告として天師という名は変えた方が良いと思いますが。しかし税を納め他者に教えを強要しない限りは貴方の教えを否定する積もりは朝廷に御座いません。以て乱さえ起こさなければ陛下は御許しになられると仰せです。私如きを加えたところで不安でしょうが盧子昌も約束致します。

 何せ劉焉は皇族でありながら陛下に弓引いた逆賊であれば、その賊を討つ助力をした者に褒美を出さぬ訳にはいきません」

「その言葉が聞けて安堵致しました」


 張魯が帰ると盧繁は鼻歌を奏でながら書を認める。


「いや助かったわ本当に。幸いな事に伝が幾らでもあるし。さっさと養父殿のトコに行きたいからな」


 凄い雑に言えば益州は益州出身豪族と劉璋を担ぎ上げた流民の間で一触即発の事態となっていた。その逆賊劉璋と流民の主力が東州兵であり、朝廷は東州兵への離間工作を行っているのである。尚、その間者を偶然発見して状況を見て劉璋に見切りを付けたのが張魯であった。

 劉璋の父である劉焉が戦力としたのは益州豪族と東州兵と張魯である。そして戦力とは乱世における四肢のような物。即ち盧繁は既に劉璋の四肢を筆を用いて捥いでいた。


 そうモギモギする為にカキカキしながら盧繁は待つ。そう幾許も掛からず。


「閣下」

「賈さん。来ましたか」

「は。司徒掾にして廷尉左官の法季謀殿が名乗り出て下さいました」

「一族の方もですか?」

「はい」


 盧繁は感嘆して頷いた。これから危険で難しい事をお願いする。それを知った上で一族と共に名乗り上げた者だ。


「では此方に」


 敬意を持って当らねば無礼と言えた。


 〓法正〓


 男の俺が言うのも変だが、何とも雄大で美しい方か。


「法殿。此の盧繁、貴方の忠義に感嘆するばかりです。御孫殿を始め長安に残る御一族の後の事は身命を賭して御世話させて頂く」


 そして誠意とはこう言う事なのだろう。勅使と腹心と我等のみとは言え両膝を突いて父の手を取り口に出して保証をしてみせた。この言動は紛う事なく心からの物と理解させてくれる。


「喫緊、此の地で得た情報になりますが益州は既に分裂を始めております。益州国人の朝廷に対する所感を注視して頂きたい。無為な血が流れぬ為の策とは言え苦労をかけますが」

「何の閣下。此の老骨の最後の仕事と心得ております。そして私に何があろうと我が子の法正が」


 ……父上も張り切って居られるな。大将軍という立場のお方の御心遣い。裏切る事など出来ようか。


「孝直殿」


 ——ッハ!! 私如きの字を!!


「は。何でしょうか閣下」


 私は、確と跪き拱手できているだろうか。声と視線一つで凡夫は息を呑む。英雄とはこう言うものか!!


「貴方にも深く感謝を。万一があれば亡くなられた皇甫将軍の御息女を娶っている射文雄殿を頼って下さい。兄君との伝が御座います。必ずや力になってくれるでしょう。

 父君からも既に伺って御いででしょうが乱が起これば民心を慰撫しつつ反劉璋の一派として立って頂きたい。しかし戦わずともあくまで部外者でありながら地元の人々の為に立った体裁を崩さずに願います。貴方達法家一族に任せたいのは益州と朝廷を結ぶ楔となって頂く事。また益州は守勢に優れた地勢であり貴方達の働きの価値は計り知れない。

 一族を含めた上に危険かつ長期の任となりますが如何かやり遂げて頂きたい」


 此の方は策略家でもあるのか。いや、それもあるが恐らくは賈軍師の進言か? まぁ構わない。


「此の法正。父と共に必ずややり遂げてみせます!!」

「どうかお願いします孝直殿」


 奮起せねばなるまい法孝直!! 己の全てを用いて閣下に尽くすのだ!!


「それでは閣下。我らは任に向かいまする」

「わかりました法殿。是非に御見送りを」

「あぁ、いけませぬ。これより我らは逃亡者。そのお心だけで……」

「では、どうか御無事で」


 何ともはや。


「此の任、必ずや成し遂げるぞ。法正」

「……ええ、父上。必ずや」

法衍・季謀

法正のオトン。

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― 新着の感想 ―
良かった。ぐっちゃってされる張魯さんや法正さんは居なかったんや。
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