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盧植のおそらくは居ただろう子供に転生?した系三国志の話  作者: 凡凡帆凡
個人的に三国志演義で一番テンション上がるのって虎牢関の戦い編
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師弟対決......一応は

 匈奴の騎兵が列をなしていた。それに非常に長い柄を竹で代用した槍を装備した長槍兵と弩を装備した弩兵と弓兵が続く。北中郎将の軍勢一万だった。


 匈奴の騎兵が三千。白波賊の歩兵が七千。現状で盧繁の出せる兵力としては最大限だ。


 他は練兵とか畑耕したりとか運搬係してる。


「いやぁー。今回は先陣任せて貰ったし頑張んなきゃな。橋瑁の足掴んで振り回せたら最高なんだが。まぁ怒られるから無理か」


 さて朝廷の取った戦略は単純。関門で受け止めて徐栄と盧繁が回り込む。要は基本的な金床戦術だ。

 徐栄は幽州出身ということもあり盧植の軍勢の一部や烏丸の騎兵を擁している。また盧繁も匈奴の騎兵を白波賊と共に麾下に置いていた。迂回進軍するにはもってこいなのだ。

 と言うか羌賊騎兵を持つ董卓、鮮卑騎兵を持つ呂布、烏丸騎兵を持つ徐栄、匈奴騎兵を持つ盧繁と事機動戦においては負ける要素が無い。

 要は焦土戦術を用いて敵の進軍を躊躇させ、進軍してくれば兵站を圧迫し、敵の進退極まったところを擦り潰す機動防御だ。


「さて、京県を過ぎて結構たったしそろそろ敵がいてもおかしく無いんだけど」


 盧繁は気ままに言う。それに合わせた様に騎馬の一隊が帰ってきた。敵の捜索や伏兵を発見する為の物見だ。


『敵を見つけたぞ我等がハーン!!』

『ほんとか!! よくやってくれた!! 後で酒でも奢るよ』

『それは死ねんな』

『死ぬ事は無いでしょ。今回は』

『それもそうだな。川は未だ渡ってない』

『そりゃ朗報だ』


 随分と匈奴の言葉が上手くなった盧繁が手を振れば騎都尉として率いている実態は漢人への伝令用の羽林騎が近付いてきた。


「敵を見つけた。川を渡る前に攻撃したいから少し急ぐ。また伝令を出す、頼むぞ」


 羽林騎達が軍礼をして離れていくのを見送りながら。


『先行する!!』


 勇ましく言ったが馬だってバテるから歩兵よりは気持ち早い程度。二刻(約30分)ばかり歩兵を置いて進むと匈奴の騎兵達が騒めいた。すぐさま察して横に控える呼廚泉に。


『見えた?』

『ああ、橋を作ろうとしてる』

『そりゃ急ごう。全員武器を!! 突騎は前に!!』


 盧繁の命令に匈奴騎兵が従う大斧を握った盧繁に続く騎兵。歩兵と同じく非常に長い竹の柄の槍に肩に掛ける紐を付けて握る。また一割にも満たないが鉄の鎧を纏っていた。

 前回の戦いで突破力が欲しい場面があり強度の中でも特に優れた馬術、特に長い槍を固定して的を突き落馬しない筋力を持つ兵。彼等に徐栄や董卓の助力を得て装備させてみた重騎兵のはしりみたいな騎兵だ。正直言って変態強強馬術保持者の匈奴でも難易度の高い技術だ。

 尚ランスレストほどに上等な物では無いが革のベルトを胸部あたりに巻いて槍を固定できる様にはしてる。


『突騎は前!! 鉄騎は俺の後ろ!! 槍騎はその後ろ!! 弓騎はその後ろ!!』


 指示通り突撃の陣形を整えていく。盧繁を先頭に長槍持ちが敵をこじ開け弓騎で被害を増やす。規模的に非常に実験的な物だった。


 尚、盧繁は何時もの大斧である。それブンブンしてた。馬鎧くらいしか変化は無い。


 隊形を整えたらそのまま進軍だ。縦列で鉄騎が十五人三列、槍騎が七十五人十五列、後は弓騎。直ぐに船橋を用いて荷車を対岸へ運ぼうとする敵を見つけた。


『ブチ破るぞ!!!』


 その声を皮切りに馬蹄の間隔が狭まり強くなり纏って轟音となり響く。小さな濁流や雪崩を想起させながら荷車を待っていた兵達に迫り盧繁の斧が全てを薙ぎ払い突騎が突き飛ばして弓騎が逃げ惑う敵の背を射る。


 敵の兵が作っていた壁が蜘蛛の子を散らす様にバラけても前進を止めず距離をとってから反転した。


『被害は?!』

『無い』

『え?! あ、いや良し!! もう一回攻撃いける?』

『可能だ。だが戻る事を考えれば鉄騎は次が最後だな。馬が動けなくなる』

『て事は二回っすね。なら狙うのは特に効果的な所だな。さて目の前の軍を抜けるなら何処がいいかな』

『あそこは如何だ。我等がハーン』

『凄く良い。前進!!』


 盧繁は呼廚泉の指差す先を見た。壊乱した兵の求めるものは安息。お化け屋敷や肝試しで老若男女が固まる様な心理を発する。即ちより多くの味方のいる方向へ逃げるのだ。だから指先を追った盧繁は悪い、それはもう悪っっっるい顔で。


『行こう。直ぐ行こう!!』


 月驥の首元を撫でた。


 〓曹操〓


 やはり来たか!! 奇襲を受けたとは言え子許殿の軍勢がああも容易く……いかん!


「敵が突っ込んで来るぞ!! 槍兵前に!! 弩弓兵は即刻構え!!」


 しかし、アレは……あれ? 最近忙しくて目ぇ疲れたかな。鉄騎の前……アレ子昌殿?


 え?


 えーーーーーーーーーーーーーーーーっと?


 なんで?


「おい孟徳!! 鮑国相が!! 早、えぇ?」

「……惇。すまんが俺は目が疲れてるらしい。悪いが代わりに戦場を見てくれないか」

「孟徳、悪いが俺も目が疲れてるらしいから力にはなれんぞ」


 ……。


「一応聞かせて欲しいんだが」

「何だ孟徳」

「淳も兵が、その、何だ。斧に引っ掛けられて投げ飛ばされてるのは見えるか?」

「そうだな。弩みたいな速さで人が飛んでるな。薙ぎ払われるならともかくな。何あれ夢?

「……そっかぁ」


 淳も疲れてるな。休めん状況だが。いやぁそれにしても。


 止め方わからん。何アレ。どうしよ。


 いや普通は突騎の方が問題なんだがアレ子昌殿が無理だ。


「なぁ淳。止められる者いない? あの人間投石器。いや投人器」

「いやぁ……アレはちょっと」

「だよねー」


 どーしよアレ。いや、違った。


「淳、撤退路の確保だ。殿をせねばならん。救援は無理だ」

「そうだな、あ?」

「ん?」


 なん……だ、と。


「て、撤退だ!! 急げ!!!」


 拙い拙い拙い!! 何だアレは!! 何なんだアレは!!!?


 騎兵が縦列を作って歩いてきている!! あんな事が出来るのはそれこ——そ、そうか。そうだった!!


「曹操!! 夏侯惇!!」

「曹洪」

「何をボサッとしている!! あの騎兵は拙いでしょう!! 直ぐに撤退を!!」

「そうだな。王朝に残った烏桓突騎の残りだ。洒落にならん」

「まさか……盧子幹様の」

「ああ正解だ。活躍の機会は少ないがな。

 広宗で高名なる盧北中郎将。その麾下にあった宗護烏桓校尉の指揮で暴れた者達だ。個々の強さでは弱いが差配は取りやすい。

 名将の麾下にいれば見ての通り強いぞ。アレは」


 拙い。特に烏桓を率いて平然と進む先頭の漢人だ。上手い。


 景孫卿の戦はああだったのかもな。


 取り敢えず……。


「逃げるぞ!! 超走れ!! も、スゴイ走れホント!!」


 死ぬぅ!! 本当に死ぬぅ!! 絶対的に死ぬぅ!!


「た、退避ぃいいい!!」

「曹操に続けェッ!!」


 馬蹄が近づいて来る!! 怖すぎて後ろが見れん!! だが陣を敷いても居ない状況で騎兵など止められるわけがない!! 


 走るしかない!! 取り敢えず馬ァッ!!


「クソ!! 孟徳!! 曹洪殿!! 俺は殿を務める!!」

「殿など無意味だ!! 良いから走れ!!」

「クッ……此の屈辱忘れ——あ」


 あれ? 淳、消えた? あいつ落馬した?!


「早く馬に!! 馬を止めるな孟徳!!」

「いやオマエ、淳、馬鹿!!」

「早く行け!! 曹洪殿、孟徳を頼む!!」

「分かった!! 行きますぞ!!」

「いや、ま、ちょ、力強……!?」


 あ。


「居たぞ!! 此の軍の大将首だ!!」


 矢。


「ヴゥルル!?」

「ぐお?!」


 馬を射られた!! 


「落馬したぞ! 討ち取れ!!」


 もう歩兵も追いついて来たのか!! 敵の動きが速過ぎる!! 


「曹操殿!! 俺の馬を使え!!」

「な! いや、いやお前が逃げろ。曹洪の馬だろう!」

「馬鹿言ってないで逃げろください!!」

「逃げろください?!」

「失礼。ですが急いで!! 川は目の前です。この天下には貴方が必要だ!!」


 クソ!! ドイツもコイツも……!!!


「ならば此処にいる敵は殺していく!! その方が安全だ!!」

牛亶

何も解らん。漢献帝春秋だか何だかってのに劉璋ポンコツ過ぎて益州バカ荒れたから献帝が五官中郎将の牛亶を送ろうとした的な記述があるとか無いとか。マジで誰?


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― 新着の感想 ―
毎回楽しみにさせて頂いております 逃げ若の土岐頼遠みたいなのが遊牧騎馬兵のチャージランスをお供とやって来るって、難度調整ミスってるとしか思えないw その状況下で敵を殺して撤退するとか。負けイベじゃなけ…
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