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盧植のおそらくは居ただろう子供に転生?した系三国志の話  作者: 凡凡帆凡
個人的に三国志演義で一番テンション上がるのって虎牢関の戦い編
37/80

良薬は口に苦しって言うより空腹に耐えかねて傷んだ物を食う覚悟をする感じ? マイ◯ラかな?

感想、ブクマ、ポイント、いいね、誤字報告ありがとうございます。


今回は一日一話で八話投稿です。


暇潰しにでも見てってくれたら幸いです。

「うっせぇブチ殺すぞ」


 朝廷の広間は静まり返った。雫一つが落ちた音でさえ拾えるだろう程に。文武百官揃う中でたった一人が声を発した結果だ。

 一握り声を挙げられる者も居るが、しかし彼らも口を開く気にならなかったり、その必要がなかったり、好奇心に従ったりと、まぁ特に音を立てず座っていた。

 だから青年の黒く塗った様な相貌から発さられる二つの眼光を、己の口を開いたが為に受け止めざる負えなくなった男達は無為に息を殺す。


「特にオマエ。今何つった。何顒おい」


 ここは皇帝も臨席する朝議の場である。当然だが剣など持てるのは一握り。それこそ相国董卓くらいだ。

 故に問いかける男は武装していない。だが問われた何顒は死をも覚悟した。まぁ覚悟した所で別に何も出来ないんだけど。

 そして出来ないからこそ青年を立ち上がらせてしまった。そして青年は儀礼上の必要性から小走りで距離を詰める。結果的に瞬く間に黒い顔が迫り鷲掴みにされ地面と足が離れていく。


「言えよ。もう一度。その口で」

「アギ、ガ、ア……ァ」


 怒り狂う息子の父が溜息を漏らした。


「繁、それでは話せんだろう。せめて降ろして差し上げろ」


 父親の言葉に掌が広がって何顒が落ち咳き込んだ。だがその頭に当然の様に方足を乗せて平然と腕を組む。冷静な者達も胆力のある者達も如何しようもないと諦めた。

 皇帝の前で竜の逆鱗などと言えば不敬になるかも知れない。だが何顒は虎の尾を踏む以上の舌禍を垂らしてしまったのは確かだ。


「わ、悪かった。発言を……発言を取り消す。だから……」


 足元に向けていた青年の瞳孔が更にカッピラいた。


「そういうのいいから」


 何顒の頭がメシと歪み青年の拳から血が流れていく。


「お前さぁ。言ったな。太傅殿を殺せって、なぁ? 残った一族を殺せって、なぁ? 三族を殺すべきだってヨォ。

 ならお前も、お前らも死ぬんだよな?」


 何顒の頭から音が響いて何顒の口から声にならない音が漏れる。儒学者の息子らしく礼儀正しく良い意味で軽佻という印象の青年盧繁の激昂を止められる者は居なかった。端的に言えば何顒達は袁隗の処刑を提言したのだ。


 いや、そこまでは良い。ハッキリ言って仕方のない事だし三族誅滅もおかしくは無い。では何が問題か。


 罰を与える範囲を物申した存在だ。董卓、盧植、盧繁は何とか袁隗と袁基を刑死とし袁紹と袁術の首に賞金をかける事で決着を付けようとした。

 要は袁隗二人の息子を残す事で政治的な味方勢力を残せる。それは袁隗の今までの功績を鑑みればおかしくはない。評定の話の持っていき方では可能な範囲だったのだ。

 尚、ややこしくなるので端折るが心情的に盧繁は理解はしても納得してない。また袁術は敵の情報を探る内通者である。


 だが何顒達は袁隗、袁基、袁術、袁紹、その妻子を殺すべきだと公然と主張したのだ。主張自体はそこまでは何らおかしくなく、だからこそ議論を行ったのだが何時の間にか唯の口論になって、何顒は盧植と盧繁を袁雅の名を出して乏めたのだった。

 特に盧繁に対して「袁家の娘を救いたいが為に儒者の家の子が朝廷の摂理を乱すのか」くらいまで言っている。とは言え此処までなら盧繁は冷静に袁隗の功績などを挙げて反論できていたのだ。

 だが熱を帯びて有る事無い事ってかほぼ無い事ってかただの言い掛かりを言い始め、袁雅が後宮へ盧繁と共に呼ばれた事があったのだが、それを論い「陛下に媚を売る売女ではないか?」とか言った辺りで完全に一線を越え盧繁はガチプッツン。

 何顒が宮中の情報を得る術を失った鬱憤が溜まったが為の失言だったが、盧繁からすれば知った事では無いしもう如何にも止まらない止められない。


「テメェ宮中の禁を破って議郎や侍従や黄門を入れる手引きしてたよな。要は陛下の意向を確認もせずに朝廷の摂理を乱したんだ。

 荀爽、何顒、鄭泰、荀攸。アンタらが引き入れた連中。皆殺しにされるくらいの気概はあって吐いたんだよな?」

「ま、待って欲しい!!」


 傍観者だった。というか息を殺していた荀爽が驚き声を挙げる。盧繁の目に怯むも。


「何長史が失言をしたのは確かだ。だが刑罰に関して間違った事は言っていない。それにこの場は暴力を振るうべき所では無いだろう」


 穏やかに。荀子の子孫として恥無き教え諭す様な声色。が、しかし。


「何も、知らない、とでも?」


 盧繁は父と袁隗に渡された布を広げ荀爽、荀攸、鄭泰、何顒、种輯を睨む。荀攸の横顔に汗が伝い荀爽、鄭泰、种輯が顔を土気色に変え何顒が失禁した。伍瓊の家を捜索した際に出てきた密書である。


 〓董卓〓


 いや有耶無耶にゃ出来たがコエーよ。子昌殿の怒りの段階まだ上があったのか。何人か泡吹いてやがったのはザマーミロだったが。


 さて。


「で、如何よ? 太傅殿、先生」

「……確定はしとらんが王允。キナ臭いわ」


 うへぇ……。何を見つけたんだか。


「橋瑁が大義とした三公の檄文、尚書令ならば容易に出せるじゃろう?」

「それって確定か?」

「いや。じゃが十中八九よ。術の所に居る陳郡袁氏の曜卿殿に確認をとった。

 王允はほれ、黄巾の乱の際は豫州刺史じゃったろう。それで豫州の名族として文章を見たことがあったそうでな。酷似しておると伝えられたわ。

 まぁ故に此度、荀爽も調べたのよ。何顒はもしやとは思っておったが、いやはや。あそこまで根深いとは」


 ああ、それでか。うぇ……吐きそうだ。


「……勘弁しろよじゃあ何か? 并州豫州の人間は皆んな敵だってのか!! 

 ああ、いや、いやいやいや。まぁそれはこの際一向に構わねぇ。全員縊り殺してやるが問題は碌な文官が居なくなっちまうじゃあねぇか!!

 クッソ面倒クセェ。いや、待て。アンタを生き残らせるにゃ良い理由付けになるだろ。袁太僕や御息子もだ。如何だ太傅殿?」

「うぅむ。まぁ、儂は無理じゃな。寧ろ基や息子達の事は感謝させて頂くが此れも際どい。袁家が残るだけでも御の字よ。

 さて、それはそれとしてじゃ。試しに王允のみに情報を一つ漏らしてみようと思うんじゃが。如何じゃろうか相国殿」

「そりゃあ良い。獅子身中の虫は皆殺しにしておきてぇからな。徹底的にだ」

「では子幹殿」


 ……先生ビックリしてねぇか? あ、これ今此処で思い付いたのか。無茶振りが過ぎるだろうよ太傅殿よぉ……。


「確か敢えて河陽津に王匡軍を引き入れる策を考えて居りましたな」


 何か思い付いたのかよ先生。嘘だろ頭の回転早過ぎか!!


「ああ、そうだ先生。

 民の移動やら兵の入れ替えやらがあって手が出せなかったのもあるがな。黄河を渡らせちまえば後は煮るなり焼くなりだぜ。

 朱儁の奴が煩かったがな」

「ではいっその事です。董殿が長安に退くと言う情報を流してみては如何か。

 同時に内密に上流の平陰津から精兵を黄河の北へ渡河させておき、疑兵を洛陽の西の穀城へ向かわせ撤退してる様に見せ、董殿は反転して北東の河陰と平へ駐屯。

 洛陽を守る一軍と側面を討つ一軍を配置しておき王允には敵を誘引する伏兵を仕掛けると伝えておけば」

「ああ、そうか!良いじゃあねぇか。河内には王城が出張ってるせいで兵がねぇ訳だ。

 敵が進めば俺達が逆に敵の裏側に居るって訳だ。其れで撤退してるのに敵が追撃をして来なけりゃあ王允は完全に黒だ。

 洛陽の防備自体も確り出来てるし敵の退路は完全に塞ぐことが出来る」

「朱将軍には私から助力を願います。王匡軍を逃すこともなく王允を信用出来るかも分かるでしょう」


 お誂え向きだなぁ。それにバカみてぇな張り合いでイラついて仕方なかったんだ。久々の戦を楽しめりゃあ良いが。


「あ、先生。蔡邕はどうよ?」

「その……伯喈殿。王匡と親交あるのです」

「あ、うん……うん」

「此度は従軍するとの事ですが」

「ああ其方か。なら助かるぜ」


 何で政の心配を俺がしなきゃならねぇ。ガラじゃねぇってのに。ほんと涼州帰りたくなってきた。

 まぁサッサと行くか。気晴らしだ気晴らし。


「俺も行っていいですか董殿」


 ……まだ怒ってるぅ。


「ああ子昌殿がいりゃあ頼もしいぜ」


 ハァー皆んな溜まってんなぁ……。


「それは良かった。あと弘農王も連れて行こうかと。まぁ最良は陛下ですけど」


 ……名案だな。


「太傅様や董殿、父上が言上すると拙いですが俺なら言えるでしょ」

「そりゃあ助かるわ。陛下と殿下に話を通しておいてくれ。座ってるだけでも助かるぜ」

「分かりました。陛下と殿下には事前に提案はしてますので直ぐに確認して来ます。それと虎賁と羽林にも」

「助かるぜ」


 ……助かるけど戦えたとして直ぐに戦が終わっちまうな。


 ……はーあ。


 あ、もういっそ連中も使ってみるか?


「一つ思いついたんだが……」


 さて先生達は如何思うかな。

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