マジで何処にSwit◯h2売ってんねんホンマ
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今回は全三話です。
暇潰しにでも見てってくれたら幸いです。
「殺すわ」
「待って」
盧繁はキレて立ち上がり歩を進める。それを見た周瑜が間髪入れずに盧繁に声をかけて止めた。友の声に足を止め振り返る。
だが本当に足を止めただけなのは表情と斧を握る手に出ていて、周瑜は予想通りの反応に予想通りの思いを抱きながら溜息を一つ。
「太傅様から好機だと」
「……好機? 袁太傅が?」
「膿を此処で出すべきだって」
「まさか反董卓の神輿として立つ気か?」
周瑜は返す返す熟も思った。
「本当に聡いな盧繁は。知ってたけど」
「詳しく頼むわ」
「……あぁ、うん」
「おい周瑜、変に気を使わずに頼むぜ。流石に今の状況で知ってる事を隠されたら本気で恨むぞ。それが例え善意や俺を思っての事だとしてもだ」
「分かった。分かったよ。早い話が文官さ。盧太保だけじゃ朝廷を回すのは無理があるのは分かるだろう? 勿論、能力が足りないなんて話じゃ無い。人手、人数の話さ」
「袁太傅が自ら裏切り者供の誘蛾灯になるってか? それで責任取りがてら纏めて死ぬって話だな。寧ろ袁太傅が残った方が良いだろ」
「同感だ。けど太傅様は半ば諦めてしまった。歳には勝てないって」
「……御子息も死んじまったが。でもまだ御子息は二人いるし太僕さんもいるだろ。俺の嫁さんも袁家だしよ」
「そこも相国様と話す気だよ」
周瑜は己の頬に汗が伝った事を理解した。また呼吸を忘れたと言うよりは息を潜めた様な心地だ。盧繁が怒り髪を揺蕩わせて怒髪天を衝く。
「……本当に怒髪って天衝くんだ」
「どうした周瑜」
「いや、何でもないさ。まぁそういう訳で周家は太傅様の連絡役を担う。それと太傅様が死んだら故郷に引き上げる事になった。大人は残るけど加冠してないから」
「あぁ、ね。つーか公路さんは、アレは如何言う了見だろうな。まぁ周りが反董卓で固まってるってのも理由だろうが」
「さてね。手紙は?」
「未だ無い。三公の公文書偽造した橋瑁は足掴んで振り回すが。さて」
周瑜は意外に思った。盧繁は意外と人間だったのだと。だが今は喜べない事で訂正が必要だと直ぐに言葉を選んで。
「まぁ後将軍殿は仕方ないよ。何せ周りが周りだ」
周瑜の言葉で漸く気付いた様で。
「ああ! ああ、そうだ。いや、そうだと良いがな。荊州は王叡、豫州は孔伷だったか。連中も董殿を槍玉に挙げやがったんだな……」
「状況を鑑みれば多少連絡が遅れるのも仕方ない状況さ。気持ちは分かるけどね」
「二、三。何か考えておかなきゃなぁ。明日の共議には俺も出るし。知恵かしてくれよ周瑜」
「私のでよければ」
「頼りにしてるぜ。いや本当に」
〓劉辯〓
コレ朕おわったくない? 橋、橋なんとか。アイツのせいで殺されるでしょ朕。
あ、もう朕じゃなかった。朕。俺?
「あぁーどーしよーコレ」
「俺がブッ殺してきますよ」
ファッ?! 盧繁! 盧繁何で?!
「如何なさいました?」
「ビッ……クリしたァ……。盧繁、か」
「橋瑁に関しては足掴んで振り回しますので御安心ください」
「え、うん……振り回す?」
「はい。生きたまま連れて来て足掴んで振り回します。だいたい死にます」
コレやった事ある感じ? え? いや、聞くのはやめとこうか、うん。
「それより何の用できたんだい? 確か東の賊供に対する評議をするんじゃ無かったけ。というかいつの間に入って来たのさ」
「陛下と殿下を御迎えに」
「ちーーー、んっん“。私もかい?」
「はい。バカがバカみてぇな事をしでかすと手間なんで」
こりゃあ懸念通りって感じかな。いやま普通なんだけど。敵の神輿は担がれる前に壊すに限るよねぇ……。
「敵が殿下を担ぎ上げる事を懸念する連中が何も言えないように殿下も評議に出ていただきます。流石に殿下を前にして殺す事を提言できる奴は居ないでしょう」
なんだろ。評定で言われ無い事が大事なのかな? まぁ死なないで済むなら何でもいいけど。でも、ああ、とやかく言ってる場合じゃ無いんだけどなぁ。面倒だね。
「まぁ分かったよ」
「手間でしょうがお願いします」
「これから協の所に行くんでしょ?」
「はい」
それから協の所に行って華やかさの欠片もない様な広間へ向かった。暇なんだよねぇ評議の場って。まぁ朕何もしない方が万民の為だしそれは面倒だからそれは普通に有難いんだけども。まぁ暇、朕暇。
だいたい茶番だし厳しい顔した爺さんとオッサンばっかりだし。正直言って行儀よく座ってるだけってのも意外と大変なんだよねぇこれが。しかも流れてるのは音玉や歌舞じゃなくむつけき大臣達の茶番。
いやその方が円滑に進むんだろうからとやかく言う気はあんまり無いけど、まぁ聞いてる側としちゃあサッサと終わらして欲しいよ。
しかも、ねぇ?
「間違ってるとは言わねぇがな朱将軍。洛陽に止まってちゃあ危険だ。それに元々そう言う話だったろ?」
「じゃが相国殿よ。未だ家財も運び終えておらん者が仰山おろう。せめて儂を前に出して時間稼ぎくれぇはさせてくれ。であれば数月は保たせられる。火をつけるのはその後でエエじゃろうが」
「俺だって出来るならそうしてぇがな。兵を掻き集めただけで図に乗った連中だぞ? 餌があると思われる事の方が危険だろうよ。
第一敵が入ってからじゃ遅せぇんだ。それを防ぐにゃアンタが必要だろ」
「相国殿が居り盧太保と皇甫将軍が居る。儂如きが居りゃせんでも不覚は取らんじゃろ。何よりこんままじゃあ下の者は冬も越せん」
「出来るだけ長安一帯に収容する。それじゃあダメかよ」
どっちも間違って無い言い合いなんて聞きたく無いよね正直。しかも二人とも顔が怖いの何のって。どっちも顔が賊じゃん。
いやホント中身はともかくさ。顔怖すぎるでしょ。善く言っても単于と侠客の大親分とかだよ。二人とも賊を搾りあげる立場なんだけどね。
うん、朕の精神が絞り上げられてるよ正直。あ朕じゃ無いや。一応王だよ私。
「ダァからその民の被害が増えるつってんだろうが!! 分かってんのに反対すんんじゃねぇよ!!」
「西涼のオドレらがあの木端供に遅れを取るっちゅうんかおお“ん?!」
「話すり替えてんじゃねぇよ!! クソアホがァッ?!」
……ホントこわい。ん? 盧繁が立った……?
「よろしいでしょうか?」
うわぁ。二つの血管浮かせた怖い顔が向いてるよ。朕だったら漏らすね。朕のチンが堰を切って黄河を作る。今日のおやつを賭けてもいい。
あ、もう朕、朕じゃ無かった。朕チンはあるけど。
「御二人の意見は正しいと思います。ですので俺が行ってきますよ。何せ匈奴の騎兵があるんで多少の遠出は可能です。
何だったら敵の兵糧で進軍してやりますよ。折衷案ですがそれで如何ですか?」
うわぁ盧繁はアレだ。肝が太いって言うか肝だね。うん。
……あれ? 厳つい顔が頷かないな。
「そりゃあ、まぁ良い案だがよ……」
董卓が気まずそうに朱儁を見たね。何この空気? どゆこと?
「……うむ。その様に危険な策を加冠もしておらん盧北中郎にやらせるのは、うぅむ」
「ちょっとなぁ……大人としてなぁ?」
「うむ。面目立たんどころか立つ瀬が無いわな……」
ああ、そうだった。忘れてた。未だ加冠もしてなかったよそう言えば。というか協と同じくらいだった。
「ですが最も騎馬を有しているのは相国様か私です。また相国様の兵は安易に出すべきでは無いとなれば私が出るしかありません。また現状タダ飯食いのままで居れる状況では無いのは明白。
あと橋瑁の野郎は足掴んで振り回さないと気が済まないです。本気で余計な事してくれやがったんで」
「繁よ」
「……何でしょうか太保」
「父として言う。辞めなさい」
「……ちょっとだけ」
「ダメだ」
「ちゃんと両足持つんで」
「ならん」
「ヤダ!!」
「誰だか分からなくなるだろう!!」
……ドユコト?
「……分かりました生きたまま連れて来て裁きの後に振り回します。それがダメなら縛り上げて此処まで連れ来ましょう。罰として俺らは馬で奴等は走らせる感じで」
「本当に止めろ馬鹿者ォッ?!」
まぁ……死んだな橋瑁。まぁ文書偽造したし何一つ悲しく無いけど。まぁ盧繁もだいぶ怒ってたしなぁ。
いや。アレはどっちかって言うと袁紹と袁術に、かな? 愛妻家だし太傅殿の立場も悪くなったしね。
「漢朝には既に此の身には過分な褒賞を頂いております。また白波や匈奴も許されたばかりであり軍としての動きを見れていません。此の機に実戦の経験を得たいのです」
「いやぁ……ううん」
「まぁしくじったところで超活と同じ様に私が語られるだけの事。あと……連中グチャグチャにしたいです」
こ、怖……。ちょ、誰か宥めてよ。多分何か出てるよ盧繁から。
………………。
……誰も顔あげれて無いじゃん!! いや盧植だけ頭押さえて溜息吐いてるけど!! 呼吸出来なくなるって!!
「繁……!」
「あ、失礼を」
っ……。
「すぅーーーーーっはーーーーーーー・・・」
あぁ怖かった……。ああ、息を止めてたの朕だけじゃ無かったんだ……。
悪かないけど盧繁って身内に危険が迫ると沸点低くなり過ぎだよ。
まぁ正直言って心臓に悪いね。ホント。
「まぁ今回は匈奴騎兵だけで強行偵察程度の物と考えています。どうか」
見た目が良いって得だよね。ほんと絵になるよ盧繁は。思わず頷きたくなるよ。
「……いや流石にダメだろ。なぁ? 朱将軍」
「同感じゃのう」
うん。まぁ董卓も朱儁も止めるよそりゃ。盧繁驚いてるけどソレはソレ、コレはコレだと思う。てか血気盛んが過ぎるでしょ。気持ちは分かるけど。
「宜しいか」
うわ、まぁた凄い怖いのが出て来たよ全く。董卓の配下だって事くらいしか知らないけど何時も無言で座ってる銅像みたいな将軍。相変わらず立髪みたいな髪と毛皮のせいで獣みたいだ。
けど、あの鋭い目。なんて言うか、そう。理性的というか理知的というか……怖いなぁ。
「おう。どうした徐栄」
「貴方の臣下にして北中郎将の同郷の者として言上仕る。此の徐栄には敵の状況を見定めたい思いも御座います。であれば同郷の才子の意に多少なり添いたいとも。
此の命に変えても貴方の御令孫の婿殿は守ります。ですのでどうか北中郎将の思いを叶えて頂けないでしょうか」
「お前に言われちゃ否とも言えねぇな。まぁ妥協案としちゃあ良い塩梅なのは確かだ。どう思うよ朱将軍は」
「儂は願いを聞いて貰っとる立場じゃあ。否は無いのう」
「良し。決まりだな」
終わりかな……? 長かった。
「私も一つ宜しいか」
王允か……。長いんだよなぁ。話。
「申し上げ難い事ですが弘農王の身。危険では御座いませんか」
!!!?!!!
「何が言いてぇ……王允」
「相国様、憚れる事ながら敵が殿下を担ぎ上げる大義とすれば漢朝が割れます。それは朝廷の存亡の危機ではなく滅亡の端緒となり得ましょう」
「テメェ何を考えて言ってやがる」
「存念にあらず懸念に御座います。その懸念如きを論ずるべきか悩ましく思いますが。天下が割れるのでは無いかと」
「御託はいらねぇよ」
「では陽城候が米賊によって分断されたとの事に加え襄賁候もいらっしゃる。御本人にその気がなくとも周りが担ぎ上げる前例となりかねません」
「御託はいらんと言ったろうが王允。二度は言わねぇぞ。どうしろってんだ?」
なぜ朕を見る王允。
「弘農王殿下には身を隠して頂くべきかと。身罷られたと言う程で陛下と共に長安へ退避していただくべきでしょう。そうすれば祭り上げられる事もない」
「そりゃあお前、大義を敵にくれてやろうってのか。皇帝だった宗族を殺した逆賊を討つって言いふらされて我慢しろってか? 連中の流言の節操の無さは知ってんだろ」
「否定致しません。ですが殿下の身は間違いなく担保されましょう。帝室の混乱は避けるべきかと」
……いや。朕が死んだって話の方が混乱しない? え、朕がおかしいの? コレ。
皆んな考えてるんだけど。え、朕影響力無さすぎ? いや、あっても困るけど。
「……まぁ言ってることは分かるが馬鹿供が燥ぐ方が面倒だ。それに襄賁候が祭り上げられるよりは大分マシだろ。野心はねぇ御人だが飾りとしちゃ目立ち過ぎる。
その点で言やぁ弘農王殿下はコッチで保護出来てるしな。とやかく言ったところでバカの囀りでしかねぇよ」
董卓もうちょっとキッパリ言ってくれても良くない? そんな絶妙な天秤の傾き方したみたいな言い方じゃなくてさ。
「それより、だ」
ヒェ……。
「おい鄭泰、何顒、周毖、伍瓊。お前らが要職につけるよう言った連中、馬鹿供を説得する策を考えておけ。詔書くらいは出してやる。
が、出来なけりゃあ、分かってるな? 袁紹を推挙した責任は取れよ」
……まぁ。うん。そりゃね。特に周毖と伍瓊は蒼白だねウン。驚きの白さ。周毖は、アレ大丈夫?
まぁ盧植が敵を油断させる為に和睦の使者を出しては如何とか、合従には連衡とか、何かよく分かんない事言ってたアレだね。
これで二人をどうするか決めるとか何とかドウタラコウタラウンタラカンタラ。まぁほぼ寝てたから分かんないけど。
「洛陽の民の移動についてですが——」
ま、朕はもう寝ても良いかな。起きてるフリは得意さ。あぁ眠。
徐栄・積誉
字は適当。董卓配下の中郎将。つおい。




