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盧植のおそらくは居ただろう子供に転生?した系三国志の話  作者: 凡凡帆凡
だからァギチギチ過ぎんだってこの辺!! 二、三年掛けて起こる様な事が一年どころか半年で起きてんじゃねーか!! 編
33/44

ガッチリ変化

 朝廷に文武百官が集まっていた。彼等を見下ろすのは少年で有る。それは即位したばかりの今上皇帝の劉協だ。


「皇甫嵩、朱儁を万戸候とし盧植、董卓の食邑を八千戸とし、盧植はコウ(糸編に侯)氏候、董卓は郿候とする。

 また朕は黄巾とその後の混乱を治めた功を鑑み皇甫嵩を車騎将軍、朱儁を驃騎将軍、盧植を衛将軍とし董卓を相国とし四海を平定させるべきと考えた。

 とは言え朕は未だ未熟で有る。故に群臣の考えを聞きたい。存念はあろうか」

「太傅袁隗が言上申し上げる」

「おお、太傅殿。是非その知見を伺いたい」

「黄巾で活躍なさりその後も賊軍の平定と都の安寧を護った四方に報いんとする陛下の御高恩は信賞必罰に倣ってございます。

 加えて申し上げれば陛下と史侯殿下をお救いした盧騎都尉はこの度の遠征にて白波十万に匈奴八千騎を得ました。それは陛下の御意向によりその御威光示したが為とは言え絶大な功で有る事は相違御座いません。

 付きまして彼の者を父盧太保も就任していた北中郎将としては如何でしょうか。齢を思えば重荷とは言え其れを振り回す剛力が彼の者には御座います」

「うむ。流石は太傅である。深く納得した。

 朕は太傅の話を鑑み盧繁を北中郎将に任じる事とした。だが同時に彼の者は宮中の規律に必須の男、騎都尉の職は解かずそのままとし朕と兄君の警護を任せる。これは昨今の不心得者に対応しての事だ。

 盧繁には苦労をかけるがこればかりは譲れぬ事である」

「陛下の御配慮と御采配は誠に以って妙案かと心得ます。また盧北中郎将もその御言葉に奮起いたいましょう」


 袁隗と皇帝劉協のやりとりが終われば続々と群臣が前に出て賛同していく。その賛成する群臣の中の先頭に立つ厳しげで格式ばった五十程の男。彼は一歩前に出て掌に拳を叩きつけ深く頭を下げてみせた。


「尚書令王允。陛下に謹んで申し上げます。此度の褒賞を授かる盧太保、董相国の食邑はそれぞれ屯田と築城より賄う物。

 であれば盧太保には食料を、董相国には金銭を下賜しては如何でしょうか。盧太保に十万石と牛馬百頭を、董相国に一万石と百万銭を下賜する事。

 以て漢朝の復活と慈恩を天下に示し新たなる賊徒の誕生を抑制致すべきと心得ます」

「袁隗、如何思うか」

「良案かと存じます」

「良し! それも下賜する。 これにて朝議を終える」


 この後に百官の前に五人が呼ばれ褒美を下賜された。その宴席が済み数日して皇甫嵩に朱儁と盧植が集まる。状況の擦り合わせと関係仲裁と長安への遷都に対する説得の為だ。

 とは言え皇甫嵩に関しては何方かと言えば董卓が苦手意識と警戒感を持っているだけである。なので盧植の手紙で状況が通達された皇甫嵩の提案で董卓を立てる事で決着は付く。

 であれば今回の会合の問題が何かと問われれば最後に残った遷都の方であった。皇甫嵩は中庸寄りの反対だったが朱儁は激烈に反対している。軍事的知見としての正論と共にだ。


「確かに政と言うのは分かるがのう子幹殿。じゃが遷都まですれば怯と見られ、敵の勇を引きだすじゃろう。東の諸侯が怪しげな動きをしとるのは伝えた筈じゃあ。

 そもそも儂は河内太守から移された事にも納得いっとらんぞ。黒山の賊が郡内を荒らしとるんじゃ。勢い付いたのよ、案の定な」


 中華の地で特に洛陽から東はダダッ広い平地だ。また黄河の流れは西から東へ流れるものである。故に特筆して東へ進軍する場合は攻勢優位。

 またその広さ故に攻撃側には攻撃箇所を選ぶ選択肢が無数に有り、流れ故に船さえあれば迎撃する敵より簡便に物資兵糧を運べる利点があった。

 故に朱儁は後退である遷都に反対して寧ろ攻勢に出るべきと考えていたのだ。


「激水疾くして石を漂わすに至る者は勢なり、鷙鳥疾くして毀折に至る者は節なり、故に善戦する者は其の勢は険にして其の節は短なり」


 盧植は目を閉じたまま誦んじる。


 メッチャ雑に言えば。

 石さえ流す水って勢いヤバいじゃん? 猛禽類が獲物の骨ヘシ折るのには(機会)伺うじゃん? だから強い奴の戦いってエグい勢いで適切な(機会)にぶつけんだよ。

 的な話である。


 孫子勢篇に乗る一部に朱儁は頷く。


「その通りじゃ。勢いは止め難い。勢いに乗った敵が来りゃあ如何にもならん。じゃがその節が無けりゃあ敵は何も出来まいて。

 また兗州は四方に通じる通なる形。通なる形には先ず高陽に居り糧道を利し、以て戦えば則ち利有り。退がるくれぇなら進むべきじゃろう。

 通の形は確かに守り難いが儂らには大義と陛下が在られる。或いは許し、或いは戦うも此方の意のままじゃ」


 盧植は笑った。


「……朱将軍は御優しいな」


 黄巾の乱の際にして敵の包囲を一部解き、城から逃げようとした敵を撃滅したのが朱儁である。多少状況は違うが敵の攻撃を誘引し撃滅しようと言う策の意味は朱儁が最もよく知っている事だ。ただ同時に此の中で最も庶民を知るのは朱儁である。

 朱儁とて父を亡くして尚も絹を売る事が可能で財貨を軽んじられる立場であった。少なくとも若くして馬融に勉学を習える盧植や名族中の名族の皇甫嵩よりは。

 何より朱儁は義侠の男であり弱きを助け強くを挫く仁義の男。そんな彼に人攫いじみた住民の強制移住を納得させねばならない。いや移動できる者は良いが移動が出来ない者こそ問題であった。


「ただでさえ川をの遡るのは難しく、苦労して登ったところで河南の地は山が増え脇道の多い支なる形。支なる形は敵の撃滅に向くが故に此処に敵を引き込むには敵の勢いが必要で利を与えてでも引き込むべき地。

 また確かに朝臣として言い難いが智将は務めて敵に食むと申します。その食む物を下げれば正に敵は糧を三度載せざるおえない」

「子幹殿……」

「これは備えです。万一に対する、その備えだ。勝敗は兵家の常とも言います。無論、御両名があって負けるとは思いませんが、しかし完全な封鎖は難しいのも事実。

 また河南の中心地たる洛陽は籠城をするにも人が多過ぎるのはお分かりの筈。何せ兵を知る将は生民の司命、国家安危の主なりと申します。朱将軍は天下に二人しか居ない名将ですから。

 陛下と史候殿下の身を護り、延いては民草の被害を抑える術。特に下層の民は郿鵜城の築城を名分に移します。それを以て穀城と函谷関、華陰と潼関を壁とし京兆、馮翊、扶風の三郡で民を養う為。如何か御理解頂きたい」


 盧植が言うのは早い話が食料自給率の話である。特に洛陽は余りにも人が多く包囲されれば開城するしか無い。河南尹は落葉を含んで二十一城、二十万戸籍を超え百万を越える人口がある。

 何を二世紀とか言う時代に人口百万の中心都市つくってんねんって話であるが後漢という割と中央集権的な体制の政治中枢となれば然もありなん。

 下手な例えでアレだが日本で言えば千葉県西部がテロリストに占拠されかねない状況で、東京で働く人々を東京東部地域の八王子の方までインフラ整備名目で移す様な物である。


「……ええじゃろう子幹殿を信じよう。確かに敵が入り込むんは捨てられん。子幹殿の封地の意味がわかったわい」


 一先ず納得したと言う事にはした。だがそれはそれとしてである。朱儁は義侠の人であった。


「であれば賊軍の征伐は此の朱儁に任せて頂くぞ。相国と反りが合わんのは確かじゃしの」

「頼もしい限りです朱将軍。駐屯地に関しては通達しておきます。深く感謝致します」


 朱儁が一先ず折り合いを付けたのを確認した皇甫嵩はふと思う。


「そう言えば良く手紙を出して頂いていた礼を述べたいのですが御子息は?」


 盧植は困った様な顔をした。


 〓盧繁〓


 スゲェ空気過ぎてヤバって。


 ……気不味い。メチャクチャ気不味い。エグい気不味い。


 変に気を使うのもなぁ……。


「……盧繁、ちょっと何とかしてよ。この空気ホントにに無理だって。あんな史候殿下見た事ないよ!」

「耳くすぐってぇよ周瑜。お前如何やって囁きながら怒鳴ってんだよ。

 つーか何言えば良いんだよテメェの母親が此の状況で外と通じてた証拠が出てきて、辞めろっていう説得断られたんだぞ。自分の母親が殺されるしかなくなっちまった此の状況で俺が何言われても不快だろうが。

 しかも何処から漏れたか文武百官の連中にも情報が漏れてやがるし」

「でもこれだけ女官を集めてるんだよ? 何時もなら女官一人でも喧しいのに……」

「まぁそうだな。嫌だったが頌姫殿と参宿殿にも話し相手として来て貰ったってのに。如何すっかな……」


 もうずっと池見てるよ史候殿下。何時もなら女の子に囲まれて溺れちゃいそうと言ってんのに無言だ。いやそれが当然ではあるが。


「今は私が何とかします。御二人は気晴らしにでも行ってらっしゃいませ。何も考えない事も肝要でしょう」

「唐姫様……」

「文姫」

「はい」

「貴方、確か盧繁殿に頼まれて軍の為の音曲を作るのを手伝ってあげたのでしょう? 確か音に合わせて歩ける曲を弾くとか」

「ええ……お恥ずかしながら」


 いやメッチャ良い曲だったけど。どっかに恥ずかしがる要素あったっけ? 


「今度、出来を聞いてきてらっしゃい。頌姫ちゃんと参宿ちゃんも居るしね。助言をしてあげると良いわ」

「え……」


 はい?


「盧繁殿、周瑜殿。此の子は私にも気を遣ってくれる良い子よ。蔡邕殿の大事な御息女。しっかり守ってね」

「「は、はは!」」

「じゃあ今今日は下がって用意が出来たら教えてちょうだい。陛下や私達もお忍びで行くから」


 ……いや。え、マジ? ちょっとマジで練兵するか……。えーと……。


「承りました」

「文姫、見送りを」

「はい」


 ……マジかよ。


「失礼致します」


 えーと……取り敢えず訓練だ!!!


「周瑜お前、音楽超得意じゃん!! ホント悪いんだけど助けて!!」

「わ、わかった!! い、急ごう!! 大事になった!!」

「音楽もそうだが調練もヤベェ!! このままコウ(糸編に侯)氏に行くぞ!!」

「分かった」


 マジ急がねぇと!!!


「良いか!! 音楽に合わせてだ!! 一二三四、一二三四、一二三四、一二三四だぞ!! 太鼓に合わせてな!! 手足は指先まで伸ばせ!! こうだぞこう!!」


 クッソ小学生のが行進上手いぞ!! いや元賊と完全に文化の違う異民族に言うこっちゃねぇけど!! マジでキツい!!


「竹槍は揺らすなよ!! 顔は斜め前に揃えてだ!!」


 なんか俺が持たせといてアレだけど竹林みてぇだな。


「そこ!! 笛の音が違うぞ!! 今、微の音出したな!!」

「す、すいやせん!!」


 ほんで周瑜すげぇな。間違えたとか全然わからんかったぞ。どんな耳してんだよ。


「よーし息あってるぞ!! そのまま!! 一二三四! 一二三四!」


 直線の行進はだけなら何とかなりそうだな。


「良し!! 前たーーーい!! 止まれ!!」


 良い感じだ。


「良いか喋るな動くな!! 左を向く時は一で左足を下げて二で体を回す!! 上手くいったら一品付けるぞ!!」


 空気が露骨。良い事だ。魚だな。


「一、二!!! 上手いぞ!! そのまま武器を構えられるか!?」


 ちょっと騒ついたな。


「前たーーーい、構え!!!」


 ……こりゃ肉でも入れるか。割と戦力化も出来そうなのは嬉しい誤算だ。これならさっさと練兵して決起する前に潰さねぇと。


『よーし騎射の練習するぞ!!』


 一年後くらいかなぁ。袁紹とかの決起は。間に合えば良いけど。

連続更新最後です。


ここ迄御覧頂き有り難うございました。


暇潰しにでもなれてたら幸いです。

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