ルームメイトと添い寝していたら婚約者にキレられました、これ俺が悪いんですか?
なろラジ6応募の1000文字作品です。
お題は「ルームメイト」です。
よろしくお願いいたします!
竜騎士団の宿舎の一室。
「不潔!」
甲高い声が響いたのでダレンはハッと目が覚めた。
寝ぼけた目を上げると婚約者のレナがいた。
「レナ? なんでここに」
「ひと月ぶりの約束なのにあなた来ないんだもの。それで宿舎覗いてみたら、こんなふしだらな……」
「ふしだら?」
ポカンとしてダレンが聞き返すと、レナは怒った。
「その女よ! なんで同じベッドで寝てるのよ!」
ダレンは怪訝そうな顔をした。
「女? んなわけねーだろ! これはルームメイトのエド……じゃねえっ! えーっと、あの、どちら様ですか……?」
ダレンは女に驚き、気味悪そうに聞く。
女は首を傾げた。
「僕はエドだよ」
「んなわけねーだろ! エドは男だ、おまえ女じゃねーか!」
ダレンが言い返すと、女はムッとした。
「昨晩のこと覚えてないの?」
「昨晩のこと……?」
何も覚えてないダレンは恐る恐る聞き返す。
「僕が昨日の竜討伐で【竜の呪い】かけられて女になって、昨晩ずっと慰めてくれたじゃん! 頭撫でながら『おまえ可愛いから女の人生でもいけんじゃね』って。僕ダレンの胸を借りて泣いたんだ。そしたら力強い腕で抱きしめられて僕……」
ダレンは頭を抱えた。
「だあーっ! 俺まさかおまえに手を出した?」
「覚えてないの?」
エドの言葉に、ダレンは仰け反った。
「最低、別れる!」
レナはくるりと背を向けて出て行こうとした。
「待て、レナ! 俺はおまえを愛してる!」
ダレンが顔面蒼白で叫んだがレナは吐き捨てた。
「ばか! 浮気もだけど、呪いで心細い同僚に見境なく手を出す根性が最低」
「それは俺もアホとしか――! でも別れるなんて嫌だ、レナが好き! くそっ、なんで俺!」
ダレンは頭を掻きむしる。
するとエドが笑い出した。
「ごめん、慰めて手を出したは嘘」
「は?」
「僕、もともと女になりたかったんだよね。ワンチャン【竜の呪い】で女になれるかもって竜騎士団に入ったんだから」
「は?」
「昨晩はさ、ダレンが【竜の呪い】から僕を庇えずごめんって取り乱しちゃって、逆に僕がダレンを必死で宥めたんだよ。鎮静剤で寝かしつけて、ごめん、そのまま僕も一緒に」
エドはペロッと舌を出した。
「えっと、なんで嘘?」
レナは我に返って聞いた。
エドはにやりとした。
「ダレンは竜討伐頑張り過ぎてレナをほったらかし。だからレナへの気持ち再確認させようとね」
ダレンとレナは顔を赤くした。
「さて、団長に女になったこと話してこよっと。部屋替えもだね」
エドの顔はうきうきしていた。
お読みくださってありがとうございます!
とっても嬉しいです!!!
なろラジ用掌編です!\(^o^)/
1000文字ってめっちゃ難しい~!
登場人物の名前が短いのはそういうことです笑
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