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黒き叛竜の輪廻戦乱《リベンジマッチ》  作者: Siranui
終章 終着輪廻決戦編
301/313

第二百八十八話「黒幕同士の決着」

 最終任務:『死の宿命』の理滅

 遂行者:ネフティスメンバー総員




「さぁ……『裁き』の時間だ、桐谷優羽汰っ!!!」



 この時点で、勝負は決まっていた。いや、最初からこうなっていたのかもしれない。日織(あの子)が殺されて、そして殺した大蛇(こいつ)に溢れんばかりの復讐心を抱いたあの日から……ずっと。


(でも、こいつを殺したところで日織は帰ってこない。それに正嗣(この身体)で殺してしまったら、この罪は父にも降ってくる。こんな事をしてまでも殺さなければならないと思うくらいには、俺は大蛇を恨んでる。でも……復讐の果てにあるのは復讐しかない。今度は大蛇を大事に思っていた人間が俺を殺すのだろう。そうなってしまえば負の連鎖だ。永遠に消えることはない)



「それは……俺の台詞だ、黒神大蛇っ!!!」



 矢を引くように刀を構え、腰を落として地面に力を伝える。対して大蛇は肩に担ぐように剣を構える。


(きっとまだ諦めきれてないのだろう。ほんの少しだけでも、信じてしまっているのだろう。ここで大蛇を殺せば、日織は帰ってくるって。よくやったね、って喜んでくれるのかと)



「日織を含め、お前が殺してきた罪なき命に対する罰は――」

「今まで俺を呪い、絶望させてきたこの夢を――」



(でもそれは――俺自身が生んだ、ただ俺を狂わせるだけの、宿命(呪い)でしか無かった)


「俺がここで下すっ!!」

「俺が終わらせるっ!!」


 発するタイミングも、言い終わりもその後の突進も、全てがシンクロしていた。金色に輝く俺の刀と、蒼白に眩く大蛇の剣がそれぞれ一筆の軌道を描きながら間合いを詰め合い、目の前に迫る宿命(黒幕)に向けて迸らせる。



「「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」



 叫ぶ。吠える。あらゆる感情も記憶を、全てを籠めて。長きに渡る宿命の糸の引き合い(呪いあい)に――終わりの花を添えるように。



 ――――――何かが刃を通るのと同時に、自分の中の何かに刃が通った。

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