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第2話 解放されて

現在ハーメルンに3話まで投稿してあるのでハイペースな2話です。ゆっくりしていってね!

「・・・以上で事情聴取は終わりとなる。最終的な判断はまた会議の後決まるが、私の予想では基本君は問題ないだろう。」

「本当ですか!?ありがとうございます!」

私はあの後門番のお兄さんに連れられ、村の警察署で事情聴取を受けた。とはいえ軽く私についてや何があったのかを聞かれて終わりだったけど。

と、その時電話が鳴った。お巡りさんが受話器を取る。

「はい、はい、そうか、わかった。」

電話を切ると、お巡りさんがすまなそうな顔をして続けた。

「どうやら、君と一緒に来た男二人組がいただろう。彼らの聴取がまだ終わってないみたいだ。会議は全員終わってから行われるのが原則だから、君はもうしばらく家に帰れなさそうだ。」

「そう・・・ですか。」

困ったな。もう既に日は沈みかけている。あの兵士が終わるまで帰れないということは、つまりは寝るところも食べるものもないということだ。

「あの、寝床などは・・・。」

「ああ、その事なんだけどね。」

お巡りさんはそこで言葉を区切り、頭をかく。

「見ての通りこの村は小さいものでね。この建物にも人が寝られるところはあるんだが、一部屋しかないのだよ。そこに彼らと君とを一緒にするわけにもいかないだろう。さてどうしようと思って・・・そうだ!」

お巡りさんは手を打つと、受話器を取った。

「もしもし、ルビーくんかい?相談があるんだが少し来てくれないか?うん、頼んだよ。」

電話を切ると、お巡りさんは続けた。

「きっと彼なら君を安全に家に泊めてくれるだろう。なに、大丈夫さ。彼は仕事で深夜までいないからね。」

「は、はぁ・・・。そのルビーさん?とは?」

「ああ、あれだよ。門番。」

私は手を打つ。なるほど、門番のお兄さんか。確かにあの人なら信用できる。見た目は無口で少し怖いけど、あの人はちゃんと私を助けてくれた、優しい人だったから。

にしても、ルビーさんというのか。覚えておこう。

「じゃあ、取調べはこれでおしまいだから、この部屋を出る準備をしておいてくれ。」

「わかりました!」

そう言うとお巡りさんは机の上の資料なんかをまとめはじめた。といっても私はまず片付けるほど物を持ってないけど、ね・・・。




「相談とはなんだ。」

「ああ、ルビーくん。」

部屋から出て、外でお兄さんを待っていた。お兄さんが現れるやいなやお巡りさんが話しかける。

一言二言話し、お巡りさんは大きく頷くとこちらに振り返った。

「別に構わないそうだ。君もそれでいいかい?」

どうやらちゃんと泊めてもらえそうだ。よかった・・・。

「はい!お願いします!」

「そうか。なら着いてこい。」

それだけ言うとお兄さんは歩き出す。私もそれに続く。

さっき傾いていた日は、既に夕焼けの色だけをかすかに残し沈んでしまっていた。


お兄さんの後ろをついてしばらくすると、広くも狭くもない、普通の一軒家があった。

「ここだ。入れ。」

「あ、えっと・・・お邪魔します。」

お兄さんがドアを開け、私を促す。外観は普通の木造平屋。リビングにはフローリングの上に無造作に机が置かれている。

「俺は仕事に戻らないといけないからな。大雑把に部屋の作りだけ教えておこう。」

それだけいうとお兄さんは一部屋一部屋私に教えてくれた。キッチンやトイレ、お風呂、自分の部屋・・・。

最後にリビングと繋がっている扉を開ける。

「ここは空き部屋だ。お前はここを使え。」

「あ、はい!」

「飯は勝手に食ってくれ。何も作ってないが、素材くらいならあるだろう。」

ぎくっ。

「・・・どうした、顔が引き攣ってるぞ?」

ぎくぎくっ。

「いえ、なんでもないです!」

「お前、料理できるか?」

ぎくぎくぎくっ。

「・・・全く。」

私が小声で答えたのを聞き、お兄さんは深いため息をつく。

「じゃあ外でなんか食べろ。金は?」

「・・・これも、全く。」

お兄さんが頭を抑える。そりゃまあそうなるだろう・・・私だって自分がどれだけ迷惑をかけているかは分かっている。

とはいえ、お金を持っていなのは事実だ。いや、正しくいえばロマンのお金は持っているが、ミールヌイで使えるのは持っていない。まあ、結局のところ一文無しである。

「ったく、しょうがないな。」

頭をかきながらお兄さんが財布を取り出す。

そして千円ほど渡してくれた。

「どうせ後で経費で請求するから構わん。あと予備の鍵をここにおいておくから家出るときは使え。ただ、一応まだ完璧に判決が下ったわけじゃないから外出るときは警察官がついてまわるものと思えよ。俺はまた仕事に戻るから・・・何かあったら来い。」

「あ・・・ありがとうございます!」

言うだけ言うと、私の言葉を聞いたかも分からないうちにお兄さんは外へ出て行った。

一人、部屋に取り残される。

貸してもらった部屋を見渡してみると、机と本棚があるだけだった。あと、押入れを開けると予備であろう布団と枕。

空き部屋と言うだけあって最低限の物しか揃っていないが、部屋は綺麗に掃除されており、塵ひとつない。

「・・・人は見かけによらない、ってよく言うもんね。」

そう呟くと同時に、ぐ~、とお腹が鳴る。リビングの時計を確認すると、針は七時を指していた。

(ここまで面倒みてくれたんだし、その好意に甘えて、とりあえず何か食べに行こうか。)

私はここの地理に詳しいわけじゃないからどこにお店があるかなんてわかったものじゃないけれど、とにかく家を出ないことには始まらない。

お兄さんが置いといてくれた鍵を拾い上げ、私は玄関の扉を開けた。

第4話は早くも行き詰ってます。というか、一人称視点の書き方を忘れたのか全くしっくりこない。研究するのが先になりそうです・・・。というわけで気長に待っていただければ。

それでは次回も、ゆっくりしていってね!

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