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第1話 会遇、出会い

「わっ!?」

銃声と同時に左に飛ぶ。ほぼ同時に銃弾が頬を掠めた。

「やっぱりただの偶然じゃねえ・・・銃弾を避けるとか、これだから魔導師は!」

「余計に喋るな、疲れるだけだ!弾は残り?」

「1発だ。しまったな、もっと持ってくるべきだった。」

「いいや1発あれば十分だ。だが、次で仕留めねば・・・。」

追われ始めて三十分近く経った。相手は兵士二人。誰の命令かも、なぜかも分からないけど、今はもうどうでもいい。ただ逃げないと・・・殺される。

意識が朦朧としてくる。私は魔法で強化してこれというのに、この人たち、なんて恐ろしい体力・・・ん?

平坦な道の遠くに建物が見えた。村だ!そして、道との境にある門の下には門番らしき人が立っている。

(これだ!あの人に助けてもらえば───えっ!)

探知魔法が発砲を知らせる。急いで左に転がり込むと、

ダンッ!

「きゃぁっ!」

銃声と地面が削れる音が響いた。舌打ちが聞こえる。

(早く、逃げなきゃ!)

私は急いで起き上がると、悲鳴を上げ始めた足に鞭打ち、走り始めた。


柵に囲まれた、質素な田舎村。道との境にある大きな門。門番の男は刀を腰に差し、門を塞ぐように仁王立ちしていた。

「止まれ。」

男が言うけど、そんな余裕はない。

更に距離が近づく。男が刀を抜いた。

「止まれ。次はない。」

「たっ、助けっ、」

私も剣を抜き、飛びかかる・・・フリをして右に避け───

「ごめんなさぁぁあ───へっ?」

ガン!

「きゃあ!」

気づいた時には遅かった。手首を鈍い痛みが襲い、剣が宙を舞う。そのまま私も道に滑り込んだ。

切られた感覚はない・・・峰打ち?

「!?」

次いで、男の手に細長い針が現れる。

「し、針術・・・。」

金魔法の低級術、針術だっ!

体が恐怖に包まれる。

ダメ・・・殺される・・・やだっ、やだやだやだやだッ!!!!!!

「やっ!やめっ!」

「まずは1人。」

体が動かない。逃げようとも腰が抜けて立てない。目を背けようとも間に合わない。

男が左手を振るった。

「ナイスだ!」

「きゃあああああああ!!!!!!!」






「へっ?」

私の方へ、針は飛んでこなかった。

男の手から離れた針は兵士の方へ飛び、今にも撃とうと構えた銃口へ吸い込まれる。

「え?おわっ!?」

兵士たちは慌てて引き金から指を離す・・・どころか銃を投げ捨てた。

・・・私を、殺すつもりだったんじゃ?

「自分のした事を悔いるんだな。」

男はそう呟くと兵士たちに接近し、一瞬にして縄で縛りあげた。

男が結び終わり、状況の把握できない三人によって静寂が訪れた後、初めて私は滑り込んだままその光景を眺めていることに気づいた。

「・・・助かった、の?」

辺りを見回してみる。

メモを取っている門番の男。

縛り上げられ身動きの取れない兵士が二人と遠くに投げ捨てられた拳銃。

地面に突き刺さった私の剣。

・・・雰囲気はまだ危険ながらも、状況的には安全になっている。

すると、男がメモを取りながら言った。

「いいや、助けたわけではない。俺は国境の門番としての仕事を全うしたに過ぎないからな。つまり、お前らは犯罪者というところだ。」

「・・・えっ?」

えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!????犯罪者!?まあ確かに許可もなしに国境を越えようとはした、けど・・・けど!!!!!

だってあれは、しかたな、えぇっ!?で、でも、あれは・・・。

メモをしまおうとする男に縋り付き、混乱する頭のまま訴える。

「ち、違うんです!確かに国境を越えようとはした、いえ、今まさに越えてるけど・・・でも、あれは仕方なくて!だから、」

「わかったわかった。まずは落ち着いて話を聞け。確かに今のお前らは犯罪者そのものだが、特別な事情があるみたいだからな。話は後で聞いてやる。だからそれまで待ってろ。」

そういって男はメモをしまい、兵士たちの縄を引き上げた。

「おい、ボケっとしてるな。ついてこい。」

「・・・な、なんだ貴様!!」

一人が怒鳴る。必死に縄をほどこうとするが一向にほどけない。

「貴様はなんだ、こいつの味方か!?犯罪者というなら全員平等に扱え!貴様我々が誰だか分かっているのか!?」

「知るか、興味もない。全ては話を聞いてからだ。早く立て。」

「誰が貴様の命令なんて聞くか!我々は帰らせてもらう。早く縄を切ろ!」

「・・・命が惜しくないのか。なんなら、犯罪者が抗った見せしめにその首を切ってやっても構わないが・・・それがお前の望みか?」

そういって男は刀を抜き、兵士の首元まで運んだ。さすがに諦めたらしく、歯軋りをする。

「・・・今日のとこは許してやる。とっとと案内しろ。」

「頑固なやつだ。意地張ってる暇があるなら自分のした事を思い出しておけ。・・・こっちだ、ついてこい。」

そういって男が歩き出し、その後ろに兵士たちが並ぶ。

男が振り返る。

「何ポケーっとしている。お前もだ、女。あとその剣は俺が回収する。持ってこい。」

「・・・えっ、あ、はい!」

私も急いで剣を拾うと、男の後ろに駆けよった。

ここまで読んでくださりありがとうございました。作者のユメミノウツツです。

まず最初に、この作品はハーメルンとマルチ投稿しています。この作品は完全オリジナルなのですがハーメルンは二次創作率気がしたので、であればと。

とにかく、ここで巡りあって、そして読んでくださったのも何かの縁。こんな駄作を面白いと思っていただけたのなら、いや、思わなかったとしても、次もよろしくお願いします!

それでは次回もゆっくりしていってね!!

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