天に願い、恐怖せよ! 攻撃するならば覚悟を持て
報復活動を行った際に判った事は王族は戦う行動に出るのは珍しいと言う事。
態々、死んだ怨念や召喚しレギオンを組ませたのに隠れる、更には逃げる、何とも失望されられた。
王とは前線に立ち味方を鼓舞し味方より殺し、最後に死ぬ事が最も大事なのだ、前線に立つからこそ指揮が執りやすく、士気も上げられる。
ならば王族とは生まれながらの強者であるべきなのだが、結果は恥も隠さずに隠れる者、家族を生贄に出す者、自害しようとする者、戦おうと気概を見せた王子が一人だった。
王子以外には地面に足が付く限り、貴様らを追い恐怖へ突き落とし死者の列に加えると脅した訳だが、ただ命令して終わりでは無いと言う事を知って欲しかったと思う。
上に立つ者の命令を聞く下の者は命令に従うのが普通、だが、上に立つ者は責任と覚悟が必要なのだ、その反撃が返って来ないと言う事は無い。
恨まれれば暗殺されるかも知れない、その者が生きていれば殺しに来るかも知れない、それが人外なら尚警戒するべきなのだ、それを怠った王族への罰として、スキルとレベルと言う生命力の剥奪。
全ては自分に注がれ強化される、スキルは重複され統合もされない、その者達の魂を分ち分捕っただけなのだから。
故に死ねば私の中へ飲み込まれる、だからこその枷に簒奪者『テイカー』を使ったりリッチを使い死霊にして生きかえしたりしたのだ。
そして私達は仕事が終わり、その足で『ホーンズ・オルム』へ向かい歩く
自分、ギーヴル、取り巻き四人にノルニルで『ホーンズ・オルム』まで歩く事になったのだが、国境から『ホーンズ・オルム』から歩くと五日程掛かる、そして自分は死霊でもあるので眠らずに歩ける事、走ると鎧が稼働域を阻害する為、速く走れない事そんな事を鍋を囲み話し合っていた。
「なぁ、大将、本気で歩くのか? その距離を、補給も無しで?」
犬耳の斥候が顔を痙攣らせ聞いてくる
「無論、ノルニルは私に座って居れば大丈夫だ、そしてギーヴルや其方達も鉄の板をソリにして運ぶので問題はあるまい? 私は一刻も速く酒を飲みたいのだ!」
右手で拳を作り力強く握る、そして語る。
「アルコールと言う物は亡者や亡霊を癒す飲み物なのだ! 私はあれを速く呑みたい! 喉が焼けつく様な酒を被りたい程に飲み干したい!」
熱く語るがノルニル達には響かなかった様だ
「ん〜 酒は程よく気持ち良く飲む程度で抑えるのが酒を楽しむコツだとオレは思うんだよなぁ〜」
ギーヴルは自分をチラチラと見ながらも目ではフォロー出来ないと語っていた。
「そうだ!そうだ! 頭の言う通りだ! 酔っ払ったら警戒が疎かになる、それに、吐いたら勿体ないだろ」
犬耳の斥候が言った言葉に残りの取り巻き達も頷く、そしてノルニルが語る
「未来の事なのですが、我が君は酔ったら直ぐに寝る癖がありました、そしてそれを起こした際には男性のアレを切り落としたり、娘君に絡み、「パパ、臭い」と呟かれ、室内の隅で小さくなったりしていたので、理性が有る程の酔いの方が宜しいかと進言しますよ」
ノルニルはそう言い、私の皿のシチューを食べる。
「だが、飲みたいのだよ、昔、父が言っていた、「酒を飲む仲間が出来れば友だろ〜 なら色んな事を語りあえる筈だ」とな、だからこそ、本音で話せる『友』を増やしたい、そして感傷に浸りたい、最後に酒樽を飲み干したい!」
雰囲気に任せ最後に本音を漏らした訳なのだが、心震わせる者は居なく、ただ冷たい視線で見る者達だけがそこにはいた。
「大将は飯を作っていれば、十分じゃないのか?」
犬耳の斥候がそう言い
「私の為にシチューを作って下さい!!」
ギーヴルはシチューを所望し
「我が君は、職務を忘れ、畑を耕し、野菜などを育てのんびり暮らした方が宜しいですよ、貴方様が望む『平穏』を求めた方が宜しいかと思いますよ」
ノルニルは暖かな眼差しで言う
「結論は、酒を飲み過ぎるなと言う事か?」
そう言うと、全員は諦めて無かったよコイツと言う顔をしたのだった。
だが、言わせてもらおう、呑みたいモノは呑みたいのだ!




