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俺は平穏に過ごしたいだけなんだ!!   作者: 社畜人 紫護
一章 呼び出された生贄達(勇者達)
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腹黒触手とヘッポコ龍神

魔界と化した一室を図るべく自分は動き出していた。


「さて、半身たる触手さんよ、この空間の質を上げたい、手伝って〜」


自分はしゃがみ地面の肉壺から覗く触手さんに話し掛ける。


触手さんは左右にクネクネ、ニュルニュルと粘液を垂らしながらも念話で答えてくれた。


『主上よ、そうしますと、御方へ危害を加えなければバイパスは設立出来ませぬ、創り出された半身たる我が身はそんな事をしなくても可能だと愚考しますが?』


だが、この大地に自分の身を染み込ませる事で擬似的に自分の器として動かせるのが魅力なのだが、触手さんは反対の様だ。


「では、それで我が不利になったとしても同じ事を言えるか? ぶっちゃけ、触手さんがこの一室を亜空間に変えてるから外界と接続してこの空間を拡大やら守りを硬くしたいだけなんだよね〜 それにサポートは触手さんに任せれば問題なんて消えるだろうし、デメリットを超えるメリットあると思うんだけど、どうかな?」


触手さんは萎びた様にヘニャリと縮み念話でため息を漏らす。


『はぁ〜 主上は御身を大切になさってくだされば幸いですが、承知致しました、 では御身を晒し下さい。』


肉壺や触手溢れるピンク空間にソウルコアである本体を晒す、すると一斉に触手が自身に刺さる。


ズプリッと先端が埋まり、自分の生命力や魔力を問答無用で吸い取る。


ドレンホースで水を飲む様にとは行かず、ギュポッギュポッと触手に玉の様な形のまま吸い取られ、魔力0の体力1で残され、触手達が抜けていく。


『我が身は御身の剣であり盾です、本当はこんな事をしたくなかったのですよ、少々、お待ち下さい。 外界へのバイパスを接続、バイパスを通して大地へ浸透させました。 万全に動かせるまで1日かかるかと、それまでお休み下さいませ。 主上』


労わる様な声で言われ、自身も静かに意識を沈ませる。


「後は、頼んだよ」


それだけを言い眠る。


・・・・・・・・・・

『触手』



全く、主上も無茶をなさるものだ、だが出来る限りの事をするのが臣下としての務め


手始めにこの亜空間の格を上げ、何人たりとも接触できぬ神域へと変化させ、領域を広げる。


外界の石畳の一室の扉をドンドンと叩かれて、中に入ろうとするが、もう主上は隔離済みだ


ふふ、無様な龍の神格が泡食って必死に探している様だが、主上と世界への神蝕は開始されている、主上が意識を沈ませてる時にバラバラにし、狭い一室へ放り込んだのをこの触手は見ていたのだ、貴様などに主上を渡せるものか


試しに石畳の一室へ触手の魔種を放り込み粘液を垂らし芽吹かせる


それを亜空間から俯瞰する


種は土が無くとも芽吹き即座に伸び浸蝕を開始する、獲物を追い求める為に。


・・・・・・・・・・

『龍神』


どうしよう、誠一が消えた。


思考が真っ白なり気持ちはただ探す事だけど訴え身体がそれに従い動く。


誠一が目覚めるのは昼頃だった筈だ、あのいけすかない『神』が龍姫に訪問して来なければ今頃は誠一の魂を抱きしめて我の部屋で楽しんでいたというのに!


誰にもバレない様に物置だった一室に鎖で吊るして物の様に偽装してたと言うのに鎖はナニカによって引き千切られ誠一は消えた。


謁見の間から姫の部屋、入浴場やら走り回り、探しても痕跡は発見できなかった。


胸が締め付けられ、涙により視界は歪み、それでも探す、そして最初の場所へと戻ると、気色悪い生物が繁殖していた。


ニュルニュルと蛇の様に動き辺りに這いずりまわる触手、私はソレを見た瞬間にサァーと血の気が引いた、そして私を認識した瞬間に一斉に伸びてくる。


鳥肌が立ち、即座に踵を返し走る、ついでとばかりに後ろへ向け『破滅』を促す、すると、ピタッと止まり立ち所に塵芥へと戻る触手、そして恐る恐る、また物置だった一室へ戻り室内をそろーりと覗き込む。


『ふむ、なかなかだな、流石と言おうか龍の神格』


部屋の中から空気を振動させて声へと変える太く長い、思わず悲鳴の上げたくなる触手が伸びていた。


私は覗き込みながら誰何をする。


「き、貴様は何者だ! 誠一を何処へやった! 返せ! 貴様の様な気色悪い物体とはあまり関わりたくないのだ、儂は!」


後ろから見たらとてもシュールな光景だろう。


龍の国では神として崇められ羨望される龍神が扉の隙間から視線だけを出し尻尾をピンっ!と伸ばし足を震わせビビりながら警戒している状態を見た兵士達は白昼夢を見てるのかと錯覚すること間違いなしである。


『フンッ! 貴様が悪いのではないか! こんな場所へ監禁し剰え物の様に放置するなど! 触手たる我が身が貴様を許さん! 主上が幾ら貴様へ心を許したとて、我が身には関係ない! それと、貴様が泣きっ面で走り回り我が身の触手にビビり逃げるのは滑稽であったぞ、これは主上に見せて幻滅して貰うしかあるまい! ハハハハッ!』


嬉しそうにクネクネと触手をくねらせ笑う触手


「ゆ、許さんのじゃ! 誠一にそんなものを見せたら絶対に今度から甘えてくれなくなるではないか! ぶっ殺してやるのじゃ!」


頭に血が上り視線だけで触手の先端である気色悪い部分を弾けさせる、するとベチャと辺りに飛散し、同じくベチャッと儂の顔にも付着した。


鱗は逆立ち、鳥肌を立ち寒気が治らず、思わず叫ぶ。


「キャー!」


正に人生初の悲鳴がその一室に木霊し腰から力が抜けてぺたりッと腰が抜け地面に臀部を打ち付けた。


『フハハハッ! 滑稽、滑稽! 乙女の様な悲鳴ではないか! 可愛らし過ぎて笑いが止まらんよ! ま、そんな事では我が身を殺すなど不可能であり、主上とまぐわうなど片腹痛いな、うむうむ、良いものが見られた。 今回はこれで失礼させて貰おうか!』


そう言って地面に潜ろうする触手に私は自身に喝を入れ、今度こそ、視線を根本へ向け破壊する。


『ふふふ、そこにいるのは我が身の切り離した一部に過ぎん、安心せよ、貴様の無様さを報告してやるのでな!』


そして、物置とその一室の前に残された私は今の姿を見て、可愛らしい座り方を止める為に這い蹲り壁を使い無理矢理立ち、一室へ向け吠える。


「貴様など誠一に嫌われてしまえばいいのだー! イーだ!」


子供ぽっく頬を両手引っ張り威嚇する


そして決心する、次までに触手を克服してやるだからな!


そして、尻尾になんかの感触があるので見てみたら触手が尻尾へ絡められていた。


頭が真っ白になりだだ悲鳴を発しながら龍神は龍姫の部屋へ転がり込んだのだった。


その姿を見た龍兵達は言った。


「とても可愛い、是非とも番になりたい!」と頬を赤く染めて悶えていた。

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