閑話 未来が視える巫女
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私は未来が視えてしまう巫女
未来が視える代償として左眼の視力を失ってしまった
決して、私が好き好んで見ようとした訳ではないのだが、ある日、突然未来が視えたのだ
最初は何かの間違いだろうと夢の筈だと思いその事を気にもしなかった
だが、視えた未来は起きた、起きてしまったのだ見たまんまの映像が私の目の前で
私の住む集落に人間の盗賊が現れ、私達を捕まえたり、殺したり、犯したり、とそして、私は思ったこれは私のせいだ、と。
私が、私が皆に、親にちゃんと言えたらこんな事にはならなかった。
私の前で死んだ両親、友達、村長達、色んな人が死んだ
抵抗した者で何とか盗賊を何人か殺せてはいたが残されたのは、家族の死体、恋人の死体、妻や子の死体、色んな亡骸が転がっていた勿論この惨事を起こした盗賊達の亡骸もだ
私は、必死に弟と妹の手を握りながら目の前の光景を目に焼き付けた。
ニンゲンは醜い
何故私達を襲う、何故自分以外の種族を捕まえたり、殺したり、奴隷にしたり、慰め者にするのだ。
私達がお前らに何をした
お前らはどうして穢い
どうしてだ
どうして
教えて下さい神様、女神様、どうか、教えて下さい神様方
私達は何故こんな報いを受けなければならないのでしょう?
私が未来を見てしまったからなのでしょうか
返してください
私達の日常を
返してください
私達の平穏な日々を
お願いします
私達は何をすればこの胸に燃ゆるこの激情が消えるのでしょう
私達は自然の恵みに感謝をし大地と共に在るだけなのに
私達はこんな感情は知らなかったのにこの胸に溜まりドス黒く暗く激しく燃えるコレは何でしょう?
あぁ、私達一族、皆が今心から願うモノを視せて、私の左眼よ
左眼が痛む、ズキズキと左眼の中からナニカが出てきそうな感覚が左眼の中で這い回る、そして、ナニカが左眼を食い破る様に中で蠢く
激痛が続く
そして、左眼の視覚が赤に変わり最後には何も視えなくなってしまった
だか、頭の中に流れ込んでくる。
私の眼前に居るのは質素な椅子に座り、気怠けなオーラを出している威圧感を感じさせる鎧が居た
そして、人の声だが何処か怨霊の声にも似た声が聞こえてくる
『えー皆んなに集まって貰ったのはいいけど、あー面倒臭え〜まぁ、取り敢えずだ、俺はお前らの〇〇になった訳だけど、俺はお前らも護ると決めてたし俺の平穏を壊すヤツは完全に完膚無きまでに滅ぼすけどな、殆どはお前らに任せるから面倒臭ぇしだから、これからもよろしく』
その言葉を聞き私達、彼の者のお言葉を聞き鬨の声を上げる
そう、私達の〇〇様
私達の為の国を作り護ると誓ってくれた〇〇様に忠誠を誓わない訳が無い程に
だが、面倒事を少しは自分で考えては欲しい時はあるが、それ以外は不満は有ろう筈がない程に充実した日々を下さった我らが〇〇様…………
そこで目の前が暗くなった。
そして、眼前の凄惨な光景を見てから現実に戻って来たと確信し、私は、
私は皆んなにこの事を話さなければならない
何故なら、未来を現実にする為だ、もう、何も奪われない様にする為に私達は戦う技術を身に付けないといけない、そして、種族との隔たりなどを無くし統合し無いといけない
やる事が多そうだ、たが、立ち止まる訳にはいかない、18歳の娘であっても、だ、
この光景を、この気持ちを繰り返さない様に
だから、私は未来視の巫女として皆を導こう
それが、目の前で死んだ両親や友人達に今出来る手向けになると信じて