表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
996/998

五村訪問


 五村のヨウコのもとには、日に何人もの訪問者がやってくる。


 事前に訪問者たちの訪問目的を秘書たちが調べるので、面会時間は短いのだが……


 時々、面倒な者がいる。


 貴族からの使者だ。


「我が主人がこの地での滞在を望んでいる。

 ついては、屋敷を早急に用意するように」


 貴族語かなと思ったら、ほんとうにそう言ってた。


 ちなみに、貴族語だと意味としては、「滞在したいので宿の紹介をお願いします。できるだけ安いところを」となる。


 これに対し、貴族語でないと知ったヨウコからは冷たく一言。


せよ」


 貴族語で、「ごめんなさい。いまは無理なので、また日を改めてください」となる。


 まあ、相手が貴族語を使っていないので、そのまま受け取るだろう。


 そうなると使者は激高し、面倒になる。


 何度もあったことだ。


 それゆえ、ヨウコも対策を講じている。


 面会室の扉がバンッと乱暴に開き、許可もなく誰かが入って来る。


「誰だ!

 無礼者!

 この場にハイドラ卿の使者である私がいることを……」


 使者は乱入者に文句を言うが、途中で相手を理解して声が止まってしまう。


 乱入したのは魔王。


「急ぎの用件だ。

 ヨウコ殿、第三グラウンドの使用に関してなのだが……」


 ヨウコは使者を放置し、魔王と話をする。


 そして、魔王が退席後に……ヨウコが一言。


「それで、使者殿。

 どのようなお話であったかな?」


 使者はなにも言わず、そのまま帰った。


 対策は成功のようだ。


 そう、対策とは、隣の部屋に魔王が待機しており、タイミングを見計らって乱入してくること。



 その効果を、俺はヨウコの横で見ていたのだが……


 毎回、魔王を呼んでいるのか?


「そうではない。

 魔王が暇なときに、面倒な面会を受けるようにしているのだ」


 へー。


「魔王がいないときは、ビーゼル殿や、ビーゼル殿の母などに頼むこともあるな」


 そうだったのか。


 こっちから礼を言っておこう。


「いやいや、ちゃんと謝礼は出しておる。

 村長が気にする必要はない」


 そうか?


「うむ。

 それより、村長が同席しているのに、意識されぬのがな」


 ははは。


 ヨウコの秘書に思われたのかもしれないな。


 もう少し、立派な服を着るように心がけよう。


 冬はザブトンが冬眠しているから、ついつい手を抜いてしまう。


 いや、それでもそれなりにいい服を着ているんだけどな。


 そんなことを言いながら、ヨウコと一緒に食堂に……となりの部屋で控えている魔王がこっちを見ていたので、魔王も誘って一緒に昼食をとった。


 ヨウコセットのキツネうどんは美味しかった。




 リリウス、リグル、ラテたち三人が、それぞれ単独で五村の近くの森に入るらしい。


 これまでも訓練で何度か森に入っているけど、そのときは集団で。


 指導してくれる者がいた。


 単独で入るのは初めて。


 せめて三人一緒でと言いたいけど、それだと訓練にならないらしい。


 まあ、訓練なので比較的安全な森が選ばれる。


 なら季節も選んでほしいなぁ。


 五村の周囲は雪が積もらないけど、冬は冬。


 食料の確保がむずかしい。


 心配だ。


 心配する俺の目の前には、やる気まんまんのリアたちハイエルフが装備の確認をしている。


 リリウスたちの装備ではなく、自分たちの装備だ。


 リアたちは、リリウスたちの護衛というか、救助要員として隠れて同行するらしい。


 これは勝手にやることではなく、もともと警備隊は隠れて護衛を同行させる予定だった。


 尾行の練習を兼ねているそうだ。


 ただ、その護衛のポジションをリアたちが、交渉で手に入れた。


 一応、リアからは「穏やかな交渉でした」と報告されているが……


 警備隊からは「要求を突きつけて、あとは笑顔だった」と聞いている。


 俺がリアたちのところに来たのは、注意するためだ。



 注意の結果。


 動けるハイエルフ全員が参加予定だったのが、六人になった。


 そして、フウマも参加する。


 野外活動の練習が必要と、本人と山エルフたちから要望されたからだ。


 リリウスたちにバレないようにな。


「マーカーセーテー」


 いつもの黒い服ではなく、緑を基調とした森林迷彩で全身を覆っていたフウマが手をあげ、返事をした。




 五村のプラーダ美術館。


 俺は不定期だが、顔を出している。


 プラーダやほかのスタッフのやる気に繋がるからだ。


 不定期訪問だが、邪魔にならないように事前に訪問することを伝えているし、スタッフへの差し入れも持参している。


 嫌がられはしないとは思うが……


 まあ、高頻度にならないように心がけている。


 プラーダ美術館に行ったら、ついでにキッシンリー夫妻の娘である、カレンの入る整備槽の様子も見る。


 俺が見てもなにもわからないが、ちゃんといることを確認するためだ。


 一応とはいえ、キッシンリー夫妻から預かっている形だからな。



 プラーダ美術館を出たら、近くにある洋菓子店フェアリーフェアリを訪問。


 こちらも、店長代理の獣人族の娘、ロロネに事前に訪問すると連絡している。


 まあ、出迎えとかを期待しているわけではないが……


 盛大な飾りは不要だぞ。


 うん。


 こちらにも、スタッフへの差し入れがある。


 ああ、洋菓子店フェアリーフェアリを守っているザブトンの子供たちにもあるぞ。


 いつもご苦労さま。


 怪しいやつはいるか?


 いない?


 それはなにより。


 洋菓子店フェアリーフェアリの周囲が開発されて人が増えたからか、お客がそれなりにいる。


「飛行船の発着場が近くにあるのが大きいですね。

 乗らない人も見物に来ますので、その帰りに寄ってくださる感じです」


 そうか。


 もう少ししたら、ホテルやショッピングモールもできるから、さらに忙しくなるかもな。


「はい!

 頑張ります!」


 いやいや、ほどほどにな。


 赤字じゃないんだし。


 無理や無茶は駄目だからな。


「スタッフに強く言っておきます」


 よろしく。



 洋菓子店フェアリーフェアリを出た俺の今日の予定は、これで終了。


 あとは自由だけど……


 クロトユキと酒肉ニーズに行くか。


 近くに来たのに、顔を出さないのかと言われるからな。


 一応は、俺が店長だしな。


 麺屋ブリトアは……常に忙しいから営業時間は遠慮したい。


 となると、開店前……も迷惑か。


 閉店後に行くとしよう。


 そう決めた俺のところに、デルゼン製紙、デルゼン印刷の代表代行であるエライザがやってきた。


 職場は洋菓子店フェアリーフェアリの近くだったな。


「製紙や印刷のところには顔を出されないので?」


 エライザの顔は、村で見ているだろ?


「代表が顔を出してくれるだけでスタッフのやる気があがります」


 ……わかった。


 ただ、差し入れはないんだが?


「フェアリーフェアリのケーキが喜ばれます」


 急な大量の注文は迷惑じゃないか?


「受け取りは後日でかまいません」


 注文しておこう。


「ありがとうございます」


 俺はエライザの案内で、デルゼン製紙、デルゼン印刷を見てまわった。





ロザリンド 「エライザさんの出番、多くありません?」

クラカッセ 「多いですね」

ロアージュ 「潰す?」

エライザ  「そっちはアニメに出てますよね?」

ラッシャーシ「最近……私の出番が……」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
のんびりしてないなぁ
エピソード1000の大台まで残り4。 サンダーバードのOP風にカウントダウンで黄色。 ラーメン、パスタ、うどん…… 蕎麦「……」 冷や麦「……」 ビーフン「……」
稀には、巡廻コースを変えてフェアリーフェアリーの甘い物を美術館のオブジェにお供えを!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ