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広い世界

●登場人物紹介

ギィーネル    混代竜族。メットーラの夫。

メットーラ    混代竜族。別名、ダンダジィ。混代竜族最強。

黒黒       ダンジョン作りを得意とする存在? 始祖さん、ヴェルサの友人。


オージェス    混代竜族。王都に滞在中。

ハイフリーグータ 混代竜族。王都に滞在中。

キハトロイ    混代竜族。王都に滞在中。

トーシーラ    混代竜族。メットーラの妹。



アルフレート   ルーの息子。十三歳ぐらい。

ティゼル     ティアの娘。十三歳ぐらい。

ウルザ      ハクレンの養女。年齢不明。外見は十五歳ぐらい。


イースリー    ウルザの学友、冒険者仲間。ギャンブルに強い。

エカテリーゼ   元人間の国の公爵令嬢。ウルザの冒険者仲間。


フラシア     フラウの娘。九歳ぐらい。正式にはフラシアベル。

セッテ      セナの娘。八歳ぐらい。

ラナノーン    ラスティの娘。八歳ぐらい。

ルプミリナ    ルーの娘。アルフレートの妹。七歳ぐらい。

オーロラ     ティアの娘。ティゼルの妹。七歳ぐらい。


始祖さん     吸血鬼の始祖。ルーやフローラの祖父ぐらいの位置。コーリン教の宗主。

フーシュ     コーリン教の偉い人。大司祭。既婚女性。


アサ       四村のマーキュリー種の一人。中年執事風。

アース      ウルザの土人形。青年執事風。


ドロシー     ウルザの冒険者仲間。重戦士、盾役。

レオノラ     ウルザの冒険者仲間。孤高の魔法使い。

ロキナ      ウルザの冒険者仲間。治癒魔法使い。


トライン     鬼人族メイドのアンの息子。十一歳ぐらい。

マア       山エルフ。トラインの発案でいろいろと物を作る。

キアービット   天使族の長であるマルビットの娘。


ゴール      ハウリン村から移住してきた獣人族の男の子。結婚して王都で生活中。

シール      ハウリン村から移住してきた獣人族の男の子。結婚して王都で生活中。

ブロン      ハウリン村から移住してきた獣人族の男の子。結婚して王都で生活中。


ヴェルサ     古の悪魔族。始祖さんの妻。小説家。


 魔王国の要塞から、六竜神国への転移門の設置が完了した。


 早かった。


 六竜神国のほうは、最初から転移門の設置を想定して動いていたみたいだったしな。


「そういったこともあろうかと、用意していただけです」


 六竜神国から戻ってきたルィンシァが、そう教えてくれる。


 そして、ギスカール将軍に陳情された要塞と王都を繋ぐ転移門。


 こっちの設置はまだ議論中。


 王都の防衛に関わるからな。


 即断できないのだろう。


 魔王たちの判断待ちだ。


「判断が遅いですね」


 まあ、そう言わずに。


 急な話だ。


 転移門も、ゆっくり増やしていく予定だったし。



 六竜神国はギィーネルの城の近くに、大きな街ができていた。


 建設にはヴェルサの友人の黒黒くろくろが、めちゃくちゃ頑張ったというか張りきったそうだ。


 まあ、まだ住む人は少ないけど。


 ギィーネルの友人の混代竜族たちが、個々に部下を一族単位で派遣して数を増やしていく予定。


 魔王国からは、ダルフォン商会とゴロウン商会が資金投入し、宿や商店などを開いている。


 商会の荷物は船での輸送が中心だったが、要塞から六竜神国への転移門ができたので、流通はそっちに移るだろう。


 となると、要塞と王都を繋ぐ転移門はあったほうが便利か。


 魔王たちが設置の許可を出してくれるのを期待したいな。



 ギィーネルの城の内部は、ドラゴン姿のギィーネルやメットーラが並んで謁見に応じられるように大きく改修されたそうだ。


 改修前を知らないからなんとも言えないが、荘厳そうごんな謁見の間はすごかった。


 大きな扉というか分厚いカーテンで仕切られた門が六つあり、そこからドラゴンが登場するのだろう。


 俺が行ったときにいたのはギィーネルとメットーラに、オージェス、ハイフリーグータ、キハトロイ、トーシーラの六人だけだったけど、見せてもらった。


 六頭の竜に見下ろされる感じ。


 うーん、謁見に来た人、すごいプレッシャーを受けるだろうなぁ。


 ん?


 すでに二組、謁見に来て……


 腰を抜かして話にならなかったと。


 街の宿で療養中?


 そ、そっか。


 あ、ドラゴンの姿じゃなく、ドラゴンの絵でもいいんじゃないかと思い始めている?


 受け入れられる工夫は必要だな。


 うん。


 ちなみに、王都にいるオージェス、ハイフリーグータ、キハトロイがいたのは、ギィーネルの友人とその妻たちが六竜神国に滞在するための準備で手間取っており、不在時の代役として呼ばれたから。


 オージェスたち三人は王都に戻りたいと言ってた。


 トーシーラは、メットーラの様子を見にきていたようだ。


 お姉さまの妊娠、まだかなー、という感じ。


 あー、それならそっとしておきなさい。


 メットーラたちは新婚なんだから。


 邪魔をすると恨まれるぞ。


 あと、ライメイレンの許可はもらってここに来ているんだよな?


 結婚式で叱られたの、忘れてないよな?


 あ、逃げた!


 俺からライメイレンに言ったりはしないが、聞かれたら答えるからな。


 メットーラ、わざわざ謝りに来なくても。


 ……あー、わかった、トーシーラは連れて帰るよ。


 うん、うん、わかった。


 ライメイレンにも報告しておく。


 邪魔はさせないから。


 のんびりとな。


 ギィーネルにプレッシャーを与えるのは駄目だぞ。



 とりあえず、六竜神国は独自で動き出した。


 それをもって、ティゼルの国作りは完了したとルィンシァは判断。


 ティゼルたちは六竜神国でお疲れさま会(パーティー)を行い、自由となった。


 ティゼルを手伝っていた者たちの大半は、それなりの立場をもらえるからとそのまま六竜神国で働くそうだ。


 学生もいたんじゃないのかな?


 留学扱い?


 いいのか、それで?


 いや、それで話がまとまっているなら、俺からなにも言うことはない。


 頑張ってほしい。




 といったところで、大事な話をしよう。


 ティゼルが旅に出た。


 アルフレートやウルザは同行しない。


 だからと言って、一人ではない。


 一人でなんか旅に出させない。


 同行者はいる。


 イースリーとエカテリーゼさんだ。


 イースリーはウルザの学友。


 エカテリーゼさんは人間の国の元公爵令嬢。


 俺が二人を知っているから選ばれた。


 イースリーはともかく、エカテリーゼさんとは数回しか顔を合わせていないんだけどな。


 そして、二人が選ばれたのには、人間の国出身という理由もある。


 そう、ティゼルの向かう先は人間の国だ。


 旅はルィンシァが勧めた。


 理由は、そろそろ広い世界を見たほうがいいからだそうだ。


 その意見は理解できる。


 だが、人間の国である必要はないと思うのだが?


 魔王国は俺の影響が強すぎて勉強にならない?


 そんなことはないと思うけどな。


 俺だって魔王国のことは全然、知らない。


 人間の国のほうがいいというなら、せめて正統ガーレット王国は駄目だったのか?


 逆に取り込まれて危ない?


 じゃ、じゃあ……


 魔王国より人間の国のほうが安全?


 そうだろうか?


 聞く話だとかなり人間の国は狂暴なんだが?


 人間の国からすると、魔王国のほうが狂暴?


 ま、まあ、戦争をしていたから相手の国のことは悪く言うか……


 でも、安全とは言い切れないだろう?


 違う?


 ティゼルは天使族?


 あ、あー、そうか。


 魔王国では天使族は恨まれている場合が多い。


 それなら魔王国よりは、人間の国のほうが安全……って、騙されないぞ!


 旅に出さなきゃいい話だ。


 そう俺は反対したが、母親であるティアが村にいる俺の娘たちを使って押し切ってきた。


 ティアはそういったことしないと思っていたのに。


 ルィンシァの入れ知恵か。


 もしくはマルビットか。


 そういうところが天使族って言われるんじゃないのかな。


 あ、フラシア、セッテ、ラナノーン、ルプミリナ、オーロラに罪はないぞー。


 よしよし。


 お前たちのティゼルを思う気持ちは受け取っている。


 お前たちが将来、旅に出やすいように、前例を作ったとは思っていない。


 うん、だからお前たちのときは、お前たちのときにちゃんと話し合おう。


 個別に。


 じっくりと。


 よく考えて。



 まあ、ティゼルはもう行ってしまったのでグチグチ言ってもしかたがない。


 無事を祈るだけだ。


 ザブトンの子供が護衛として密かに同行しているのはザブトンから聞いているが、心配なものは心配なんだ。



 そして旅立ちは続く。


 アルフレートだ。


 ティゼルが旅立ったのをみて、アルフレートも旅に出たがった。


 ルィンシァは止めたが、アルフレートはルーを味方につけ、俺を説得に来た。


 結果。


 そう、結果。


 アルフレートは始祖さんの国に旅行……いや、見学? 遊学かな? 遊学となった。


 たぶんだが、ルーの誘導だろう。


 ルーなりに安全な場所を選んだようだ。


 魔王国の関係者を同行者にするとトラブルを引き寄せるとのことで、同行者はなし。


 アルフレートも魔王国の関係者にならないかと心配だが、アルフレートだけなら始祖さんの曾孫ひまごとして扱えるので大丈夫だそうだ。


 一応、向こうではフーシュが面倒を見てくれることになっている。


 まあ、アルフレートはクロイチを召喚できるし、大丈夫……大丈夫だと……いや、大丈夫か?


 む、息子を信じろ、信じるんだ。


 始祖さんやフーシュに迷惑をかけないといいなぁと祈る。



 最後にウルザ。


 ウルザも旅に出た。


 ハクレンとザブトンの許可は取ったそうだ。


 ハクレンもザブトンも最初は反対したけど、説得したようだ。


 ハクレンとザブトンが賛成にまわったら、俺には止められない。


 止めても行くだろうけど。


 同行者にアサとアース。


 あと、ウルザと一緒に冒険者をやっているドロシー、レオノラ、ロキナも一緒に行くそうだ。


 ただ、ウルザは人間の国ではなく魔王国を旅するらしい。


 こっちのほうが戦えるとか物騒なことを言ってたのが気になるところだ。


 無事を祈る。


 ああ、王都でアースがやっているお店は、店長代理を用意したので営業に支障はないそうだ。


 わかっている。


 ちゃんと茶葉や食材は送っておくよ。


 そしてウルザの旅について行く気満々だった氷の魔物。


 えーっと、ほかの火とか土の魔物も置いていかれているわけだから。


 うん、大樹の村にいつまでもいていいから。


 元気を出せ。



 こうして三人が旅立ったわけだが……


 無期限で旅に出したわけではない。


 三人には長くても三年以内に一度、戻って来るように言っている。


 あと、半年に一回は生存報告をするようにとも。


 各地にいる神代竜族か混代竜族、その関係者に頼めば連絡はできるだろう。


 アルフレートに限っては、始祖さんが近くにいるんだから即座に戻ってくることも可能だ。


 ……


 三年は長い気もするが、移動するだけで時間がかかるからなぁ。


 ルーやティアに言われて、三年になった。


 いざとなれば迎えに行くと言ってくれたハクレンが頼もしい。




 ん?


 そういえば……


 アルフレートたちが旅立って、アサとアースも一緒に行って、メットーラが六竜神国にいる。


 王都の学園にいるのは、トラインとマア、あとキアービットだけになるな。


 大丈夫かな。


 トラインは学園に生徒として通っているから、戻ってこいとは言いにくい。


 ま、まあ、キアービットがいるから大丈夫だろう。


 ティアがからまないと、キアービットは優秀だからな。


 それに、王都にはゴール、シール、ブロンもいる。


 学園の敷地内にある家には転移門もあるし、定期的に様子を見に行けば問題は起きないだろう。


 あ、父親である俺が様子を見に行ったら、嫌がられるか?


 文官娘衆の誰かに頼んで、様子を見に行ってもらおう。


 うん。






黒黒    「……」

通訳ヴェルサ「地上の街を造るのは初めてだったから、とてもテンションが上がったって」

黒黒    「……」

通訳ヴェルサ「次は地下に街を作る……え? 許可取ったの? 大丈夫?」



ビーゼル  「ティゼルさまが人間の国に旅立ちました」

魔王    「し、仕事が……」

文官    「国作りが終わったら、こっちに戻ってきてくれるって信じてたのに!」


ビーゼル  「アルフレートさまが人間の国に旅立ちました」

魔王    「寂しくなるなぁ」

文官    「無事に帰ってきてほしいですね」


ビーゼル  「ウルザさまが魔王国内に……」

魔王    「……(胃を抑える)」

文官    「アサさまだけでも置いていってほしかった」




●行動まとめ


ルィンシァ    大樹の村に帰還。


ギィーネル    六竜神国に定住。

メットーラ    六竜神国に定住。


オージェス    六竜神国でアルバイト中。

ハイフリーグータ 六竜神国でアルバイト中。

キハトロイ    六竜神国でアルバイト中。


トーシーラ    ライメイレンの領地に戻され中。


ティゼル     人間の国で旅。

イースリー    ティゼルに同行。

エカテリーゼ   ティゼルに同行。


アルフレート   人間の国(始祖さんのいる国)で遊学。


ウルザ      魔王国で旅。

アサ       ウルザに同行。

アース      ウルザに同行。

ドロシー     ウルザに同行。

レオノラ     ウルザに同行。

ロキナ      ウルザに同行。


トライン     魔王国王都の学園で勉強中。

マア       魔王国王都の学園で自主研究。

キアービット   魔王国王都の学園でトラインを見守る。


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― 新着の感想 ―
子供達の冒険の話が読みたいですなぁ。特にウルザのが。
子供達はどんどん成長してくのに村長は一向に老ける気配ないなぁ
ルィンシアだけ登場人物紹介がなかった。密かにヒラクから嫌われているか、避けられている?
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