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足の数とラミア族の新しい仕事

実験的に名前を前にしてみました。


レッドアーマー  ザブトンの子。赤い鎧を着こんでいる。

ホワイトアーマー ザブトンの子。白い鎧を着こんでいる。


ベル       太陽城のために生み出されたマーキュリー種の筆頭。

ゴウ       ベルの同僚。

クズデン     四村の村長代行。


グッチ      ドライムの執事。



 山エルフたちが、足の多いゴーレムを作った。


「二本の足で立つより四本で立ったほうが安定しますから」


 たしかにそうだな。


 これは……牛をモデルにしたのかな?


「はい。

 荷物を運ぶことを目的にしています」


 なるほど。


 活躍しそうだ。



 翌日。


 改良された足の多いゴーレムが目の前を歩いていた。


「四本より六本のほうが安定しますよね」


 うん。


 昆虫型だな。


 これも荷運び用?


 背中が平らなのは、そこに荷物を載せるためか。


 四本足の牛型は、牛に乗せるように荷物をくくりつける作業が必要だから、こっちのほうが使いやすそうだ。



 翌日。


 さらに改良された足の多いゴーレムがいた。


「六本より八本のほうがいいに決まっています」


 これはザブトンをモデルにしたな。


「はい。

 ザブトン殿のように糸を吐く装置も搭載しています。

 ふふふ。

 荷運びをしながら村長の護衛もできちゃったりしま……」


 そう山エルフが説明している途中、八本足のゴーレムはレッドアーマーとホワイトアーマーによって破壊された。


 瞬殺だった。


 そして、レッドアーマーとホワイトアーマーは俺たちに「事故ですがなにか?」とジェスチャーし、山エルフの肩をぽんと叩き、去っていった。


 ……


 存在意義アイデンティティおびやかしてはいけない。


 俺は学んだ。


 山エルフたちも学んだことだろう。


 初日、四本足の牛型ゴーレムが、牛たちによって破壊されたときに気づくべきだった。


 以降、ゴーレムの足の数は二本か六本、もしくは十本以上と定められた。




 俺はザブトンの背に乗って、村を散策していた。


 自分で歩くと言ったのだが、ザブトンが珍しく甘えてきたので仕方なくだ。


 まあ、よくザブトンに乗っていたウルザがいないからな。


 ザブトンも寂しいのかもしれない。


 ん?


 どうした子供たちよ。


 俺がザブトンの上に乗っているのが珍しいのか?


 ザブトン、俺の代わりに子供たちを乗せてやってもいいか?


 俺も乗ったままで大丈夫?


 ……無理なら言うんだぞ。


 俺は子供たちと一緒にザブトンの背に乗り、村の散策を続けた。


 俺と一緒にザブトンの背に乗りたい子供の数がどんどん増えたので、大きいザブトンの子供たちも参加。


 ちょっとした行列になってしまった。


 こんな散策も、たまにはいいか。




 昼。


 俺の前には一つの缶詰が置かれていた。


 四村よんのむらで作られた缶詰だ。


 四村のもととなった太陽城には、缶詰をつくる機能がある。


 これまで、主に加工した調味料の保存に使っていたが、同時に果物の長期保存を目的とした缶詰の研究をしていた。


 その成果が、この缶詰なのだろう。


 俺はこれをゆっくりと缶切りであけ、中身を皿に移す。


 中からは皮を剥かれ、半分に割られて種を取り除かれたモモが三つ、たっぷりのシロップとともにでてきた。


 様子を見守っていた周囲の者たちから、小さな歓声があがる。


 この缶詰、実は二年前に仕込んだものだ。


 見た目は腐っていない。


 瑞々(みずみず)しい状態。


 あとは味だが……


 俺が食べようとすると、鬼人族メイドたちからストップがかけられた。


 そして、シロップに漬けられたモモは、妖精女王の前に。


 妖精女王は躊躇ちゅうちょなくモモにフォークを刺し、食べた。


「……美味い!!」


 大きな歓声が起きた。


 とくに四村のベル、ゴウ、それとクズデンは大喜びだ。


 まだ一日で製造できる缶詰の数はかなり少ないが、大きな進歩だろう。


 昔は、ミカンが皮ごと入っていただけだったからな。


 輸送時の衝撃でミカンが駄目になったり、腐ったりしていた。


 そこから、衝撃対策にシロップ漬けを考えたり、腐敗の原因である酸素を缶からなんとか排除しようと頑張った。


 それがこの缶詰。


 見事だ。


 俺は満足気に頷き、別の缶詰に手を伸ばそうとしたら妖精女王から止められた。


「それは腐ってるから駄目。

 開けるなら、その横のにしなさい」


 ……


 缶を開けなくても中身がわかるのか。


 そうかそうか。


 もちこまれた缶詰は全部で十個あったが、三つが腐って駄目になっていた。


 ベル、ゴウ、クズデンが落ち込んでいる。


 食品関係なだけに完璧を目指したいところではあるが、いきなり完璧であれというのは無茶な話だ。


 七つは成功しているわけだし、今後の研究で改善していくだろう。


 していくに違いない。


 頑張ってくれ。


 期待している。


 そして、妖精女王にチェッカーとして協力をお願いしよう。


 うん、缶を開けずに中の状態がわかるのってすごい便利だから。


 甘味専用?


 それでも十分。


 報酬は缶詰の中身だ。





 大樹の村とドライムの巣の物流は、ラミア族による輸送でつながっている。


 通称、ラミア便。


 大樹の村とドライムの巣を簡易転移門で繋いだが、俺としてはラミア便は止めるつもりはなかった。


 しかし、簡単に往来おうらいできる手段があるのに、それを使わずに歩いて運べというのもなにか違うと思った。


 検討の結果、ラミア便は廃止。


 ラミア族から、なんとか代わりの仕事をくださいと強くお願いされた。


 大丈夫、お願いされなくても代わりの仕事を用意している。


 こっちの都合で廃止にするからな。


 用意している仕事は二つ。


 一つは、ドライムの巣での警備員。


 まあ、警備員といっても侵入者はほぼ皆無なので、形だけらしい。


 実際は、ドライムの巣にいる者たちの訓練の相手だな。


 同じ相手とばかり戦っていると、闘い方が雑になるそうだ。


 ドライムの執事であるグッチが、ラミア族の武闘会での活躍を見て是非にと求めている。


 報酬はいつもどおり大樹の村の作物を渡すし、必要なら魔王国で使える貨幣も用意するぞ。


 もう一つは、大樹の村での手伝いだな。


 これは、これまでもやってもらっている収穫、ワイン造りの手伝い、ダンジョンの警備などの延長だ。


 主な仕事は果樹園の警備と、果実の収穫、加工。


 これまで果樹園の警備はクロの子供たちとザブトンの子供たちに任せているのだけど、クロの子供たちを果樹園の警備から減らしたいんだ。


 その減った分を、ラミア族に任せたい。


 どうだろう。


 俺の提案に、ラミア族は両方の仕事を引き受けてくれた。


 ありがとう。


 そして、遠くからこっちを見ている巨人族。


 うん、君たちにもグッチからお誘いがある。


 同じく訓練の相手だ。


 あと、二村にのむらのミノタウロス族から農作業の手伝いがほしいという要望もある。


 二村の養蚕ようさん業がなんとかなりそうだから拡張する計画なんだけど、農作業を放り出すわけにはいかないからな。


 うん、かいこのエサとなる木も育て始めたから、色々と忙しいらしい。


 頼めるかな。


 ああ、返事は急がなくていい。


 急がなくていいんだぞ。


 そんな即決しなくても。


 わ、わかった。


 うん、頑張ってくれ。



 しかしこうなると、南のダンジョンや北のダンジョンとも短距離転移門で繋いだほうが便利だよな。


 おっと、思いつきで行動せず、ルーやラミア族の長、巨人族の長と相談しながら決めていこう。









大阪ですが、急に寒くなってきたので体調を崩してしまいました。

みなさんも、お気をつけください。

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― 新着の感想 ―
新シリーズ 蜘蛛「事故ですがなにか?」
[一言] (村長とザブトンたちの一行、牧場を散策中) 山羊たち「流石に、あれにちょっかいを出す度胸はない」
[一言] 魔王「インフェルノウルフやデーモンスパイダーが人を乗せて喜んで散歩してる。 この村では当たり前だが、他所では有り得ない。我も馴れてしまったなぁ……」 ビーゼル「イリーガルデーモンスパイダーは…
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