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帰還【地図あり】

最後にダンジョンの周辺地図があります。


 俺、クロの子供たち、ザブトンの子供たちで、待機しているルーたちがいる部屋に向かった。


 うん、この部屋も本だらけ。


 なんとか隙間をみつけて、全員がくつろいでいる。


 ルーも復活しているようで、よかった。


 レギンレイヴは……まだ駄目か。


 刺激を与えると笑うみたいなので、放置しておく。


 部屋に見慣れない二人のメイドさんがいるが、彼女たちがコリーとハーキンかな。


 二人のメイド服の作りが簡素なのは、まだ見習いだからだろうか?


 ああ、お茶は向こうでもらったから遠慮するよ。


 ありがとう。



 転移門をくぐった時間が夜だったので、そろそろ戻ろうと思う。


 始祖さんが不在のため、転移魔法での移動はできないからなおのことだ。


 始祖さんが不在の理由?


 長く離れていた夫婦の会話を、あまり邪魔したくなかったから置いてきただけ。


 短距離転移門をここで発見したことにするなどの細かい話は始祖さんに任せたし、先に戻ることも伝えているから大丈夫だ。


 問題は……浜で海の種族たちが待っていてくれたらいいけど、駄目な場合はダンジョンに入って川に流されないといけないことだな。


 基本、あのダンジョンは逆走はできないようになっている。


 れるのは嫌だが、仕方がない。


 では、移動開始と言いたいが、その前に注目。


 始祖さんのセリフ集をメモした紙を回収します。


 すまない。


 クロの子供たち、ザブトンの子供たちも頑張って書いたな。


 すごいぞ。


 ああ、燃やしたりはしない。


 厳重に保管するだけだ。


 始祖さんだけでなく、ルーの弱点にもなるみたいだから。


 これって、フローラにも効くのかな?


 効かない?


 そうか、まだ現役か。


 いや、悪用は考えていないから安心してほしい。


 次に、この屋敷にある本は全て持ち出し禁止だ。


 なので、隠し持っている人は置いていくように。


 隠し持つような人はいなかったようで、一安心。


 では最後。


 ここで読んだ本の内容は他言無用。


 読んでない、見ただけという言い訳も駄目だぞ。


 ははは。


 なぜ悲鳴がおきるのかな?


 趣味を制限するつもりはないが、他者に迷惑をかけないようにお願いしたい。


 おっと、ガルフ。


 メイドさんたちのまえで俺に近づくのは駄目だ。


 ネタにされるらしいぞ。


 始祖さんが言ってた。


 え?


 男の絡みのない本もある?


 これ?


 ……たしかに。


 男は出てこない。


 女も出てこない。


 無機物を擬人化した童話かな?


 でも、嫌な予感がするからこれも他言無用で。




 濡れることを覚悟していたが、浜では大勢の海の種族が待っていてくれた。


「無事のお戻り、喜びを申し上げます」


 見覚えのないリザードマン……海リザードマンだろう男性が、俺に頭を下げる。


「人魚の長老に頼まれ、待機しておりました」


 それはありがたいが、戻ってこなかったらどうするつもりだったんだ?


 戻ってくるまで交代で待機する予定だったと。


 なるほど。


 えーっと、ありがとう。


 老齢の人魚の男……人魚の長老はどこに?


 海の家で食事中?


 焼きトウモロコシを気に入っていると?


 それなりの年齢だろうけど、歯は大丈夫なのか?


 トウモロコシの皮は、歯のあいだに挟まりやすいからな。


「船はあちらに」


 海リザードマンの男性が示したのは、それなりに大きい船。


 シャシャートの街から借りてきたらしい。


「短い船旅になりますが、よろしくお願いします」


 こちらこそ、よろしく頼む。


 ……


「あの、なにか?」


 確認なんだが、ザブトンの子供たちを見てどう思う?


「え?

 えーっと、な、なかなか、かわいらしいのではないかと……」


 だよな!


 彼らが気絶していないことから、ザブトンの子供たちが言っていた種族特性とかは気のせいなのかもしれない。


 ヴェルサやメイドさんたちもおびえていなかったし。


 うん、そうに違いない。


 え?


 ウルザたちのいる浜でザブトンの子供にあって気絶した?


 ……


 うーん。




 ウルザたちの待つ最初の浜に到着。


 ウルザたちは起きていた。


 ダンジョンの攻略を考えていたのか。


 熱心なのはわかるが、夜はちゃんと寝ないと駄目だぞ。


 ダガ、子供たちの護衛ありがとう。


 残っていたクロの子供たち、ザブトンの子供たちも、ありがとう。



 ゴールたちと冒険者たちは、森での探索を継続中。


 ただ、この浜よりも五村ごのむらのほうが近くなったので、今夜はそちらで休むと連絡があったらしい。


 別段、俺が不満を言うことはない。




 翌朝。


 とりあえず、始祖さんが戻ってくるまではやることもないし、子供たちのダンジョン攻略につき合う。


 海の種族が管理しているとのことだったが、遠慮は無用だからな。


 そんなことをすると、子供たちが怒る。


 ただ、ゴールの浜の転移門をくぐるのはなしだからな。


 ……


 え?


 俺はゴールの浜で最後の試練の準備?


 今日もバーベキューするのか?


 同じだと飽きるだろ。


 子供たちを説得しようと海の種族たちに援護を頼んだが、駄目だった。


 昨日は時間が限られていて用意できなかったが、今日は昨日から準備しているので色々と海産物が増えているらしい。


 大きいエビとか、アワビとかあるのね。


 ……


 最後の試練は、俺が担当することになった。




 そうしてなんやかんや三日ほど滞在したが、始祖さんは戻ってこなかった。


 代わりにメイドさんがやってきた。


「話し合いはまだ続きそうなので、先に村に戻っていてほしいそうです」


 了解。


 冒険者たちも五村に滞在を続けているし、一度引き上げるか。


 俺たちは五村まで歩きで移動……あ、馬車を用意してあるのね。


 助かる。




 五村に到着。


 ゴールたち、冒険者たちと合流。


 始祖さんの話し合いが終わるまで、冒険者たちには五村で滞在を続けてもらうことになったのだけど、報酬は大丈夫なのだろうか?


 宿代を浮かすためにも、ヨウコ屋敷に泊まるかと誘ったけど、断られた。


 遠慮しなくてもいいのに。


 ゴールたちは村に戻るが、定期的に五村に行って冒険者たちと連絡をとる予定。


 連絡係、頼んだぞ。


 ゴロウン商会の支店に寄って、海の店への納品も忘れずに頼んでおいた。




 こうして、海岸のダンジョンの探索は終了した。


 始祖さんが戻って来ないと、目的達成とも失敗とも言えない状況なので、少しもやっとする結果で残念だ。


 海岸のダンジョンは楽しかったけど。


 ウルザたちは最後までクリアできなかったので、また行きたいそうだ。


 今度は夏に行こう。


 バーベキューは夏だと思うから。


 あ、でも、夏はウルザたちは学園か。


 短距離転移門の道が開通しているといいのだけどなぁ。






 始祖さんが戻ってきたのは冬の終わり。


 ……


 なぜヴェルサが一緒にいるのかな?


 極度の引きこもりなんだろ?


 ヴェルサに外を見せたかった?


 それはかまわないが……


 俺への報告が終わったら、一緒に移動するのだろ?


 いきなり刺激を与えすぎないほうがいいと思うが……


 違う?


 ヴェルサはこの村に滞在する?


 ……


 い、いや、駄目ってことはないぞ。


 歓迎する。


 歓迎するが、趣味のほうは控えるように強く言ってほしい。


 うん、強く。


 あと、距離が近い。


 油断は駄目だぞ。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


遅くなりましたが、海岸のダンジョンの周辺地図です。


挿絵(By みてみん)


洞窟内の川は自然の川ではなく、人工的に作られた川なので不自然な川の形をしています。

(ゴールの浜に流れていた川を捻じ曲げ、ダンジョンを通って最初の浜に流れるようにしています)



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ハーキンはバーキンだけど、コリーは?
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