表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
527/978

牧場拡張とウルザたちからの手紙 30日目

プロットミスでグーロンデの部分をカット。(2019/02/18)

すみません。

別の場所で活躍させます。


タイトルにアルフレートたちが出かけてから何日目ぐらいかを記載します。

時間が前後するので、わかりやすくする為です。

ご了承ください。


 ウルザ、アルフレート、ティゼルが学園に行って、一か月。


 俺だけじゃなく、村の住人たちも三人がいない生活に慣れた。


 普段通りだが、小さい変化はある。



 まず、子供たちのリーダーは、ウルザからナートに引き継がれた。


 正式に指名されたわけではないので、リリウス、リグル、ラテ、トラインあたりが頑張るかと思ったが、張り合う姿勢を見せずに従っている。


 ナートの年齢がみんなよりも少し上なことも、理由かもしれない。


 みんなの姉としてナートは頑張っている。


 そのナートだが、実は学園に行けるだけの実力があると判断されていた。


 実際、直前までウルザ、アルフレート、ナートの三人で決定していたのだが、本人の希望でティゼルに譲られることになった。


 俺の子供じゃないことを理由に遠慮しているのかと思ったのだけど、そうではなかった。


 ウルザとアルフレートは、ティゼルでなければ止められないとの判断からだった。


 同様にティゼルも、ウルザかアルフレートでなければ止められないらしい。


 つまり、あの三人はまとめておかないと危ないとナートは主張した。


 俺としてはそんなことはないだろうと反論したが、意見を求められたアルフレートがナートとティゼルの交代案に賛成したため、ナートが残ることになった。


 そんな事情で、学園に行けなくなったナートには申し訳ないことをしたと思う。


 どこかで埋め合わせしなければな。



 次に、子供たちの教育に死霊魔導師が参加するようになった。


 死霊魔導師は、ハクレンが泣いているあいだの代役として呼ばれ、そのまま教師役の続行を希望したのだ。


 死霊魔導師は喋れないので、インテリジェンス・ソードのクエンタンが代弁している。


 なので、死霊魔導師は剣の先生と呼ばれ、子供たちから人気だ。


 主に魔法関連を教えている。


 魔法は便利だから、子供たちのためにも頑張ってほしい。


 できれば生活魔法と呼ばれる小規模なものを中心に。


 なぜか他の教師役たちは大規模攻撃魔法を教えようとするから。


 子供たちにはまだ早いと思うし、むずかしいだろう。


 頑張ってそれらを覚えたとしても、使いどころもないだろうし。



 最後に、俺と残った子供たちとのコミュニケーション時間が長くなったそうだ。


 そうだというのは自覚がないから。


 鬼人族メイドたちに言われて気付いた。


 まあ、子供たちが喜んでいるから問題はない。


 強いて問題点をあげるとすれば、ヒイチロウが俺のところに来たがるようになり、ライメイレンがしょんぼりしていることかな。


 ことあるごとにヒイチロウの面倒をみてくれたライメイレンには、少し悪い気がするが……ヒイチロウは俺の子供。


 遠慮はしない。


 しかし、将来的にヒイチロウを学園に行かせて大丈夫だろうか?


 このあたり、ハクレンやドースと相談しないとな。



 小さい変化はこんなところだろうか?


 細かく言えば、鬼人族メイドのシフトの内容が変化したり、作る食事の量が変化したとかあるが……


 ここ一ヶ月で、慣れてしまった。


 ウルザ、アルフレート、ティゼルの学園行きは、俺の心情としては大事件だったが、村への影響は小さいようだ。


 それに安心するが、残念な気持ちもある複雑な心境。


 その心境を整理するため、俺は牧場エリアを拡張した。



 これまで十二面×三十六面だった牧場エリアを、北東方向に拡げて十六面×五十二面に。


 平坦なだけでなく、丘を作って斜面を用意したり、林、森なども作った。


 牧場エリアの北側に作った池も牧場エリアに組み込むことになったが、問題はないだろう。


 草も長短色々と種類を用意。


 数や位置を把握はあくしにくくなってしまったが、牛や馬たちは喜んでいる。


 一応、俺の心境整理のためだけに牧場エリアを拡張したのではなく、牛や馬、羊や山羊の数が増えたという理由もある。


 なので、牛小屋、馬小屋、羊小屋に山羊小屋の増築もおこなう。


 なんだかんだで、夜には小屋に戻ってくるので住み心地は悪くないのだろう。


 牧場エリアの拡張によって、クロの子供たちの警備範囲が広がってしまったが、牧場エリアを横断できるので問題ないそうだ。


 時々、クロの子供たちやザブトンの子供たちも牧場エリアでまったりしていたりする。


 クロの子供たちは大丈夫だろうが、ザブトンの子供たちは山羊たちに踏まれないように注意するんだぞ。


 牛や馬、羊は大丈夫だ。


 あいつらは賢い。


 お前たちを踏んだりはしない。


 山羊も賢いが、いたずら好きだからな。


 わざと踏んでくるかもしれん。


 それぐらいで潰れないことは知っているが、避難場所として高い木を何本か育てておこう。


 育つまでは、こっちのテーブルの上を避難場所にするんだぞ。


 俺の注意に、ザブトンの子供たちは元気に足をあげた。


 よしよし。


 そして、テーブルの上のザブトンの子供たちを羨ましそうにみているクロの子供たち。


 ……


 わかったわかった、なにを作ればいい?


 作らなくていい?


 一緒に遊ぶ?


 よし、それじゃあボールで遊ぶか。


 俺の言葉に、クロの子供たちが目を輝かせた。


 遠くにいたクロの子供たちも駆け寄ってくる。


 あー……


 ここは牧場エリアだ、牛や馬、羊、山羊たちの迷惑にならないようにな。



 俺は日が落ちるまで、クロの子供たちと遊んだ。


 途中、牛がボールを持ってきたのには驚いたが、褒めておいた。





 牧場エリア拡張作業中、マルビットたちは天使族の里に帰っていった。


 いつもはぎりぎりまで粘ろうとするマルビットだが、どういった話し合いがされたのか今年は素直だった。


 帰ったのはマルビット、ルィンシァ、スアルロウの三人。


 グランマリアの母であるラズマリアは残った。


 そのラズマリアは天使族の別荘で、孫のローゼマリアをかわいがっている。


 グランマリアが仕事中は、ラズマリアが預かっているようだ。


 ローゼマリアも、ラズマリアに懐いているようで問題はない。


 別荘には妊娠中のクーデル、コローネもいて、のんびりと過ごしている。


 二人は妊娠初期の体調不良を乗り越えたあと、なんだかんだと動き回るので、のんびりさせるのは大変だった。


 だが、ラズマリアが全部止めた。


 なんでも、二人は昔からグランマリアと一緒にいたので、ラズマリアとも親しいそうだ。


 その辺りも考えて、ラズマリアが残ったのかな?


 それだと、マルビットたちに感謝しなければ。


 ラズマリアのもとにはティアとオーロラ、それとキアービットがよく訪問しているらしい。


 天使族でしか分かり合えない問題もあるのだろう。


 何を話し合っているか気にはなるが、詳しく聞くのは遠慮しておく。


 天使族特有の問題もあるだろうから。


 例えば、えーっと……飛行中に翼がかゆくなったとき、いかにして優雅にくかとか。


 いや、これよりはマシな話をしていると思う。


 たぶん。





 最近、ルーは魔王やビーゼルたちと話し合っていることが多い。


 ウルザたちの様子を聞いているのかと思ったが、違う話のようだ。


 経済や流通の話をしているから、何か新しい商売を始めるのだろうか?


 ルーからは、村にはあまり影響がない話なので、もう少しまとまったら教えると言われているので聞かない。


 それよりも、俺の興味はビーゼルが持ってきてくれたウルザたちからの手紙。


 ザブトンが、早く読もうと待っている。


 ははは。


 俺も早く読みたい。


 ウルザたちには細かく手紙を書くようにと、大量の紙とインクを渡している。


 なので、五日に一回ぐらいのペースで誰かからの手紙が届く。


 今回は、ウルザ、アルフレート、ティゼル、それと……アースから手紙が届いている。



 まずはウルザの手紙から。


 学園生活に問題はないようだ。


 ゴールたちが色々と手を回してくれたので、不便もない。


 新しい友達は増えたが、少し退屈だそうだ。


 冒険者ギルドに登録したいとあるが……一緒に読んでいるザブトンが少し悩んでからOKを出したので、OKの返事を書くとしよう。


 ウルザからは、こんなものか。


 あとでハクレンに渡しておこう。



 次はアルフレートの手紙。


 毎日が新しい発見で楽しいと書かれている。


 ……


 これだけか?


 息子ながら、もう少し内容があってもいいと思うが?


 いや、まて。


 前回の手紙も同じ内容じゃなかったか?


 ザブトンが素早く、前回の手紙を持ってきた。


 うん、言い回しは違うが、前回と同じ内容だな。


 これは注意しておかないと。


 無理に話を作る必要はないが、簡単な手紙ぐらいは書けるようになってほしい。


 内容はあれだが、この手紙はあとでルーに渡す。



 続いて、ティゼルの手紙。


 ティゼルからは初めての手紙だ。


 どういった文章を書くのか……


 これは手紙ではなく、魔王国に関しての報告書だな。


 魔王国の組織図とか、人間関係とか、資金の動きとか……


 どうやって調べたんだ?


 ん?


 ああ、商人の知り合いを作ったのか。


 なるほどなるほど。


 って、商人の知り合いから聞くにしても、詳しすぎる情報だろう!


 そいつは大丈夫なのか?


 変な男じゃないだろうな。


 ……


 女性か、よし。


 いや、そうじゃなくて……


 マイケルさんの知り合い?


 ……なら、大丈夫か。


 マイケルさんに会ったときに詳しく、話を聞いておこう。


 礼も言わないとな。


 えっと……まだあるのか?


 マルビットたちが学園にやってきた?


 ティゼルの様子を見に、帰りに寄ったのかな?


 俺は様子を見にいくのを我慢しているのに、ちょっとずるいぞ。


 とりあえず、ティゼルには手紙の書き方を……いや、これはこれで詳細がわかって便利か?


 うーん。


 知り合った商人に迷惑をかけないようにと、返事しておこう。


 この手紙は、あとでティアに渡す。



 最後に、アースから。


 街で店を始めたので、コーヒー豆と紅茶の葉を送ってほしいという内容。


 いや、別に商売をするのはかまわないが、ウルザのことはいいのか?


 ウルザの学園行きが決まったとき、強く同行を希望したのは傍にいるためだろ?


 その疑問の返事も書かれていた。


 アサとメットーラが頼もしいから大丈夫と。


 自分にできることで、ウルザの役に立ちたいと書かれてある。


 それが商売か。


 なるほど。


 コーヒー豆や紅茶の葉は、品質はそれほど高くなくてもかまわないと書かれているな。


 遠慮しているのか?


 五村ごのむらの甘味の店のために生産量を増やしているので、最上級でも問題ないが……


 アースの要望通り、二級品にしておこう。


 ついでに資金も送っておくか。


 お金はあっても、困らないだろう。


 ザブトンが調味料も送ったらどうだと言うので、用意することにする。


 ビーゼルには悪いが、これぐらいなら大丈夫だろう。


 無理なら、始祖さんにお願いしたいが……


 最近、始祖さんの姿をみない。


 忙しいようだ。


 理由は聞いている。


 ドースたちが退治した空を飛ぶクジラ。


 あれの影響で、各地で災害が起きているらしい。


 退治が早かったから災害の規模は極めて小さいが、数が多いらしい。


 各地の教会が救助、救援を行っている。


 始祖さんが直接行動をするわけではないが、責任者として教会本部に詰めているそうだ。


 今度、始祖さんが来たらねぎらっておこう。


 とりあえず、今回はビーゼルに頼む。


 もちろん、ちゃんと代金は払うぞ。


 アースからの手紙は、ウルザの部屋に保管しておく。






子ザブ「踏む?」

山羊「そんな危険なこと、するわけがない!」




本業で更新が滞っております。

すみません。

近況は、活動報告にて。


感想、レビュー、誤字報告、ありがとうございます。

励みになっております。


古い話の誤字に関しては、チェックの時間が取れないので反映は少々お待ちください。

すみません。

最新話付近の反映は、できるだけ早くします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
山羊からすれば核地雷みたいなものだよな(´-﹏-`;)
確かに危険。
2025/08/12 17:09 いつもの景色
[一言] ナートは第二婦人だろうな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ