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春のパレード

グルーワルド関連 説明不足だったのでちょっと追記しました。

山エルフ関連 説明不足だったので十一番手にちょっと追記しました。


 パレードの列が進む。


 今回のパレードの一番手はクロたち。


 クロを先頭に、少し下がった場所にユキ。


 その後ろにクロイチ、クロニ、クロサン、クロヨンが綺麗な列を作って続く。


 尻尾までぴんと揃っているな。


 いっぱい、練習したんだろうなぁ。



 二番手にザブトンの子供たち。


 先頭はアラクネのアラコ。


 大きな旗を持っての行進だ。


 その後ろに一列に並んだマクラサイズの子供たち。


 マクラサイズの子供たちが櫓役になり、その上に拳サイズや雑誌サイズの子供が乗っている。


 ははは、無理して俺に手……ではなく、足を振らなくていいぞ。


 落ちたら危ないからな。



 三番手は始祖さん。


 その後ろにフローラとフーシュ、聖女のセレスが同行している。


 四人だけでちょっと寂しそうだったけど、始祖さんが魔法で影の兵隊みたいなのを出して並べた。


 その数、四十。


 始祖さんは、その気になれば四百は出せると言っていたが、遠慮してもらった。


 別に四人でも構わないと思うけどな。


 旗持ちはフーシュ。


 時々、旗を振り回して観客を沸かしている。


 旗が綺麗に舞っているので、適当にやっているのではないだろう。


 コーリン教では旗を振り回す修行とかあるのかな?



 四番手は天使族。


 マルビット、ルィンシァ、クーデル、コローネ、キアービット、スアルリウ、スアルコウ。


 低空をゆっくり飛びながらの行進だ。


 前を行く始祖さんの一団に対抗して、ティアの作ったゴーレムが四十二体、同行している。


 数で競わないでほしいなぁ。


 旗持ちはクーデル。



 五番手はハイエルフ。


 先頭はリグネ。


 本当はリアの妹のリリが先頭の予定だったのだけど、前を行く始祖さんやマルビットに対抗したいとリアたちがリグネを呼び戻した。


 リグネの訓練を受ける覚悟をしてまで、対抗したいのだろうか?


「釣り合いというものがありまして……

 例え話ですが、王様、王様と大物が続いたあとに小娘では、小娘がかわいそうではありませんか?」


 リアはそう言っているが、そんなものだろうか?


 パレードもお祭りの一種なのだから、気にしなくてもいいと思うけどなぁ。



 六番手は鬼人族メイド。


 先頭は鬼人族ナンバーツーのラムリアス。


 きっちりした行進になるかと思ったけど、笑顔溢れる和気藹々(わきあいあい)とした行進だ。


 先頭がアンじゃないからかな?


「私が先頭でも、あのような感じになるかと」


 おっと、アンに聞かれていた。



 七番手はリザードマン。


 先頭はダガ。


 数、増えたなぁ。


 観客に回っている者もいるのに、行進に参加しているのは五十人。


 昔は顔の見分けがつかなかったが、今ではそれなりに見分けられるようになった。


 とくに村で産まれた若者かどうかの判断はできるようになった。


 若いのはうろこの厚さ、色の濃さが違うのだ。


 最初に村に来たリザードマンたちなら、ある程度は判断できるようになった。


 絶対に間違えないと胸を張って言えるのはダガぐらいだけど。



 八番手は獣人族。


 先頭はガルフ。


 うーん、村に来たばかりの頃は幼かった獣人族の女の子たちが、今では立派な女性になっている。


 月日の流れを感じる。



 九番手はドワーフ。


 ドノバンを先頭に、樽を持っての行進だ。


 樽の中身が酒なのは言うまでもないだろうが、飲みながらの行進はどうなのだろう?


 観客にも振る舞っているようなので構わないか?



 十番手はドラゴン。


 ここからは櫓で、引き手はミノタウロス族、ケンタウロス族、悪魔族、夢魔族、巨人族、ラミア族が担当してくれている。


 櫓の上にはドース、ライメイレン、ドライム、そしてギラル。


 楽しそうだ。



 十一番手は文官娘衆。


 いつもは裏方なので、今回は櫓に乗ってもらうことにした。


 ここには魔王たちも乗ってもらうつもりだったのだけど、それだと文官娘衆が楽しめないとフラウが代案を提出。


 魔王たちと相談の結果、魔王たちには別の櫓に乗ってもらうことになった。


 申し訳ない。


 文官娘衆が櫓に乗るので、その代わりに山エルフたちが裏方に回ってくれた。


 どこかで埋め合わせをしないといけないなと思う。



 十二番手に俺とルー、ティア、リア、アンたち母親が乗る大型の櫓。


 母親、増えたなぁ。


 あと、俺の着替えを手伝うためにザブトンと鬼人族メイドが数人、乗っている。


 俺の乗る櫓の上を、フェニックスの雛のアイギスとわしが飛んでいる。


 速度は鷲の圧勝だな。


 競ってないだろうけど。



 十三番手に子供たちの乗る櫓。


 櫓の先頭にアルフレート、ティゼル、ウルザが立ち、観客に手を振っている。


 子供たちも増えたなぁ。


 子供たちの監督役として、ハクレンに同乗してもらっている。


 ハクレンがいれば、大丈夫だろう。


 妖精女王も乗っているのが少し不安だが……



 十四番手に魔王と四天王の乗る櫓。


 文官娘衆の乗る櫓に比べると、一回り大きくて豪華になっている。


 これがフラウの代案。


 魔王も、パレードの主役は文官娘衆だと譲ってくれてほんとうに助かった。


 四天王の四人……あれ?


 グラッツの姿がない。


 ああ、ミノタウロス族だから、櫓に乗るのを遠慮したのかな。


 この櫓にはマイケルさんが同乗している。


 マイケルさんは単独で櫓に乗る予定だったのだけど、丁重にお断りされてしまった。


 しかし、村の歴史を考えればマイケルさんを無下むげにはできないと文官娘衆が思案。


 マイケルさんに俺の櫓と魔王の櫓を選んでもらった結果、魔王の櫓に乗ることになった。


 別に俺の櫓に乗ってくれても構わないのだけどな。


 マイケルさんは魔王の櫓の後方で、小さく手を振っている。



 魔王の櫓の後ろは櫓ではなく、徒歩で二村、三村、一村、四村、五村の集団が続く。


 櫓じゃないのは、櫓の引き手が足りないからだ。


 二村の先頭はゴードン。


 その後ろにグラッツの姿があった。


 その横にロナーナがいるのは、もうすぐ結婚するからだろう。


 少し前というかかなり前から結婚まで話は進んでいたのだけど、結婚後の生活で揉めていた。


 ロナーナは二村で生活したいと言い、グラッツも村に住むと言っているので問題はなさそうなのだけど、グラッツが二村に住むことに抵抗する勢力というか、魔王とビーゼルとランダンが全力で阻止に掛かった。


 グラッツ、軍で大事なポジションらしいから。


 ホウは無関心かなと思ったら、意外にもグラッツの応援。


 女性だし、結婚を応援したい気持ちが強いのかもしれない。


 結局、グラッツは二村にかようことになった。


 ビーゼルの転移魔法で送ってもらうのだろう。


 結婚前とあまりかわらない。


 少し気が早いが、結婚おめでとう。



 三村の先頭はグルーワルド。


 少し下がった位置にフカがいる。


 フカの横にいるのはフカの旦那だな。


 男爵位の返上を切っ掛けに、フカから申し込んだそうだ。


 仲がよさそうでなにより。


 フカの結婚をみて、グルーワルドが少し焦っているという話をケンタウロス族の世話役のラッシャーシから聞くが……


 あれ?


 結婚の話があったんじゃ……


 グルーワルドが子爵位を返上してすぐに結婚すると、相手の男性に負い目が出るとのことで少し先延ばしにしているらしい。


 なるほど。


 頑張れ。



 一村の先頭はイグ。


 人の姿での行進。


 イグたちの人の姿、久しぶりにみた気がする。


 ジャックたちは、子供の世話をしなければいけないから観客側に回っている。


 子供の世話、大変だもんな。


 育児ノイローゼになっている者はいないとのことなので、一安心。


 悪魔族の助産婦たちや、鬼人族メイドたちの指導のお陰かな。


 感謝だ。



 四村の先頭はクズデン。


 マーキュリー種のみんなも揃っている。


 ミヨが村に戻って来たとき、すごく怒られた。


 パレードが終わったら、ミヨはシャシャートの街に戻るそうだ。


 いまさら、放り出せないと。


 すまない。


 なので正式に、ミヨにシャシャートの街を担当してもらうことに。


「シャシャートの街を担当?

 範囲が広くないですか?

 気のせいですか?」


 気のせいだ。


 死霊騎士、ライオン一家もここに参加。


 死霊騎士たちは踊りながらの行進だが、さきほどの血に飢えた雰囲気はなく、いつもの陽気な感じだ。


 ライオン一家も元気そうでなにより。



 最後尾は五村の集団なのだけど、ユーリは魔王の櫓に乗り、聖女のセレスは始祖さんたちに同行しているから、ヨウコと先代四天王の二人だけ。


 さすがに寂しいのでなんとかしようと考えていたら、ヨウコが観客たちを巻き込んで集団を作っていた。


 最後尾だからできることだな。


 神輿みたいなものに酒スライムや猫たちを乗せ、それを担いで盛り上がっている。


 あ、神輿には前にやってきたニーズも乗っている。


 ヨウコが誘ったのかな。


 神輿の上で舞う姿はここから見ても美しい。


 美しいが……なんだろう、必死さを感じるな。


 舞いに夢中になって、神輿から落ちないように注意してほしい。




 パレードの集団は、定められたコースに従って村の各所を回り、最終的には武闘会などを行っている舞台に到着する。


 そのあいだに俺は三回、着替えた。


 最後尾が到着後にもう一回着替え、俺はみんなに注目されながら空を指差す。


 そこにはハーピー族が隊列を組んで待機していた。


 そして、ハーピー族が黒い布を広げ、大きなワイバーンの姿を空に描く。


 それに向かい、俺は槍を投げるジェスチャー。


 それを受けてハーピー族が四方八方に飛び、描かれていたワイバーンがちりぢりになった。


 俺がワイバーンを倒したときの再現らしい。


 大歓声と拍手。


 少し遅れて天使族たちが飛び上がり、舞台に花弁がまかれた。


 うん、綺麗だ。




 パレードはこのあと、宴会に突入するが……宴会は特に変わったことはない。


 俺の席が固定で、定期的に着替えるぐらいだ。


 ああ、あと山羊と馬と牛が乱入してきた。


 パレードに参加させなかったからだろうか。


 特に馬が俺の前で拗ねた。


 去年は出番があったのに、今年はなかったからな。


 申し訳ない。



 なんだかんだあったが、今年のパレードは終わった。





更新、遅くなってすみません。

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― 新着の感想 ―
[一言] >そのあいだに俺は三回、着替えた。 と聞くと「もう出すものがありません…」と 要らんナレーションを幻聴する自分がいる。
[一言] こうした楽しい空気を何度も醸造することで世界樹や大樹に良い影響がありそう。 ……ニーズ、お疲れ様(笑)
[良い点] 楽しくて何度も読み返しては笑っています [気になる点] まだ村長周りでの男性不足が解消されてないと思いますが笑 [一言] 更新楽しみです
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