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女王蜂の娘


 私は女王蜂の娘。


 生まれながらにして女王となる運命を背負った存在です。


 なのでこれまで楽に生きてきました。


 のちに新しい巣の女王として働かねばならないのですから、これぐらいは当然だと思います。


 私を見る兵隊蜂たちの目が冷たいですが、その程度では私の心は揺らぎません。


 おっと、お母さま。


 巣立ちの時期はまだですよ。


 まだ一ヶ月は先のはず。


 本能で理解していますよ。


 それまではここでぬくぬくと過ごすのです。


 ぬくぬくじゃなくて、ぶくぶく?


 ははは。


 お母さま、ナイスジョーク。


 ですが、私の体形は理想です。


 え?


 飛べるのかって?


 馬鹿にしないでください。


 飛べない蜂は芋虫と同じでしょう。


 飛べたら一ヶ月先まで自由、飛べなければ即座に巣立ち?


 巣立ちの時期を決めるのは私のはずですが、まあいいでしょう。


 お母さまの顔を立てましょう。


 その賭け乗った!


 飛べたら一ヶ月先まで自堕落な生活を送らせていただきますよ!




 強制的に巣立ちをさせられました。


 本来なら同行する護衛の兵隊蜂もいません。


 飛べなかった私に対するこの仕打ち。


 これは、捨てられたということでしょうか?


 違いますよね。


 お母さま、信じてますよ。


 隠れて兵隊蜂が護衛してくれているんですよね。


 ……


 この無反応な空気。


 まずい。


 これは本格的にまずい。


 ど、ど、どうしよう。


 他の巣にお邪魔……駄目ですね。


 一度、巣立ちしたら女王蜂扱い。


 自分の巣に他の女王蜂を招き入れる馬鹿はいません。


 第一、他の巣の位置を知りません。


 では、どうしたら?


 新しい自分の巣を作る?


 本能でやり方は知っていますが、そんなの面倒臭い!


 私は自堕落に生きたいのです!


 しかし、そんなことを言えたのはお母さまの巣にいて食事と寝床に困らなかったから。


 現状では死に向かうだけの言葉です。


 仕方がありません。


 巣作りをしようじゃないですか。


 ……


 巣作りに適した場所にまで移動できない。


 こ、これは終わった?


 え?


 本気で終わり?


 私、死んじゃうの?


 やだやだやだ。


 まだ死にたくない。



 そんな風にジタバタする私に救いの手が伸びました。


 おお、神は私を見捨ててなかった。


 ありがとう神様。


 私に救いの手を伸ばしたのは蜘蛛です。


 ……


 こ、こんにちは。


 私は美味しくないよ。


 あれ?


 あ、な、なーんだ。


 お母さまの巣によく来ていた蜘蛛さんじゃないですか。


 私を助けてくれるのですか?


 そうですよね?


 そうだと言ってください。


 どうして私を縛るのですか?


 え?


 え?


 ええええっ!



 村長と呼ばれる凄く偉い人の前に突き出されました。


「ここまで太ったのは確かに珍しい。

 変種かな?

 自力で飛べないことに対するメリットはなんだろう」


 なかなか心に刺さる言葉。


 すみません。


 自堕落な生活の結果です。


 わかりました、もう全て諦めたから好きにすればいいです。


 煮るなり焼くなりしてください。


 あ、丸かじりはちょっと遠慮したい。


 痛くないのが理想です。




 私用の巣箱を作ってくれました。


 箱というには大きいので、巣小屋と村長さまは呼んでいますが。


 超快適。


 ここなら私が巣を作らなくても大丈夫。


 なのですが、食料がありません。


 私に限らず蜂の食料は花の蜜や花粉など。


 私は自力では集められません。


 巣作りと並行して雄をゲットし、働き蜂の卵を産んでかえるまで我慢しろと?


 眩暈めまいがしそうです。


 第一、今の私に雄がゲットできるとは思えません。


 おや、蜘蛛さんが私に小瓶を差し入れ……ま、まさかこれはハチミツ!


 おおおおおっ。


 やった。


 これだけの量があれば、一ヶ月は遊んで暮らせる。


 それと、ええっ、お、雄?


 どきーん!


 超イケメン!


 あれ?


 イケメンさん、どうして私を見た後から目の光を消しているのですか?


 ここは希望に溢れるところですよー。


 あ、蜘蛛さん、イケメンさんの糸はまだ解かないように。


 なんだか嫌な予感がしますから。




 こうして私は立派な女王蜂となったのです。


 毎日の出産は大変ですが、食っちゃ寝の理想の生活です。


 ふへへへへ。


 でも、不満がないわけではないのです。


 実は私の巣がある場所は、お母さまの巣から十メートルぐらいしか離れていません。


 ですので、お母さまからのお小言が届くのです。


 心配なのはわかりますが、私はもう独立した女王ですよ。


 そういった扱いをして欲しいものです。


 ほら、今日もお小言が届きました。


 これさえなければ、完璧なのに。


 はいはい、自堕落だと兵隊蜂や働き蜂が裏切りますか、そうですか。


 私がお腹を痛めて産んだ子供たちが私を裏切るわけないじゃないですか。


 ねえ?


 ……あれ?


 どうして一斉に目をそらすのですか?


 まさか?


 これは……まずい?


 ……


 わかりました。


 明日からダイエットしますので、謀反は許して……すみません、今日からダイエットを頑張ります。




ランキング総合累計50位記念作。

前後の話に関係なくぶっこみました。

改めて、応援ありがとうございます。

これからも頑張ります。

目指せ、49位!


あと、50位を知らせてくれた方、ありがとうございます。

49位の報告は不要ですよw

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― 新着の感想 ―
ホントこーいうの好きだわw
2026/01/19 14:29 なろう読者は民度低い
[一言] 食べない蜂はただの地虫 というボケはともかく、母親が母親なら娘も娘……というにはちょっとアレな分蜂でしたね というか雄蜂の死んだ目がちょっとツボでした。お前らそんな好き嫌いがあったんだ………
[一言] ニート蜂www
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