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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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チョコレートと雪対策


 妖精女王、今日のオヤツは何がいい?

「パンケーキ!
 あの黒いのをかけて」

 黒いの?

 ああ、チョコレートのことだろう。

 前からカカオは作っていたのだが、チョコレートにする方法がわからずに放置していた。

 それが最近になって、獣人族の女の子がチョコレートにする方法を発見した。

 当初は苦味が強かったが、ミルクや砂糖を混ぜることでマイルドになった。

 ただ、まだ俺の知っているチョコレートには程遠い。

 俺の知っているチョコレートはもっとまろやかで、甘かった。

 しかし、見学させてもらったチョコレート作りは凄く大変だったのでそんなことは言わない。

 この味でも、村の住人からは大絶賛されているし。

 ただ、全て手作業なので量を作るのは厳しい。

 貴重品だ。

 なので、俺はチョコレートだけで食べず、他の食べ物のトッピングとして使っている。

 そのチョコレートのトッピングを求めるとは、遠慮のない妖精女王だ。

 作るけどね。


 妖精女王がパンケーキと答えた時、指を三本だしていたので三枚重ね。

 生クリームとバナナを乗せ、温めて液状にしたチョコレートをかける。

 最後に、砕いたアーモンドをまぶして完成。

 一応、甘味の追加用としてハチミツを用意したが……思いっきりかけたな。

 虫歯になるぞ。

 妖精が虫歯になるのかな?

 おっと、アルフレートやティゼル、ウルザの足音が聞こえる。

 勉強の時間が終わったようだ。

 では、次を焼くか。

「おかわり!」

 妖精女王の要求にはいはいと応えたけど、焼くのはアルフレートたちの分だ。

 わかってる。

 順番にだ。





 今年は雪が凄い。

 各エリアの保全が大変だ。

 雪降ろしは当然として、雪で隠れた道を掘り出さないといけない。

 あと、水路のチェック。

 太い水路は大丈夫だけど、細い水路は凍結する心配がある。

 チェック方法は乱暴に、木刀で凍っている水面を叩くだけ。

 なので、子供たちがやりたがる。

 はいはい。

 一緒に行こう。

 暖かい格好をするように。

 帽子も被ろうか。

 おっと、人数が多いな。

 俺一人じゃ問題があった時に困る。

 ルーやティアは妊娠中だからな。

 無理はさせられない。

 誰か……ハクレンが外出の準備をしていた。

 一緒に来てくれるらしい。

「暖かそうな格好をしているけど、ドラゴンでも寒いのか?」

「これぐらいは平気だけど、子供たちが真似すると困るでしょ」

「確かに。
 ヒイチロウは?」

「お母さまが来てるでしょ」

 そうだった。



 俺、ハクレン、アルフレート、ティゼル、ウルザ、獣人族の男の子三人で水路の見回りに出発。

 俺とハクレン以外、木刀を持っているから知らない人が見たらちょっと危ない集団かな?

 いや、剣道場帰りの子供とか……

 ウルザ、木刀を振り回さないように。

 ティゼルの持ってる木刀以外は全部同じ長さだから、比べても一緒。

 寄り道しない。

 木を叩いて雪を落とさない。

 ウルザが雪ではしゃいでいる。

 それをハクレンが収めた。

「ウルザは落ち着きのある姉になるんでしょー」

 ……

 なるほど。

 あ、こら獣人族の男の子たちよ。

 無理だとか無茶だとかヒソヒソ言わない。

 信じるのが大事だぞ。


 凍結する場所は限られている。

 水の流れが緩やかな場所だ。

 なので、これまでに大体、凍結する場所は判明している。

「凍っていたのは上だけだよ」

 子供たちが木刀で氷を割って、チェックする。

 氷の厚さから……まだ大丈夫みたいだな。

「こっち、全部凍ってた」

 よく見つけた。

 そして、その凍っていた部分を木刀で砕いたのか。

 凄いな。

 水路は壊しちゃ駄目だぞ。

 じゃあ、全部凍っている部分はハクレンに魔法で融かしてもらおう。

「私じゃなくて、子供たちに練習させてあげて」

 ハクレンがそう言うので子供たちに任せた。

 炎の魔法で氷を融かしていく。

 ……

 村の子供は天才揃いか?

 これで初歩?

 いやいや、炎を操って氷を見事に融かしているぞ。

 そこで気付いた。

 ハクレンが自慢気な顔をしていることに。

「……ハクレンが教えたのかな?」

 力強く頷くハクレン。

 悔しいが、褒めておこう。


 水路をチェックした後は、屋敷に戻って善哉ぜんざいを楽しむ。

 冷えたからな。

 身体に染みる。

 出発前に仕込んでおいてよかった。

 餅は一人一つまでだぞ。

 晩御飯が食べられなくなるからな。


 善哉を楽しんでいる間、各エリアの報告を受ける。

 各エリア、問題なし。

 村を囲む堀の中に積もった雪は全部、魔法で融かしたと。

 よかった。

 それで、融かしていない雪は?

 それなりの量になったか。

 じゃあ、カマクラが作れるな。

 場所はどこにする?

 中庭が色々と便利だな。

 それとライメイレンが来ているから、天気が良かったら明日ぐらいに雪山を作るだろう。

 その準備を……え?

 もう準備はできていると。

 早いな。

 雪山は人気だったからかな。

 みんな、楽しみにしているのか。

 ライメイレンが作らなかったら、俺が作ろう。

 報告してくれたハイエルフたちに善哉を渡しながら、そんな事を考えた。

 あれ?

 餅の数が足りない?

 俺の疑問から逃げるように、食べ終わった子供たちが駆け出した。

 ……

 晩御飯が食べられず、アンに怒られてもしらないからな。



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