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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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ラスティの出産と宴会と贈り物


 竜族は、妊娠中は凶暴になると聞いていたのだがそんなことは全然ない。

 傍にいてくれたブルガ、スティファノが頑張ってくれたのだろうか。

 変わったことと言えば、干し柿を大量に欲しがったことだが……妊娠中の我侭の範囲だろう。

 頑張って作った。

 ただ、バランスよく食べてほしい。

 好きだからとそればっかり食べるのはよくない。

 ちょっとした回想。


 ラスティの出産は、すごくあっさりだった。

 女の子。

 名前はラナノーン。

 名付けは、ラスティ。

 ラスティの母であるグラッファルーン系の祖先らしい。

 知り合いなのか、ラナノーンの名を聞いた時のドースとギラルの会話。

「よりにもよって、あの極悪ババァから名を……」

「いや、考え方を変えれば……あの忌まわしき名をこの可愛い子で上書きできるのではないか?」

「おお、言われてみれば。
 うむ、お爺ちゃんっ子……いや、曾お爺ちゃんっ子に育てよう」

「俺にも優しくするように頼むぞ。
 あのババァのことを思い出すと、ヤツに焼かれた背中が……」

「わかる。
 わかるぞ」

 ……

 詳しく聞くのはやめておこう。

 長くなりそうだ。


 ドライム、グラッファルーンの喜びはわかりやすかった。

 ドライム、庭で踊る。

 一心不乱に踊り、疲れたらラナノーンの顔をみて復活。

 また踊る。

 グラッファルーン、ラナノーンを抱いて離さない。

 他の人の抱かせてコールに対し、笑顔で拒絶。

 うん、人間の姿だけど背後に怒れる竜をみた気がした。

 さすがにラスティには抱かせてやってくれよ。

 あと、俺も。


 ラナノーンを産んだ後も、ラスティはしばらく大人モードの姿。

 そっちの方が子供を抱きやすいそうだ。

 なるほど。


 ラナノーンの名は悪くないが、少し呼びにくい。

 ラナと呼ぶべきか?

 ラナーのほうがいいかな?

 些細な問題かもしれないが、悩むところだ。

 ……

 みんなラナと呼んでた。

 赤ちゃんを混乱させるのはよろしくないので、ラナと呼ぶことに。


 出産後は、そのまま宴会が始まる。

 ただ、直前にハクレンやガルフたちを五村ごのむらの支援に派遣してしまったので小規模に。

 大規模なのは、今度の武闘会でやろう。

 アルフレート、ティゼル、リリウス、リグル、ラテ、トライン、ヒイチロウ、フラシア、セッテ。

 お前達の妹だ。

 優しくしてやってくれ。

 ウルザ、グラルも頼むぞ。

 ああ、ヒトエもな。


 ラナを囲む子供たちを見ながら、俺も子沢山になったと実感。

 ……

 まだ、増えるかな?

 増えちゃう?

 やることをやっているから、増えるよなぁ。

 もっと畑、広げたほうが良いかな?

 ちゃんと養わないと。




 ラナが生まれて数日後に、ハクレンがフタと共に戻ってきた。

 ご苦労様。

 二人が居ない間にラナの出産祝いの宴会をやって、すまないと謝罪する。

 ハクレンは気にしないらしい。

 フタは、遠慮なくお酒を要求してきた。

「宴会にはお酒が出たんですよね? ね? ね?」

 苦笑しながら、小さな酒宴を開いた。

 参加者は、ドワーフ一同。

 うん、この時点で小さな酒宴じゃないな。

 さらにドライム、グラッファルーン、ドース、ギラルなどのドラゴン一家に、仕事が終わった住人が参加し……あ、ハクレンも参加するのね。

 ハクレンに続き、子供たちも参加したから普通に宴会になってしまった。

 子供たちにお酒をすすめないように。

 駄目、ジュースで我慢しなさい。

 鬼人族メイドたちが人手不足で悲鳴を上げたので、俺も料理に参加。

 もともと酒宴だったから、酒のアテとなる料理をメインに考えていたんだよな。

 普通の宴会なら、普通の料理がいるな。

 となれば……

 俺はビッグルーフ・シャシャートで販売するピザの試作品を焼く。

 もちろん、石釜。

 味は食材の都合でベジタブルピザが中心になってしまうが、大きな問題はないようだ。

 小さな問題は……

「我は肉が乗っているものを要求する」

 ヨウコがうるさいこと。

 そのヨウコの後ろで、クロの子供たちが遠慮しながらこっちをみている。

 わかった。

 あとで肉を乗せたピザを焼くから。

 ヨウコは、宴会場に食べ物を運び込むのを手伝うように。

 クロの子供たちは……退屈じゃなければ、横で待機してていいぞ。


 宴会の最中、南のダンジョンからラミア族が十人、やってきた。

 なにかあったのかと思ったが、俺に贈り物だそうだ。

 送り主は、ラミア族、巨人族、それにワイバーンの長老。

 前にラミア族がワイバーンの長老と話をしていたのはこれだったようだ。

「なにやら別のお祝いの最中に申し訳ありません。
 ダンジョンの完成祝いとして、フェニックスの卵をお持ちしました。
 お納めください」

 宴会をやっている場所の中心で、俺はラミア族から大きな卵を受け取った。

 サイズは俺が両手で一抱えしなければ持てないぐらい。

 でも、軽い。

 見た目は……赤、白、オレンジ、ピンクのマーブル模様?

 芸術品っぽい風格を感じさせてくれる。

 とりあえず、ラミア族やこの場にいる巨人族に礼を伝え、もらった卵をトロフィーのように上に掲げる。

 大歓声と拍手。

 扱いは間違ってなかったようだが……

 これって、飾ればいいのかな?

 温めて、かえしたほうがいいのかな?

 俺が少し困っていると、少し離れた席でギラルがポツリと呟いたのを聞き逃さなかった。

「あれ、美味いんだよな」

 ……

 そうか、卵だもんな。

 あ、いや、ギラルの横にいたグラッファルーンが殴ってる。

「フェニックスの卵は乳児の縁起物です。
 食べさせません」

 そういうものか。

 では、飾っておこう。

 飾っておくで良いんだよな?

 持ってきてくれたラミア族に改めて礼を言い、俺はフェニックスの卵を……

 創造神と農業神の像の前に飾る。

 あ、これだと奉納した感じになっちゃう?

 まあ、いいか。

 明日にでも、ちゃんとした棚を作ろう。

 卵が転がらない工夫をしないとな。





 宴会が終わった翌日。

 フタに、五村の様子を聞く。

 すでに建物が並びだし、本格的な街作りが始まっているらしい。

 あれ?

 街作り?

 村じゃなくて?

「あの規模を村というには抵抗が……」

 そうなのか。

 一緒に行ったガルフたちは、特に問題もなく魔物や魔獣を退治できているとのことで、一安心。

 転移門の設置場所は、俺の屋敷の倉庫の地下。

 屋敷の倉庫といっても、ちょっとした体育館ぐらいの大きさがある。

 転移門による荷物の出し入れ量を誤魔化す為だ。

 屋敷も倉庫もまだ完成していなかったけど、転移門の座標指定の石は問題なく設置できたらしい。

 あとは、好きなタイミングで転移門を開くことが出来る。

 ……

 開く前に、もう一回ぐらいは見に行った方がいいよな。

 転移門の扱いは、慎重に慎重を重ねたい。



すみません。
明日の更新はありません。
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