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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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西のダンジョン調査隊出発


 座椅子に座って手紙を読んでいると、子猫が一匹……ミエルがやってきて俺の体を登り始めた。

 足、腹、胸……爪が痛いんだが。

 肩で落ち着くかと思ったら、頭の上に登った。

 そこで落ち着くのか。

 構わないが、落ちるなよ。

 ……違う。

 爪を立てて踏ん張れって事じゃない。

 痛いから、それはやめて。

 そう、そんな感じで。

 おっと、ウエル。

 お前もきたか。

 ミエルを見て、お前も頭の上に行きたいと思ったのか?

 だが、お前は登るのが下手なようだ。

 うん、俺の腹が血だらけになるから、そこで諦めて。

 わかった。

 ほれ、俺の手に乗れ。

 頭の上に……そこで喧嘩はやめて。

 猫が迎えに来るまで、子猫達と少し戯れた。



「村長でも怪我するんですね?」

「そりゃな」

 ……言われてみれば、怪我らしい怪我は初めてか?

 まあ、子猫による引っ掻き傷だけど。

 鬼人族メイドのアンに、薬草を潰した液体を塗ってもらう。

「ここが一番酷いですね」

「ミエルが頭から落ちて、とっさに俺の胸に爪を立てたヤツだな。
 痛かった」

 あと、猫ってのは本能的にハンターだな。

 俺の体の弱い部分に噛み付いてくる。

 例えば、足の指の間。

 子猫達はジャレているつもりなのだろうが、手加減が甘いからシャレにならないぐらい痛い。

 前に子猫達にジャレつかれていたザブトンの子供達やクロの子供達は……忍耐強かったんだな。

 今度、ねぎらってやろう。

「可愛いがるのもいいですが、しっかりしつけるのも大事ですよ」

「猫って躾けられるのか?」

「トイレを覚えられるのですから、大丈夫です」

 そういえばそうか。

 子猫達にトイレを躾けたのは、アンだった。

「任せる……あ、待て。
 優しくな。
 あまり厳しくはしてやるなよ」

「……承知しました」

 後日。

 アンの姿を見ると、ビシッとする子猫達の姿を見る事になった。





 一村、二村、三村の畑作業も順調のようで、特に問題らしい問題はない。

 以前、二村で収穫量に問題があったと報告された畑は、連作障害だと思われる。

 同じ場所で同じ作物を育てると、同じ養分ばかりを畑から吸収してしまうので、栄養不足になるのだ。

 大樹の村は【万能農具】で毎回、一から育てている感じだからな。

 気付かなかった。


 連作障害の対策としては、別の作物を育てる。

 もしくは畑を休ませる。

 土地はあるので畑を休ませつつ、毎年、作付けを変える方向でやっていく事になった。

 それと、ダンジョンイモを日光の下で育て、肥料にする方法をやってみた。

 今年の収穫時期にならないと成果がわからないが、魔王国では去年からやっており、それなりに成果が出ているとホウから報告をもらっている。

 魔王国としては、今年も効果を認められたら、人間の国にダンジョンイモを譲りたいらしい。

 ただ、どうやって譲るかで頭を痛めているそうだ。

 素直に渡せば良いと思うのだが、敵対している国に支援物資を渡すのは問題があると。

 また、貰う側も戦争を吹っかけた相手からは素直には受け取れない。

 面倒な事だ。

 ……

 商人に売るのは駄目なのか?

 勝手に広めてくれると思うが?

 ダンジョンイモは強力だから、国が管理しないとまずい?

 なるほど。

 じゃあ、重要物資っぽい感じにして、奪わせたら良いんじゃないか?

 ビーゼルが、目から鱗が落ちたような顔をしていた。





 西にダンジョンがあるだろうと予想し、調査隊を結成した。

 クロの子供達、三十頭。

 ザブトンの子供が、六十匹。

 クロの子供の背中に、ザブトンの子供が二匹乗るスタイル。

 いいのか?

 大丈夫なのか?

 まかせろって良い顔で返されると、応援しかできない。

 頑張ってくれ。

 背負い袋に食料を入れておくからな。

 あー……ちょっと待ってくれ。

 うん、そっちのクロの子、来てくれ。

 すまない。

 背負い袋の中から、子猫を取り出す。

 いたずらっ子め。

 他にいないだろうな?

 ……

 他に子猫はいなかったが、調査隊を尾行する気満々だったウルザとグラルを発見した。

 確保。

 今日の勉強と仕事は終わっているんだろうな?

 くっ、きっちり終わらせていたか。

 わかった。

 俺が別の場所に連れて行ってやるから調査隊についていくのは諦めろ。

 色々あったが、調査隊は無事に出発した。


 確保した子猫をジュエルの元に返し、ウルザとグラルを連れて気球に乗り込む。

 目的は四村こと太陽城。

 転移門の輸送と設置を相談する為にだ。

 どこと繋ぐかはまだ決まっていないけど、片側を大樹のダンジョン内に設置するのは確定している。

 転移門の実物をどう輸送するかと、設置に関しての手順を確認しておきたい。

 あー、こらこら。

 カゴの中で暴れない。

 物を落とそうとしない。

 グラル、お前は自分で飛べるんだからそんなに珍しくないだろう。

 そこは触っちゃ駄目。

 ん?

 それはパラシュート。

 万が一に備えて置いてあるんだ。

 ……装着してどうする気だ?

 駄目。

 マジで駄目だからな。


 世の中のお母さんは、大変だなぁ。



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