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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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猫のパートナー


 冬。

 始祖さん達が戻って来たと思ったら、リアとハクレンを置いてまた出かけた。

 仕事は終わったようなのだが、後始末が色々とあるらしい。

 ルーとティアは、始祖さんの仕事場の近くに知り合いがいるので、会いに行くそうだ。

 運が良ければ、ビッグルーフ・シャシャートで塾の先生をやってくれるかもしれないとの事。

 ちょっと期待しよう。

 ただ、ビッグルーフ・シャシャートの塾の先生役は、文官娘衆にも頼んでいる。

 多く集まり過ぎたりしないだろうか?

 そういった失敗をそれなりにしている気がするからな。

 集まったら集まったで勝手に何か研究するから大丈夫?

 そうなのか?

 一安心。

 ……

 報酬の面が少し心配だな。

 給金はしっかり払うが、それ以外に教える生徒の数に応じて授業料の一部を支払う予定になっている。

 生徒を奪い合う事にならなければ良いが……

 心配しても仕方が無いか。

 集まった後で心配しよう。




 アルフレートが魔法の練習をしている。

 先生役は本来ならルーなのだが、今は居ないのでリアが代役に。

「上手くできない」

「大丈夫。
 構成は上手く出来ています。
 後は魔力操作ですがこれは感覚ですから、練習あるのみです」

「頑張る」

 ……

 息子の頑張りにほっこりしながら、俺はこっそりリアに聞く。

「アルフレートがやっているのは、どれぐらいのレベルなんだ?」

「まだ基礎の基礎ですね。
 魔法の力を高める訓練みたいなものです」

「そうなのか?」

「ええ。
 まだ子供ですし、下手に攻撃魔法などを教えて暴発されても困りますから」

「ああ、確かに」

 アルフレートは大人しいが、やはり子供。

 癇癪を起こして魔法を使われても困るか。

 ……

「そういう事なので、ヒイチロウに魔法を教えるのはもう少し成長してからにして欲しいのですが」

 ヒイチロウに魔法を教えようとするライメイレンを止める俺だった。

 うん、やっぱりまだ早いよな。




 猫がコタツの上で仰向けに寝ている。

 少し前まではコタツの中に入っていたから、暑くなったのだろう。

 それは構わない。

 いつもの事だ。

 俺が気にしているのは、猫のパートナー……繁殖相手の事だ。

 これまで、森で他の猫を見ていない。

 そのうち、クロの子供達のようにパートナー探しに出かけるかと思ったが、そんな雰囲気は感じられない。

 このままで良いのか?

 余計な気を回し過ぎだろうか。

 いや、決してだらけている猫にオスとしての使命を思い出させようとしているワケではない。

 強制は良くない。

 自主的に……

 無理だな。

 放って置いたら絶対に無理。

 酒スライムと一緒に酒を飲んでゴロゴロしているに違いない。

 今の俺の気持ちが、近所の人を仲人しまくるオバサンの心理なのだろうか。

 別に結婚しなければ駄目だとは思わないが、出来るならした方が良くないか?

 子猫も見たいしな。

 以前にも考えたが、どこかからメス猫をもらって来るべきだろう。

 ……

 アテがマイケルさんしかいない。

 しかし、色々と頼んでいるからなぁ。

 猫を一匹だけお願いするのは気が引ける。

 好みが合うかどうかわからないから、十匹ほど頼むか?

 そうすると、今度はメス猫が余るな。

 じゃあ、オス猫を……

 無限に続く気がする。

 冷静に。

 ……オスを九匹、メスを十匹でどうだろう。

 後は勝手につがいになる……

 猫村になってしまうな。

 駄目だ。

 冷静じゃない。


 シンプルにメス猫を一匹、どこかから手に入れれば良いんだ。

 マイケルさんに一匹だけ頼むのは気が引けるから……他のアテは誰がいる?

 ビーゼルか?

 貴族なら猫を飼ってそうなイメージ。

 文官娘衆に聞いてみるか。

「余程の好事家でなければ猫は飼いません」

「猫は屋敷を傷めますから、専用の建物が必要ですしね」

「犬の方が好まれます」

「港町ではこれでもかってぐらい居るのですから、わざわざ飼う人が少ないのではないかと……」

 ……

 つまり、ビーゼルに頼んでも無理と。

「いえ、なんとかして手に入れると思いますよ」

「多少は強引な手を使うかも」

 やめておこう。

 そこまでして欲しいワケじゃない。

 猫を飼っている貴族の知り合いに、メスの子猫でも譲ってもらえればと考えただけだ。

 うーむ。

 これは自分で野良猫を捕まえて来るのが早いかな。

 シャシャートの街の海側に行けば、猫は見かけた。

 そうだな。

 俺は決意をしつつ、コタツに戻った。

 猫はコタツの上から、コタツの中に戻っていた。

 良い位置だが、そこだと俺が足を伸ばせない。

 もう少し横に。

 抵抗しないように。

 俺に優しくした方がいいぞ。

 なにせ俺はお前のパートナーを捕まえてくるんだからな。



 後日。

 ルーとティアが帰って来た時、その腕の中には真っ白な猫がいた。

 普通の猫……ではない。

 額にキラリと光る宝石が埋め込まれている。

 誰かがやったイタズラとかではなく、生まれながら。

 宝石猫という魔獣らしい。

 その魔獣の中でも白は貴重で、神聖な魔猫として崇められる存在らしい。

 へー。

 でもって……メス。

 俺が捕まえて来なくても良くなったようだ。

 猫と仲良くして欲しい。



 冬の間、宝石猫から逃げる猫の姿が時々、見られた。

 宝石猫の方が積極的なのか。

 ……

 頑張れ。


 って、あれ?

 宝石猫、魔法を使ってないか?

 時々、信じられない動きをするのだが?

「宝石猫ですから」

「身体強化系が得意ですよ。
 あと、治癒魔法とか」

「へー」


 そんな宝石猫も、クロの子供達やザブトンの子供達には勝てないらしい。

 猫はクロの子供達やザブトンの子供達がいる場所にまで逃げ込む勝負になっているな。

 ……あー、今回は捕まったようだ。

 首を噛まれ、猫が引き摺られていく。

 猫の諦めたような目……

 ここは一つ、俺が助けを……宝石猫に睨まれた。

 ……

 人の恋愛話に口を出すのは良くないな。

 うん。



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