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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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ザブトン



 クモは鳴かないらしいが、異世界でもそうらしい。

 ただ、異世界のクモは道具で音を発する事をするようだ。

 カーン、カーン。

 木で木を叩く音で俺が音の鳴った方角に振り返る。

 すると、今度は速いリズムで三回鳴らされる。

 南か。

 ザブトンは元寝床の大きな木に住んでいる。

 そこは俺が周囲を耕した為にもっとも高い場所になっている。

 畑で育てている果実系の木の倍以上の大きさがある。

 そこからは、周囲が良く見えるのだろう。

 異変があった際は、木を鳴らして俺に知らせてくれる。

 しかも、方向もセットで。

 一度、口頭で北が一回、東が二回、南が三回、西が四回と教えたら、しっかりと覚えてくれた。

 優秀だ。

 ちなみに、南西とかの場合は、三回を打った後に四回を打つ。

 俺はザブトンの指示する方向に進むと、クロニが獣をこちらに向かって追い込んでいた。

 初めて見る大きいヤツだ。

 ……なんだろ。

 太いイタチ?
 前に見たヤツとは違うな。

 タヌキ?

 タヌキってあんな凶暴そうな前爪を持っていたっけ?

 なんにせよクロニに追い立てられ、敵意満載。

 俺に前爪を振り被る。

 やられるワケにはいかないので、素早く【万能農具】のクワを構える。

【万能農具】を持つと、とても冷静になれる。

 身体能力も上がっている気がする。

 前爪を軽く避けられた。

 そして、相手の首にクワを入れ、耕す。

 クロニがお見事と吠えてくれた後、追い込んだ事を褒めろと頭を持って来たので撫でてやった。


 猪ほどではないが、良い感じで肉が確保できたか。

【万能農具】で引っ掛けて寝床にまで持って行くと、ザブトンが降りて来て解体を手伝ってくれる。

 ザブトンの糸で木に吊るしてくれるので、血抜きと内臓処理、そして毛皮を剥ぐ作業がかなり楽だ。

 ザブトンは俺よりも手際良く毛皮を剥ぐと、その毛皮を持ってスルスルと木の上に戻っていく。

 今、木の上には大量の毛皮がある事だろう。


 しかし、本格的に寒くなってきた。

 ザブトンに新しい服を作ってもらわなければ、かなり危なかったかもしれない。

 それとザブトンに頼んで作ってもらった大きな袋。

 中にベッド用の草を詰め込んで、俺の布団になった。

 もう一つ用意して掛け布団にして、夜もヌクヌクだ。



 畑に植えた日持ちするだろうジャガイモ、サツマイモ、ダイコン、ニンジンが収穫しようと考えた頃、雪がチラついた。

 思った以上に冷える場所なのだろうか?

 俺は慌てて収穫を終わらせる。

 収穫物を地下室に収納した後、果実系の木に防寒対策は必要だろうかと考えたが……対策がわからない。

 今回は放置。

 すまぬ。


 クロ達も、冬が来た事を理解したのか、森にはあまり行かず、犬小屋になっている初期の倉に篭るようになった。

 ちなみに、犬小屋の中も防寒対策を色々と施している。

 流石に火は使えないが、ザブトンが作ってくれた布を活用して風を防ぐようにしている。

 クロ達が固まって寝ている姿は、なかなか可愛らしくてほっこりする。


 これでそれなりに冬支度が出来ただろう思う。

 とりあえず、冬の間は寝床に篭って木や石を削っての小物作りに励もうと思う。

 現状、水漏れしないマスがまだ作れていない。

 マスって木だけでは出来ないのか?

 ひょっとして接着剤みたいな物が必要なのだろうか?

 もう少し、考えてみたい。

 あと、収穫した小麦やトウモロコシを粉にする事を考え、すり鉢や石臼を作ってみようと考えている。

 まあ、他にも欲しい物はあるので冬の間が暇という事は無いだろう。


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