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異世界のんびり農家 作者:内藤騎之介
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温泉?



 休憩を挟みつつ、温泉に向かって道を作り、三日目。

 到着。

 途中の食事は、ブラッディバイパーとグラップラーベア。

 蛇は美味いけど、熊はイマイチなんだよな。

 クロ達は喜んでいるけど。

 味はともかく、量には困らない。

 ちなみに、料理は俺とキアービットが頑張った。

「色々な調味料があるから、下手でもそれなりの味になるだけよ」

 そうキアービットは言うが、明らかに下手ではない。

 それなりの料理の腕を持っている。

 鬼人族メイド達がいれば対抗心を燃やしたかもしれない。

 なんにせよ、俺一人で料理をする事にならず助かった。



 そして到着した場所は、山の麓を二十メートルほど登ったところ。

 そこは緑が姿を消し、岩場になっていた。

 かなり暑い。

「空気に少し匂いがありますが、毒素はありません」

 ティア達が周囲を調べてくれる。

 以前の調査隊が無事だったので特に空気の心配はしていなかったが、考えてみれば温泉ではなく有毒なガスが発生している可能性もあった。

 危ない危ない。

 うっかりで住民を危険にさらすところだった。

 反省。

「ハイエルフやインフェルノウルフはその辺りの空気に敏感ですから、大丈夫ですよ」

 自然と適任者を選んでいますとのティアの慰めを受け入れつつ、温泉のある場所を確認。

 それは岩場に出来た小さな池だった。

 湯量はありそうだが、ゴボゴボと音を立てつつ、湯気を撒き散らしている。

「手を入れるのは危ない温度のようですね」

「みたいだが……
 空気にさらされてて、ここまで熱いままなのか?」

 近くにマグマがあったりしないか?

 つまり、危険じゃないか?

「この辺りの岩の性質が影響しているのではないでしょうか?」

「岩の性質?」

「はい。
 この辺りの岩は、熱を蓄えるようですから」

 よくわからない。

 なので体験させてもらった。

 片手で持てるサイズの岩を用意。

 持ってみる。

 感想、普通の岩。

 その岩をティアが魔法で焼く。

 黒くなって終わりだろうと思ったが、変化無し。

「持ってみてください」

 焼いた岩を持てとか、拷問かな?

「大丈夫ですから」

 そういわれ、恐る恐る持ってみる。

 熱くない。

 おお、熱くないぞ。

「しかし、そのまま持っていると……」

 ん?

 温かくなってきたな。

「どういう事だ?」

「この岩は熱を保持し続けるのです。
 百の熱をもらうと一の熱を百まで出し続ける感じになります」

「なるほど」

「岩同士がくっついていたら熱を互いにやり取りして保持し続けますから、地中で温められた熱が今もあるのかもしれません」

 その熱が地下水に与えられ、温泉になったと。

 この場合、温泉か?

 ただの温かい地下水なのではないか?

 温泉の定義ってなんだっけ?

 ……

 細かい事は考えてもわからない。

 ともかくだ……周辺調査。

 目の前の熱い池は、数箇所から水を溢れさせているが、川になるほどではなく少しすると岩の隙間に潜り込んで行方不明になる。

 岩の下の土に染み込んでいるのかもしれない。

 俺はティア、グランマリア、キアービットに、近くにある川を探してもらう。

 その川が熱ければ、それで良い。

 川が冷たければ、この熱い池から水路を伸ばし、川との合流地点に湯船を作る。




「西に少しいった所に川があります」

 グランマリアが川を発見し、戻って来た。

「冷たいか?」

「はい。
 冷たくて飲めます」

「冷たいって事は、その辺りの岩は……この辺りの岩とは違うって事か」

「そのようですね」

「ここの岩って、有名なのか?」

「ここではありませんが、別の場所で採掘される同じ性質の石が、保温石として広く使われています」

「保温石?」

「はい。
 火を使わないので安全に暖を取れますから。
 巨人族達も冬場の暖として利用していると思います」

「ああ、なるほど。
 ダンジョン内で火を起こさずに温められるからな」

「はい」

 そうか。

 この岩を利用すれば、温室とか作れるかな?

 考えてみれば、色々と便利かもしれないな。

 料理とかにも使えそうだ。

 脱線。

 ティアとキアービットも川を見つけて戻って来たが、グランマリアが見つけた川が一番近いと判断。

 後は簡単。

【万能農具】の出番である。

 まず、川の方を先に整備しよう。

 うん、普通の川。

 山のある北から南へと流れている。

「この川って、村の傍の川と関係あるか?」

「いえ、別の川です。
 もう少し南に行ったところで西に向かいますので」

 よし。


 川のすぐ傍に、湯船になる場所を作る。

 広い方が良いな。

 25メートルプールぐらいの場所を確保すべく、木を伐採。

 そして掘る。

 掘る。

 あっと言う間に浅いプールが出来た。

 ミノタウロスやケンタウロス、巨人族達が入るかもしれない。

 中央は少し深くしておこう。

 排水用の水路の位置を決め、排水用のプール。

 そして川へ接続。

 次は湯船の北側に温度調整用のプールを作る。

 ここで川の水と熱い池のお湯を合流させ、適温にする。

 ノってきた。

 伐採した木を加工して壁を作り、湯船を半分に区切る。

 男湯と女湯だ。

 脱衣所も作るが……屋根は後回し。

 床と壁だけ。

 形になった。

 よし、後は熱い池からの水路。

 クロ達に先導してもらいながら熱い池に向かって水路を掘っていく。

 うん、楽しい。



 完成。

 熱い池に到着してから三日ぐらい掛かったかな。

 温泉に入るには、もう少しお湯が溜まってから。

 その間に、お風呂道具の桶などを作っておく。

 ……

 保温石だっけ?

 あの岩を使えば、サウナができるかな?

 やってみよう。

 最近はハイエルフ達に建設関連を任せていたから腕が鈍っているかと思ったが、なんとかなるものだ。

 四畳半ぐらいのサウナ小屋が完成したぐらいで、湯船にお湯が程よく溜まっていた。

「よし、入浴だ!」

 温泉調査隊は、露天温泉? を楽しんだ。







 獣人族のガルフとリザードマンのダガ

「ダガさん。
 村長って無茶苦茶だな」

「そうか?
 大体、いつもこんな感じだぞ」

「普通、短期間でこんな施設が出来たりしない」

「さすがに村長一人では厳しいだろう。
 だが、俺やお前が手伝う事で成せたのだ。
 誇ろう」

「俺達が手伝ったのって、荷運びと小屋作りの支えぐらいだろ。
 死の森の岩のような木をああも簡単に伐採するわ加工するわ……
 村が出来た事に納得だ」

「うむ。
 ああ、お前も飲むだろう?」

「良いのか?」

「少量ならばと村長の許可をもらっている」

「話のわかる村長で、羨ましい」

「ははは。
 移住希望なら村長に伝えておくぞ」

「そうしたいけど、立場があるからなぁ。
 まあ、考えておくよ。
 ……ツマミもあるのか」

「村長の手作りだ」

「くっ……心が揺れる」





 天使族のキアービットとグランマリア

「あ、熱い……」

「あら。
 キアービット。
 もうギブアップですか?」

「な、なんの、まだまだ……」

「では、水を追加で……」

「駄目駄目駄目。
 それは駄目」

「温風にします?」

「それも駄目ぇ、どうしてそんなに我慢強いのよ」

「ふふふ。
 それはこのサウナが美容に良いと聞いたからです」

「……マジで?」

「マジです」

「…………もう少し、頑張ってみるわ」

「ええ」





 クロの子供達(狼語)

「やべぇ。
 あの湯、やべえ。
 超気持ち良い」

「マジか?」

「風呂嫌いのお前がそこまで言うとは……」

「順番、早く回ってこないかなぁ」

「おい、気を抜くなよ。
 周辺警戒。
 ブラッディバイパーやグラップラーベアが出てもおかしくないんだからな」

「わかってるよ。
 だが、村長ボスが作業している間にかなり退治しただろ?」

「俺達じゃなく、天使の姉さん達がな」

「天使の姉さん達、容赦なかったからなぁ」

「一人だとそれほどじゃないのに三人いると凄いんだよな」

「連携が上手いってヤツだろ。
 俺達も頑張らないと」

「まあな。
 とりあえず、今は警報としての役目をしっかりとだ」

「おう」





 俺とティア

「良いお湯だった。
 やっとのんびりできた気がする」

「ですね」

「ティアと外でこうやって二人っきりなのは初めてか?」

「お部屋以外では……そうですね」

「今度はティゼルも連れて来よう」

「はい」



 温泉調査隊は温泉? を堪能した。


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