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第二回武闘会 騎士の部ダイジェスト



 武闘会の騎士の部が始まるまで、ハーピー族によるラインダンスとニュニュダフネたちによる不思議な踊り、エルフたちによる楽器演奏が行われた。


 ハーピー族は武闘会に参加しないので、こういったことで盛り上げられたらと狙っていたらしい。


 ニュニュダフネやエルフたちも同じ。


 発表の場は常に狙っていますとのことだそうだ。


 場繋ぎだったが、かなり盛り上がった。


 そして、騎士の部に出る者たちも気分を切り替えられたようだ。




 騎士の部に参加する者は、今回は十六名。


 前回参加者で今回の不参加者は、妊娠中のリアとアン。


 残りは全員参加。


 なので吸血鬼のルー、天使族のティア、グランマリア、クーデル、コローネ、リザードマンのダガ、悪魔族のブルガ、スティファノ、インフェルノウルフのウノ、ザブトンの子供のマクラ、ラミア族のジュネア、スーネア。


 そこに追加されたのが山エルフのヤー、インフェルノウルフのマサユキ、コキュートスウルフのフブキ、そして天使族のキアービット。


 キアービットは、武闘会に興味はあるけど参加できそうにない的なことを言ってたのに参加となった。


 話を聞いた始祖さんが転移魔法で連れてきたのだ。


 他の参加者たちを見て、困った顔をしているように見えるが大丈夫だろうか?


 ……ティアの煽りに、ガッツリ乗って優勝宣言した。


 凄いなぁ。


 キアービットは一回戦で前回優勝者のマクラと当たり、敗北した。


 やはり種族相性はあるようだ。


「なにもできなかったぁ……」


 泣いてるキアービットをグランマリアが慰めていた。




 さて騎士の部はサクサクと進行し、あっという間に一回戦が終わった。


 サクサクと進行したが、各試合は濃厚だった。


 勝敗が出るのは仕方が無いが、みんな頑張った。



 勝ち残っているのが、前回優勝者のマクラ、コキュートスウルフのフブキ、吸血鬼のルー、天使族のティア、インフェルノウルフのウノ、悪魔族のブルガ、ラミア族のジュネア、スーネア。


 フブキはヤーに勝利し、ルーはグランマリアに勝利。


 ティアはコローネに、ウノはマサユキに勝利。


 ブルガはスティファノに、ジュネアはクーデルに、スーネアはダガに勝利した。



 周囲を驚かせたのはラミア族の二人。


 彼女たちは下半身の蛇部分を上手く使った戦い方をしていたが、それをさらに磨いてきた。


 対人戦を想定してきたという感じだろうか。


 下半身の蛇部分でトグロを巻き、それを土台に上半身を高い位置にキープ。


 戦闘を有利に運んでの勝利。


 その凄さを俺に延々と語ってくれたのが、見学席のリアとアン。


 妊娠中なので興奮し過ぎないように注意してほしい。



 少しのインターバルの後、二回戦が開始された。


 ここで運が悪かったのがラミア族。


 ジュネアとスーネアの対戦となり、潰し合うことになってしまった。


 勝者はジュネア。


 さすがはラミア族の長というべきだろう。


 ただ、双方かなり負傷し、フローラの治癒魔法のお世話になっていた。



 そしてその他の戦いも凄かった。


 前回優勝者のマクラと、コキュートスウルフのフブキの対戦は、俺の目にはどちらが勝利してもおかしくなかった。


 結果的に勝者はマクラ。


 ただ、勝利はしたがマクラは片側の足を犠牲にしなければならなかった。


 その犠牲に俺はビビッたが、放置しておけばまた生えるらしい。


 ただ、次の試合があるのでマクラはドース、ライメイレンの手による再生魔法による治療を受けた。


 フブキの方は、負けはしたけど治癒魔法は不要らしかった。



 残りの二戦は吸血鬼のルーと天使族のティア。


 インフェルノウルフのウノと悪魔族のブルガ。


 前回大会と同じ対戦カードだ。


 そして勝利結果は共に逆になった。


 ルーは、前回大会の後で俺とした会話がヒントになったのか、吸血鬼らしい戦いをしてティアを翻弄、勝利した。


「ルーさんだけズルいです。

 私にも何か戦い方のヒントを……」



 ウノは、ブルガの分身攻撃をあえて受けてからの反撃、勝利。


 模範試合のザブトンとライメイレンの戦いを参考にしたのだろうか?


 参考にしたからといって、そう簡単にできるものではないらしく、ウノはブルガの攻撃を何度も受けてボロボロだ。


 ただ、なんとか一回、ブルガの隙をついて捕らえることができ、勝利となった。


「私、捕まってしまうとやれることが極端に減っちゃうんですよね」




 準決勝。


 第一試合はマクラとルー。


 マクラの足は完全に揃っていた。


 再生魔法、凄い。


 そしてその足を使っての高速移動をするマクラ。


 トリッキーな動きで翻弄するルー。


 勝利はマクラの手に転がり込んだ。


 マクラの勝因というか、ルーの敗因だろう。


 ルーは見せ技で観客を沸かせたが、その間にマクラが糸による罠の設置を完成させていた。


「うう、悔しい」


 ルーが悔しいのは、マクラの罠の発動が、ルーの見せ技による観客の沸きよりもウケたことだろう。




 第二試合はウノとジュネア。


 どうなるかと思ったが、これは終始ウノが圧倒して終わった。


 ジュネアの腰が引けていた気がするが、ひょっとして過去にクロの子供たちが彼女たちのダンジョンを攻撃した時のトラウマでも掘り起こしてしまったのだろうか。


 そうなら申し訳ない。




 決勝。


 前回優勝者マクラとインフェルノウルフのウノ。


 下馬評というか会場の空気ではマクラの方が優勢に思われたが、ウノのパートナーであるクロサンを筆頭に、クロの子供たちが会場外周部で集団遠吠え。


 一気に空気が揺り戻された。


 どっちが勝つかわからない。


 模範試合で負傷したザブトンも見守っていた。



 試合は激闘という名が相応しかった。


 距離を取ったと思えば急速に近づき、近づいたと思えば離れた。


 その間、何度も繰り出される互いの攻撃。


 決勝まで隠していたのか、マクラ、ウノ共に遠距離攻撃があった。


 マクラは丸めた糸を飛ばす。


 目的はぶつけたダメージではなく、ぶつかった後で相手に糸が絡みつき、動きを鈍くすること。


 ウノは大きく広げた口から、火の玉……いや、炎の球を飛ばした。


 遠距離攻撃の威力はウノの方が上だろう。


 ただ、連射能力ではマクラが勝っていた。


 ウノの炎の球が一つ当たり、かなりのダメージを与えたが、それまでにウノはマクラの丸めた糸を無数に喰らい、動きを完全に止められてしまった。


 そこに襲い掛かるマクラ。


 このままマクラの勝ちかと思ったが、早計だった。


 ウノの頭部の角が青く光ったと思ったら、その角で糸を切り刻んで自由を取り戻し、襲い掛かってきたマクラを迎撃した。


 ウノの一撃で、マクラが大きく体勢を崩しながら宙に飛ばされる。


 それをチャンスと見たのだろう。


 ウノは大きく一吠え。


 身体のサイズを一気に倍にした。


 え?


 そんなことできたの?


 口から炎の球も驚いたけど?


 会場がどよめいたから、驚いたのは俺だけじゃなかったようだ。


 そして、ウノの追撃。


 マクラはダウンし、敗北。


 勝者はウノとなった。


 会場外周部にいるクロの子供たちの歓喜の遠吠えが凄い。


 ウノのパートナーのクロサンが一番喜んでいるようだ。



 うん、マクラは残念だったが、俺は素直にウノの勝利を喜ぶ。


 さあ、表彰式だと思ったのだが……


 ここでトラブル発生。


 決勝戦を観ていたリアとアンが産気づいた。


 俺、パニック。



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