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プラティズ レコード  作者: 荒屋敷ハコ
第2章 ~セレン~
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2-13

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 真夜中、やたら騒がしい物音で目覚めた。

「何か、あったの?」

 ララが手早く着替えているのを見て、あたしは訊いた。

「近くでモンスターが出たそうよ」

 ララは手を止めることなく、答えてくれた。

「大丈夫なの?」

「ここは大丈夫だと思うけど、討伐に行ってくるわね」

 ララは自分の剣をとった。

「あたしも行く」

 ちょっとだけ怖いけど、好奇心には勝てない。

 あたしはベッドから飛び起きた。

「何を言ってるのよ。セレンが行ったところで何になるというの。ここは安全だから、待っててちょうだい」

「あたしだって、剣の練習はしてるし……」

 そうなのだ。

 踊り手は『剣の舞』という踊りを習得する。

 『剣の舞』は何通りもの踊りの型があって、それを組み合わせることで攻撃と防御ができてしまうものなのだ。

「……足手まといには、ならないでよね」

 ララは渋々承知してくれた。

「ありがとう」

「何があっても自己責任だからね」

 ララは目線を逸らした。

 早速あたしは支度をすると、ララと共に部屋を後にした。

 外は逃げまどう人達によって混乱に陥っていた。自警団らしき人が落ち着くように呼びかけてはいるが、誰も聞いていなかった。

 あたし達はそういった人達に逆らうようにしながら、現場へと向かった。

「珍しいわよね。サピドゥルの街はモンスターが近寄れないように、結界を張っているって聞いていたのに」

 ララが疑問を口にした。

「誰も気付かないような、ほころびがあったんじゃないの?」

「かもね。あるいは……」

 ララが言葉を切った。

 あたしはララの顔を見た。

「誰かが手引きをして、この街を襲わせたとかね」

 ララは声をひそめた。

「そんなこと、ないんじゃないの。この街に一体誰が恨みを持っているというの。まぁ、あたしだってこの街の裏事情なんて知らないけどね」

 あたしは笑い飛ばした。

「それも、そうよね」

 ララは少しだけ笑顔を見せた。

「来たか、ララ」

 エフェルは中型犬ほどの大きさのアリと闘いながら、ララをちらりと見た。

「ごめんね、遅くなったわ」

 ララは新しくやってきたアリに剣を向けた。

「こいつは固いぜ。つなぎ目を狙いな」

 サイラスさんのアドバイスが飛んできた。

「分かりました。ありがとうございます」

 ララが礼を言った。

「それで、どうしてセレンも来るんだよ」

 ルーチェが1匹のアリを相手しながら、冷たい声で言った。

「あたしだって力になりたいよ。戦えるって」

 あたしは自分の剣を抜いた。

 『剣の舞』なんて、かなり久しぶりなんですけどね。

「ちなみにそのアリに噛まれたら、かなり痛いからね。毒は持ってないから多少噛まれても大丈夫だけど」

 と、ミロンドさん。

 既に彼の周りには、アリの死骸が山積みになっていた。

 ううっ。

 それを見たあたしは身震いした。単なる好奇心で来ないほうが良かったかも。

「いい構えよ、セレンちゃん。次はどの組み合わせでいくか、よく考えてね」

 サーシャさんが励ましてくれた。

「はい!」

 そのアドバイス通り組み合わせを考えて体を動かしたら、攻撃がつなぎ目にヒットした。

 なんとかなるかも。

 あたしは次のステップを刻み始めた。



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