明日へ
私は知っている
今という時代を
ここから未来へ続くのだということを
空を描いて 雲を放ち
地平を引いて 境界を眺む
訪れた夜に星を置き 月を浮かべて影を知る
開いた天上に海はなく、一線に走った闇夜のみ
明けた宙から光は消え、彼方の灯がまた昇る
それは硝子の砂時計
星の一つが粒となり、風の一筋が先を決め
不変の道を繰り返したどる
留まることはなく 永遠という場所を廻る
そのうちの一秒、一瞬にしか満たない場所に
私は今、立っている
全てを知ろうと 紡がれた知識の一部を受け継ぎ
次の一瞬へと送るために
いつか私は消えてしまうが
私の歩いた跡は いつまでも残るだろう
私は知っている
やがて創られる、今は未完の道である一つの足跡は
私が残せるものなのだと
似た道はあれど 残された跡は唯一と呼べるものだと
時はいかなるときも止まらず
途切れることもなく
永久を流れる
もしも私が終になれたなら
ここを歩んでいた 永劫の答えもわかるのだろうか
人が望んで止まない
その正体もわかるのだろうか
——ああ、けれど無理なのだろう
未来の終わりなんて見れないのだろう
私の目前にいる彼らの背中が
既に先へと向かっているのだから