魔法第十五波 ルシファー
私は思い出していた・・時の王サタンに狙われたときのことを・・
「リニカ!」
「あ・・あぁぁ・・ぐぅぅ・・あぁぁぁ・ああああ」
「バレー!それ以上近づくな!危険だ!」
「くそ!どういう事だ!なぜサタンがリニカに取り付くなど・・」
「あははは!単純さぁ・・私はこいつの力が気に入っただけさぁ・・」
「力・・だと?」
「おやおやぁ?・・どうやらお前らはこいつの持っている隠された力を知らないわけかぁ・・クククク・・」
「リニカに・・隠された力・・?そんなものが・・」
「そうさぁ・・こいつぁ・・世界を・・この宇宙を破壊するほどの力・・
破壊神・・シヴァ神に匹敵する力を持っているのだ・・・」
「シヴァ神だと・・?」
「シヴァ?どういう事だ!」
「こいつの母親・・シャーナは・・シヴァの孫だ・・シャーナは少なくとも
シヴァの力を受け継いだようだぁ・・・その力をリニカが受け継いだんだ
だが!その力はどういうわけか・・シヴァを超えるほどだ・・」
「シヴァを・・超える・・だと?」
「サタン!お前はそのちからを得てどうするつもりだ!」
「ふふふふ・・・それは・・新しい世界・・私達悪魔だけが住む世界を作るのさぁ・・」
「何・・だと?
「私の力じゃゲヘナとここをつなぐ穴を開けることはできるが・・その穴を永遠に維持することは・・とても難しい、そこでシヴァ神の力を持ったリニカの体を貰おうというわけだ」
「ぐあぁぁぁ・・うぐぅ・・うあぁぁ・・あがぁぁぁ・・・」
「くそ!どうする!サタンを引き剥がすためには・・」
「リニカの心しだいだな・・」
「なんで・・私は欲しくてあんな力を持っているわけじゃない・・
お母さんからは聞いていた・・破壊の神・・シヴァ神を超える力を持っていることを・・・でも・・私はもう・・・誰も・・・誰も傷つけたくない・・もう・・あんな思い・・・二度とごめんだ・・私があんな剣なんか見つけ無ければ・・・お母さんは・・死ななかった・・それに加えてシヴァ神を超えるほどの力だなんて・・私は・・嫌だ・・もう・・あんなことは二度と起こって欲しくない・・」
私は心の中で叫んでいた・・サタンなんかにこの力を使われたら・・また・・あんなことが起こってしまう・・私の大切な人たちが・・死んでしまう・・
そんなのは・・嫌だ!
「あぐ・・私は・・はぁはぁ・・もう・・嫌だ・・」
「あん?嫌だ?」
「リニカ!」
「リニカ!お前・・」
「あぁぁ・・もう・二度と・・あんな思い・・はぁはぁ・・したく・・・ない
もう・・ぐうぅぅぅ・・ぅぅぅ・・誰かを・・傷つける・・だなんて・・
嫌だ!」
「ふはははは!あはははは!お前はぁ・・馬鹿なのか?あ?お前が居なくなれば
誰も傷つかないんだよぉ・・お前のその狂気でな・・」
「違う!はぁはぁ・・お前は・・私の力を・・使って・・この世界を乗っ取るきだ!うぁ・・そんなこと私が死んでも死ななくとも同じこと!それに・・私が皆を・・守らなきゃ・・・はぁ・・はぁ・・・誰が守るのよ!」
「リニカ・・・」
「戻ってこい!リニカ!」
「ふははは!いつまでそうやって思っていられ・・あ?
何だ・・まさ・・か・・そんな・・やめろ・・やめろ・・やめろおおおおおおおおおおおお!」
私はサタンを引き剥がした・・・
「・・・て・・起き・・・」
「ん?」
「起きて!起きてリニカ!」
「んんーふわぁぁーどうしたの?さやかぁ・・・まだ夜明け前だよぉ・・?」
「外!外見て!」
「んー外?」
体育館を出て渡り廊下に出る・・すると
「っ!あ・・あれは・・このどす黒い空は・・いったい・・」
「見て!あそこ!あそこだけ明るいの!」
さやかは南の方を指差した
「何であそこだけ明るく・・まるで・・昼間・・・もしかして!」
「どうしたの?」
「見て!あそこに黒いものが見えるでしょ?あれは悪魔の子供なの」
「あれが・・?ってあれ?動いて・・無い・・?」
「うん・・・あそこだけ時間が止まってるの・・」
「時間が!」
「きっとあれは時の王サマエルの仕業ね・・」
「サマ・・エル・・?」
「サマエルはゲヘナの第二権力者、時間と空間をつかさどる神、悪魔の王族の一人」
「ゲヘナ?」
「サクッ!っといっちゃうと魔界みたいなもんかな」
「へー・・ってあれ?」
「ん?どうした?」
「何か・・あそこに黒い人影が・・・」
「え・・っ!あれは!サタン!」
「サタン!あれが!」
「さやか!急いで体育館の中に入って!ばれたらおしまいだ!」
「うん!」
体育館に向かって走るが・・そこには!
「あら、どうもこんにちはー」
「っ!お前は!ルシファー!」
「まぁまぁ、そんな怖い顔しないで」
「さやか!早く!行って!」
「でも・・」
「いいから!私は大丈夫だから早く!」
「うん!」
「おっとぉそうはさせないよ~?」
さやかの行く手をルシファーが阻んだ
ドス!
「あッ・・・」
ドサ!・・
「さやか!」
ルシファーはさやかを気絶させた。