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神様の棄児  作者: ryo-KK
1章 捨て子
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王立図書館

冒険者ギルドを出て、朝も行った商人ギルドへと向かう 商人ギルドの中も、基本的なつくりは冒険者ギルドと同じつくりだ。掲示板には、品物の相場とかオークションの出品品目 落札品の価格等が張り出されている。


カウンターに向かい王都への転移を頼む、奥の会議室へと案内された。

 

そこには、エルフの女性が居た。エルフの女性に係りの人が移送の話をして、ユークに向き直り 移送費として1000Gかかると教えてくれたので、銀貨1枚手渡した。係りの人は、受付の方に戻り王都へ行く人の募集をかけていたが誰も来なかったので、こちらを向き頷いた。それにエルフの女性も頷き返し部屋の扉を閉める 


「近くにきて」

とエルフの女性に言われ近くによると、ワープと口ずさんだ途端に同じ様な部屋に出た。どうやら王都の商人ギルドの会議室に出たらしい


お礼を良い一度表に出て行く


商人ギルドから外に出て見ると、眼を奪われる人の多さ 確かにパーン商都に着いたときも同じように、凄さに尻込みしていたのだが王都のそれは、パーンの比ではなかった。


道も倍以上の幅があるし、すべての建物が大きいのだ。後ろの商人ギルドもパーンのギルドの3倍はあるであろう

人が多いのに露天は出ていない。 後で聞いた話では、王都では店舗は認められてるが露天は、月に一度の市が立つ日しか認められていないそうだ。何時 王宮の騎士が通るか解らないのに道を塞ぐのは、だめだと決められているらしい


取りあえず商人ギルドに戻り 冒険者ギルドの位置と図書館の位置 それとサカスの森で助けた王都の商人ジルの店の場所を聞いた。


まずは目的の図書館へ向かう 時間が無いので、利用規約の説明を聞くだけだ。利用は1日500Gで、半銀貨5枚だその他に、本の破損とかした場合の保証金として、1万G金貨1枚が必要だそうで、これは何事も無ければ帰りに返してもらえる。 入館証を貰うと1日は出入り自由で、中で見る書籍類は、係りの人に内容を告げ出して貰うとの事で、勝手に触ることが出来ないらしい 盗難防止もかねているのだろう。


一通りの説明のあと、冒険者ギルドにも寄って見たが、こちらもかなり大きい建物であった。          時間も夕暮れに近づいてきたので、人影の無い路地に入りワープと念じ、パーンの冒険者ギルドに戻った。


宿屋に帰り夕食を済ませ風呂に入り早めに休んだ


翌朝、朝食を食べ終えて出て行こうとしたユークを見てリーンが声をかけてきた。


「今日はお休みかい」


「はい 王都の図書館に行こうと思いまして」


そう答えると ついでに頼まれて欲しいと荷物を渡された。


「王都の商人ギルドに 渡してくれたら良いから」


報酬の500Gを渡されたが、どの道、商人ギルドに出るのだからと報酬は辞退した。その代わり夕食におまけを付けてくれるって事で納得してもらった。


宿屋の裏庭から 王都の商人ギルドにワープした。何人か人も居たのだが、気にした様子も無く知らんぷりだったので、ユークも気にせず部屋を出て行った。


受付に、リーンからの荷物を渡すと、変わりに受け取り証と書かれた札を渡されたので、ポーチにしまって図書館に向かった。


入り口で利用料の500g、半銀貨5枚と保証金1万Gの金貨1枚を渡し入館証をもらって中に入った


中はかなり広く、テーブルの席と個室席が大半を占めていた。 カウンターの中には史書らしき人が数十人働いていたので、適当な人の前に進み 用件を告げる。 


「あの 初めてなんですけど、ここで頼めばいいんですか?」


「はい どんな内容の本か言って貰えればこちらで用意して持ってきますので、その中から必要なものを各席まで持っていって読んで下さい」


「貸し出しの際に入館証の提示をお願いします。 返却の時もおねがいします。」


説明を受け 特殊スキルとレア魔法の事が書かれている資料をお願いした。 番号札を受け取り 椅子に座って待つこと10分 番号が呼ばれた。


「こちらが関連書籍になります」


20冊ほど用意された本をざっと流し読む 攻撃魔法 移動系魔法 レアスキル 云々と書かれた3冊を借りることにして入館証を見せる


書籍と入館証の番号を控え 本を渡された。


受け取った本を持って、空いていた個室席に陣取り読書を開始した。


調べたい内容は神がかりとワープ その他の魔法全般だ。 


解りやすそうな系統魔法から調べる


系統魔法は、全部で6種ありファイアなどの単体攻撃魔法と、ストームなる範囲攻撃魔法があるしい


(ストームはまだ無いから、今後おぼえられるのかな)


と考えていた時に、ふと昨日スキルの確認をしていなかったことを思い出した。もしかして、と思い確認して見る


(ステータス)


ユーク 15歳


ランク D (白)


人族


パーティー なし


奴隷 なし


体力 770


魔力 550


所持魔法


生活魔法 4


魔法


ファイア 

ファイアストーム

ウォーター 

ウォーターストーム

アース

アースストーム

サンダー

サンダーレイジ

フリーズ

フリーズストーム

ウインド

ウィンドストーム


特殊スキル


探索

神がかり  


(あっ 増えてる)


特殊スキル自体に変化は無いのだが、所持魔法にストーム系が増えていた。 


確認したことにより、調べることにもがぜんやる気がでてきた。


調べた範囲だと魔法の種類や名前に違いは無かったのだが、消費MPが若干違っていた。通常ならファイアでMP10消費なのだがユークはMP5で発動してる。


(省エネ?)


などとあほな考えをしていた


ストーム系はまだ使用したことはないのだが 知識は必要だ

ストーム系魔法は、魔物全体を捕らえるので消費MPもかなり消費するが、威力は単発の魔法が個別に当たると考えていいらしい MPは20X匹数分で、5匹魔物がいるなら20X5で100消費されるらしい


(今の魔力が550だから5回しか使えないのか)


実験は後日と考えワープについて調べる


本によると、確かに珍しいスキルらしく1000人に1人位の確立で所持している人が居るらしい 冒険者には、他にもダンジョンウォークと呼ばれるダンジョン内でのみで使用可能な移動系魔法があるとの事


移動範囲がダンジョン内に限られる分MPも10と少なく 人数もパーティー同士なら10のまま移動出来るそうだ

それにダンジョンウォークは冒険者なら大抵持っているスキルらしい


ワープとダンジョンウォーク両方を持つ事も無いらしい 魔法どうしが反発し合ってるからどちらかしか所持できないらしく 冒険者で、ダンジョンウォークを所持してない人は、ワープの可能性が高まると書いてあった。


ワープのMPは15が基本で、距離と人数によって増加するらしい


(人数はわからないけど 距離関係なかったような・・・?)


ユークも一昨日サラスの森と商都近くの川辺にワープしたのだが どちらも同じくMP20消費と同じだったのだ。

MPも15ではなく20と違いがあるのだが


(こっちは割増? わけわからん・・・)


頭の隅に記憶して、一番気になっていた<神がかり>について調べてみたのだが魔法書や特殊スキル書をいくら探しても 何処にも載ってない


もう一度受け付けに行き本を返却して、直接神がかりと言うスキルについて知りたいと史書官に告げるが 史書官もそんなのは聞いたことが無いと言う


諦めるかと思っていたとき 少し離れた所にある机で書類整理していた史書がこちらにやってきた


「ラクト史書長殿!」


ラクト史書長と言われた60代くらいの人族の男が話しに割り込んできた


「突然すいません 私 ラクトと言います ここで史書長兼古代魔法の研究をしております」


 だから何と思いつつ どうも と挨拶をした。


「いえ あなた様が先ほど仰られていたスキルに聞き覚えがあったので、でしゃばってしまいました」


ここは、私が と言うと史書は他の人の所に行ってしまった


「失礼ですが その言葉をどこでお知りになりましたか?」


何やらやばそうな雰囲気に、自分が持ってるスキルだと言えなくなり 咄嗟に母の父が元冒険者で、一度その神がかりなるスキルを持ってた人と組んだことが有り 母も聞いたことの無いスキルだった為 ずっと探してたがみつけられなかったので、ユークに もし解るのならどんな能力か調べて欲しいと言われた。とかなんとか嘘を並べた


ラクトは、疑心も有るだろうが一先ずはそれでいいと納得して話を続けた


「そうですか しかし此処にはそのスキルに関する書籍は無いのですよ」


「そうですか」


がっかりしているユークにラクトはただ・・・と続ける


「私、個人の資料ならお見せしても構いませんがどうでしょう」


何も知らないよりは、良いとおもい おねがいした


「では、こちらに付いて来て下さいとカウンターを出て、カウンター脇にある通路に入っていった。言われるまま付いていくと少し大きな部屋に案内された。中はお世辞にも綺麗とは言えなくて、あちこち本が山済みになっていた


「ここは私の研究室です どこか適当におかけ下さい」


少しましな椅子に積まれていた本を片付けて腰かけた


「神がかりについて なにか御存知の情報はありませんか?」


突然の問いに解る範囲で答える


「え~っと 聞いた話なんですが 特殊スキルに神がかりと言うのがあると言うことと 神がかりと念じると 魔法らしきものが頭に浮かびその魔法を念じると念じた魔法の効果が現れると聞きました」


「あっ 後、魔法の種類にワープもあるらしいのですが消費MPが普通のワープと少し違うとかなんとか」


ラクトはしばし考えて、ふむ と声を出し話し出した


「私の調べたところによると 過去に神々と魔王軍との戦がこの世界で起こったとあります。 その時の神々が使った力が神がかりと呼ばれる力であったと解ってます」


そうなんだ とどこか遠くを見る感じで話を聞いていた 


「その戦の後、地上に残った神々の残滓が数人の冒険者に宿ったと聞いております。で、冒険者は神がかりで他の冒険者とは異質の魔法を使い残った魔物を殲滅したとされてます。世界が落ちついた頃には、誰一人として神がかりの力は使えなかったとなってました。 冒険者の子孫からも受け継いだ能力の鑑定をしましたが全く発見されておりません」


「そうなんですか」


「ええ ですからあなた様?」


「あっユークと言います」


名前を教えたのが良かったのか解らないがラクトはにっこり微笑んで頷き話を続ける


「ですからユーク様のお爺様が見たと言うのは、聞いたの間違いか もし本当に見たのなら神様に関係のある方 かのどちらかになると思われます。」


色んな新情報を聞いてユークは頭が追い付かなかった。神様関係って言われてもユーク自身人間だと思っているのだから納得も出来ない

頭をフル回転させても解らない事だらけなのだが、この場は冷静に情報だけ聞いて、帰ってから整理しようと切り替えた。


「その神がかりって言うスキルを持ってた人が使った魔法って、どんなのが有ったのかって解りますか?」


「たしかここらに」


そう言うと ラクトは、自身の机の上を探り出し一冊の薄いノートを取り出した


これが全てかは、解りませんがと前置きしてから


「使えた人数はわかりませんが 一人は火の全体魔法 もう一人は風の全体魔法を使ったと書かれてました どちらの魔法も常識の範囲外の威力で、町一つ位なら跡形も無く消せる威力があったとか」


「すごいですね」


「確かに文献ではこう残ってますが 確かな所は解りかねます」


「そうですね」


軽く納得して頷く


「後はさきほどユーク様が仰っていたワープみたいな移動系魔法ですが これは、既存のワープと違い距離や人数に制限が無い移動系魔法だったと書かれてました。 既存のワープ魔法ですと 最大がパーティー人数の6人が限界であるのに対し神がかりのワープは、町ごと移動できたとあります。 消費MPも人数 距離 関係なく一定であったと 

あとは、パーティを組んだ人達の能力が飛躍的に上がったとも有りましたがこれは、神がかりの方が強すぎて比較出来ないので感じた程度と有りました」


「凄い能力だったんですね」


「ですね 仮にこの中のどれか一つの能力が使えたなら一国の王さえ跪かせることも出来るでしょう」


「そうですね ですがそんな凄い力が有ると解れば、世界は混乱しませんか?」


「するでしょうね ですが手出しは出来ないでしょう」


予想外の答えに呆気に取られた


それを見て、ラクトはクスクスと笑っていた


「考えて見て下さい 神関係しか持てない力ですよ! 神に戦いを挑む者がいますか? 国も然り勝てないどころか完敗が決まってるのに手は出せませんよ」


「仮に誰かが もしくは国が戦いを挑んだとして、魔法の一つでも落とされたら全滅でしょうし 国ごとワープで海の上とかに移動させられたら壊滅です! そんな戦いは避けるのが当然ですから」


確かにラクトの言うとおりでそんなやつは相手にしないのが無難である

自分の事なのだが・・・


「そう言えばユーク様はどちらからおいでになったのですか?」


「ブラハ村です! 成人を期に出てきまして今はパーンの宿屋暮らしです」


「成人というと15歳ですか・・・・」


何やら考えてる様子なのだが気にしないようにした。 研究の成果を教えていただいたことにお礼を述べ図書館を出る事にした


保証金と入館証を交換してジルの店に向かったが生憎ジルは、行商に出かけていて、来月まで帰ってこないということなのでまた来ますと言い残しリーンの宿屋に戻ることにした






一人残されたラクトは16年前のブラハを襲った嵐の資料を見ていた。 何の前触れも無く起きた嵐だが ブラハ周辺でだけ被害が出ており忽然と消失していたのだ 発生も異常だが消え方も異常だったのだ


(少し調べるか) 


職員を呼び出しブラハ村とユークそしてユークの親族を調べる様に告げる ラクトにはユークの態度が気にかかっていた 


何かあると


 


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