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神様の棄児  作者: ryo-KK
冒険者
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弟子入り志願

セドリックに冒険者の訓練の話をした3日後には自分も自分もと訓練を付けて貰いたいと冒険者が続々と集まっていた。威圧の訓練だけ、料金500Gの高額なのにだ。


ユークは見込みの有る冒険者には個別に手合わせも考えていた。


訓練は今日から3日間、だけ行われることに成っていた。


これはベン達に同行する日迄で、半分はそれ以上続けると面倒だというのが理由だが、思いの他参加希望者が多い事からかなりの収入になる。


ユークでは無くてもユージンならウインを使えばやって行けるだろうと国の新たな仕事として行われる様になるがそれはまた別の話だ。


毎日ピエールが帰ってくる時間に併せて最終訓練としてユークがやった事をクララでも出来るのでちょうど良いだろうとセドリックによって商売になってしまったのだ。


一般冒険者が参加する最初の日、集めた50人の冒険者をランク毎に分けたのだが最高でCランクの冒険者しか居なかった。


ユークはFとE、DとC 魔法士の3つのランクに分けて訓練を行う事にするのだが、これはベン達を分けたのと同じ理由で魔法士をリオ、基礎の必要なF・Eランクをユーク、D・Cランクをミーシャが受け持つ事にしたのだ。


威圧を掛けるのはウィンでウィンはこの為に外周警戒の任務から一時的に外されていたのだ。


当然の様にユージンがウィンの側に控えているが冒険者到着と同時に威圧感を漂わせていた。


ウィンは元々高圧的では無いのだが、アポロの時よりも距離が近いので、冒険者が受ける威圧感もアポロの第一段階よりも強烈だった。


扉を開けても中に入れる者は1人も居なかった。


ユークはユージンに合図を送り一度威圧感を止めてもらい冒険者達を中に入れてからもう一度威圧をかけて貰った。


「皆さんは今は全く動けない状態ですがこの訓練で動ける様になって戴きます。簡単にこの状態から抜けるために必要な物は気迫だけですので頑張って打ち消して下さい。制限時間は有りませんがこれを打ち消せないと個別の特訓は出来ませんから出来た方から呼びに来てください」


ユークは手抜きとも思われがちだが冒険者にそう言ってからミーシャ達を連れてピエールの巣に設えたベンチでユージンを交えてお茶をしながら待つ事にした。


冒険者達はなんとかして動こうと声を出して気合を入れたりしてるのだがまともに動ける冒険者は居なかった。


「さて何時間かかるか楽しみだな」


ユージンが言いながらニヤニヤして冒険者達を眺めている。


結局午前中の4時間で動ける様になった冒険者は0だった。


食事は各々で取る様にしている。


再開は1時間後だ。


ユーク達は訓練場で食事を取っていた。


これは冒険者が何か聞きに来ても良い様にとの配慮からなのだが、誰独りとして聞きにも来なかったのは非常に残念だった。


その日の内に威圧感を克服出来た冒険者は一人もおらずユークはただお金を払っただけで何も得られないのは可哀想だと次の日にもう一度威圧感を克服するためのヒントを出すことにした。


「皆さんが何故動けないのかが解りますが?水神龍に恐怖して完全にのまれてますね。最初に気迫と言いましたが、2日目ですのでそろそろ慣れも出てくるでしょう。皆さんが勝てると思い込むだけでもずいぶん楽に成る筈ですから意識をしっかり持って頑張って下さい」


その日の午前中に動ける様に成る者は居なかったのだが、昼の休憩中にユークに質問をしてくる冒険者は数名現れた。


質問の内容はどうしたら動ける様になるか具体的に教えて欲しいと言う内容が多かったがユーク達が驚いたのは質問に来たのが、FとEランクの初心者と言われる冒険者ばかりだった事だ。


どうしても強くなりたいと稼ぎの少ない冒険者だからこそ高額の参加費の元を取りたいと必死なのだろう。


ユークは親身に教えて午後からの特訓の時にその成果が現れだした。


質問に来た冒険者の内半数以上の人達はなんとか動ける様に成って来たのだった。


ユークはミーシャがサラとソフィアに教えた様に更に動ける様に成る受け流す方法もその冒険者達に教えた。


勿論普通に動くにはウィンの至近距離から威圧感は半端なくキツイので全く違和感がないという状態には成らないのだが、それでもユークと模擬戦をする位は動けていたのにはユーク達よりもD・Cランクの冒険者が一番驚いていた。


声を出せる者達は初心者に負けてるのが悔しいのか貪欲に質問してきていた。


流石にベテランと言えるD・Cランクの冒険者達は意地が気迫に繋がったのか、何時の間にかF・Eランクの冒険者達より動ける様になっていくのだ。


ようやく当初の予定通りミーシャ達も個別の特訓に入る事が出来る様になった。


教える内容はパーティーでは無いので個別能力のアップだ。勿論、中には同じパーティーも居るだろうからもしもの仮定で他人との連携の大切さもしっかりと特訓していく。


ベン達の教訓を活かして教えられるので、ベン達のバラバラな戦い方も言い換えれば無駄では無かったと言えるだろう。


問題はリオの教える魔法士だが、やはり近接専門の冒険者よりは威圧感の克服に苦労していた。


リオはドロシーが言っていた様に倒せる魔物を想像する方法で何とか全員を威圧感の訓練から卒業させた。


全員が動ける様になったのを見てユージンに『もう良い』と合図してウィンの威圧感を止めてもらった。


3組に分かれた個別訓練も順調に消化していき最終日の3日目には、時折ウィンが放つ威圧感を受け流す事も全員が出来る様に成っていた。


本来訓練の内容は威圧感の克服だけで良かったのだが、お金を支払って迄も強く成りたいと願う冒険者達はベン達と違い凄く真剣で優秀だと言って間違いがなかった。


当然目上のランクの冒険者には勝てないのだが同一ランクの中では確実に頭一つ飛び出す存在に成っているのが伺える。


特訓の仕上げとピエールにベン達にも行った様に威圧感を出したまま巣に戻らせたが、動けなくなる者ばかりだが気を失う者は誰もいなかった。


冒険者達が自身の特訓の成果を明日から実戦で体感出来る事をユークは期待していた。


翌日、ベン達に同行してコンラットのダンジョンに行く。


当初の予定通り8階層魔物はワイルドベアだ。


集団で現れる事は余り無いが2匹位なら同時に遭遇する事もたまに有る程度だろう。


「今日は本当に助けません、死ぬのも冒険者の宿命ですから本当に死んでも責任は取りませんが2匹以上出た場合は先に1匹以外を僕達が倒しますからベンさん達は常に1匹だけ倒してください。」


ベン達が頷いたので了解したと判断したユーク達は先頭を歩きながら魔物のいる場所にベン達を連れていくのだ。


何故ユーク達が先頭かと言うと突然遭遇する事は少ないがリポップの可能性も考慮しての配置だ。


後衛は?と思いがちだが当然リオが最後尾で待機しているので問題は無い。


最初に遭遇したのは狙ったように2匹のワイルドベアだった。


当然狙っていたのだが、手本を見せると言うよりドリーの店の為に熊肉の調達がしたいからという理由が大きかったと思われる。


「ご主人様私が倒してきます。」


ユークに確認してミーシャが2匹の内の1匹をオリハルコンの剣で瞬殺した。


「後はお好きなように戦って下さい」


戻ってきたミーシャに言われベン達は隊列を維持したままワイルドベアに向かっていった。


ベンの武器はバスタードランスという槍に変っていた。片手剣で言う所のエストック並の武器に当たる槍だ。


オリハルコンの槍に次ぐ性能でAランク冒険者も良く使っている名品だと言える。


当然防具も硬革製で一新されていた。


前衛の隊列も3・2と変更されており2人の魔法士が先に攻撃を仕掛けて前衛3人が声を掛け合い1匹を距離を取って囲み魔法の切れ目に攻撃を仕掛けると言った戦法で戦っている。


5分程で見事に討伐完了。


アイテムを回収する時も常に護衛を置くと言う徹底ぶりにユーク達は感心していた。


次もユークは2匹の所に案内してミーシャが1匹を倒して後を任せると言う事を繰り返した。


5回目の2匹との遭遇の時にベンから2匹共自分達で倒したいと言うので任せる事にしてみた。


ホリーが【ウインド】で2匹の間に土煙で壁を作り合図を出した後1匹をサラとソフィアとギネスに任せてもう1匹をホリーと間合いの長い槍のベンが足止めすると言う戦法で各個撃破して行くという前回からは考えられない位の連携をみせて討伐してみせた。


その後は引数に拘らずに魔物の反応の有る所にだけ案内していく事にした。


昼を超えた当たりで一度外に戻り騎士隊の隊舎(ダンジョンの近く)で昼食を食べて続きとばかりに同じ場所に戻ることにした。


「ご主人様!」


声を掛けて来たのはリオだ。


「うん。解ってる」


ユークは午前中から気づいて居たのだがベン達の成果を見るのが目的だからと放置していたのだが、ウロウロしている間にリオも気がついたのだ。


この先魔物部屋が有ると言う事に。


魔物部屋とは密室の中でリポップが繰り返される事により大量の魔物が集まっている部屋の事なのだがダンジョンでは珍しくはない。


一度でも攻略していると扉に当たる壁が崩れて密室状態では無くなるのでそのような部屋は無くなるのだが、知らずに一般の冒険者が扉(壁)を開けてしまうとほぼ命を落とす危険な場所なのだ。


ただワイルドベアの階層だとAランクの冒険者が2人居れば何とかなる程度だからあまり気にする事も無いのだが、騎士隊の任務もこう言う部屋を全て無くすのが本来の目的(攻略)なので、ユークはどうしようか悩んでいた。


「どうかなさいましたか?」


べンが聞いて来たので正直に魔物部屋の事を話すと今後の為には見つけ次第破壊するのが強い冒険者の義務だと知っているので『待機してますからどうぞ』と、言うので優先させて貰う事にしたのだ。


あまり時間を掛けるのもベン達に同行してる意味は無いだろうと、ミーシャとリオが倒しますと言ったのを抑えてユークが倒す事にした。


「ユーク様の本気が見られるのですね」


べンが興味深そうに言うのだがミーシャが『まさか』と失笑気味に答えた。


「多分ですが部屋の中には5・60匹位居るでしょうがご主人様が本気で戦う様な数でも強さでも有りませんよ。多分外から魔法1発で終わりです」


ミーシャの言う通りユークは壁を壊さないまま部屋にストーム系の魔法を1発だけ放って扉(壁)を壊した。


中にはワイルドベアの姿は無く無数のアイテムが転がっているだけだった。


リオとミーシャは直ぐにアイテムを回収しに部屋に入って行き全部をマジックポーチに収めてから戻ってきた。


「全部で48匹でした。」


予想より少し少ないがそんな物だろうと仕切り直してベン達を次の魔物の所に案内して行く。


夕方近くまで攻略を続けてベンの家に戻った一行は前回と同じようにカフェに移動して反省会を開く事にした。


だが今回は反省する事はなく、褒められる状況だとユーク達は思っていた。


どういった心境の変化なのかと聞きたかったが来ても仕方無いだろうと聞かなかった代わりに腕輪の確認をするように告げた。


見事に全員が赤色になっていた。


一応覚醒をする為の資金が有るかと聞いたが5人分なら何とか今日のアイテムを売ればなるだろうと言う事なので、それ以上言わなかった。


「今日同行してもっと先に進んでも大丈夫だろうとは思います。が、無理や無茶は絶対にしないで下さい。多分今回の覚醒で誰かに移動系のスキルもつくと思います。それでもAランクの魔物ダンジョンなら10階層に現れる水蛇竜等は群れで襲ってきますから囲まれたらあなた方ではまだまだ危険です。単体なら問題ないでしょうが、隠れてる場合も多いので比較的安全なセルトノ第5ダンジョンとコンラットなら9階層位までで次の覚醒を目指して下さい。


ユークは今後の注意と特訓の終了を告げてベン達に別れを告げたのだが、ソフィアからお願いが有ると行った来た。


ミーシャとリオは『んっ』っと少し眉根を上げたが、ソフィアから漏らされた言葉は2人の考えていた言葉とは違っていた。


「お兄ちゃんの弟子だって、名乗っても良い?」


「どうして?」


「その方がいっぱい仕事を貰えるの」


「そうなの?」


ユークの問いに答えたのはサラだった。


「ええ、この国は勿論、セルトでも優先的に仕事が貰えるらしいの、信用が無いと受けられない仕事でも紹介して貰える様になるとギルドマスターから聞いたの。勿論無理な依頼は受けないしユークちゃんの名誉を汚す様な事はしない。もしそんな事になったら当然罰でも何でも受けるわ。」


「そこまでして弟子を名乗る必要が有るとは思えないけど」


「それは違うわ、確かに普通に冒険者をしていくなら名乗らなくても良いけど私達はユークちゃんに借金をしてる状態だし大人数のパーティーだから資金も多く必要なの。出来る限り少しでも良い報酬の依頼を受ける為には弟子の肩書きは重要なのよ」


ユークはミーシャ達の意見も聞いた。


「ご主人様に迷惑をかけたら例え幼馴染と言えど許しませんよ!ですがサラさんの言う事も理解出来ます。ご主人様が良いので有れば名乗る位は構わないと思います。」


ギルドにもしっかり報告しておけばベン達のパーティーがユークの弟子だと各国にも知れ渡るだろうから楽だとリオも言うので許可をしてベン達と別れた。


何か有れば直ぐに知らせる様にとサラにはこっそりと話しておいた。


べン達と別れた後ユーク達は冒険者と商人ギルドへ行きベン達が正式に弟子と成った事を伝えたのだが、冒険者ギルドでは弟子に成れるんだと言う間違った話が広がり冒険者に取り囲まれて方々から弟子入りをしたいと言われ続けるのであった。


噂が伝わるのは本当に風の様に早くそれが間違った噂であろうとも同じ速度で広がっていく。


冒険者ギルドを出てからもユーク達は弟子入り志願の冒険者に取り囲まれてしまった。


中にはクララの奴隷に成りたいと本人も居ないのに言ってくる強者の存在も有ったが笑いでごまかした。


だが本当に奴隷でも良いからユークやミーシャにお使えしたいと言う人が多い事にユーク達は驚いていた。


しかしこの噂が元でセドリックが計画している。ウィンを使っての威圧感克服訓練の申し込みが急増する事になる。


城に戻ってから夕食までの間にセドリックやカーラにもベン達が弟子を名乗る事を話したがどうでも良いという感じだった。


その夜


ガールズトークinベッド


㋹「お疲れ様、ユーク様はお休みになられたわ」


㋷「今日は激しかったですね。腰が抜けちゃいました」


㋕「そうですね、最近では珍しく激しかったですわ」


㋹「ミーシャなら理由も解るんじゃないの?」


㋯「確実とは言いませんが、べンさん達にストレスを感じていたのが解消されたから嬉しかったのでは無いかしら」


㋷「成る程~それは解る気がします。」


㋹「そんなに酷かったの?」


㋷「そうですね。1週間前は酷かったですよ」


㋕「へ~そうなの?」


㋷「うん。もう滅茶苦茶。教える気も無くなる程だった」


㋹「それが今日は良かったって事でしょ?」


㋷「そうですね。今日は満点だと言っても良いと思う出来でしたよ」


㋯「今日の戦い方ならこの先も安心して見て居られるでしょう」


㋹「ミーシャがそこまで言う位だから本当に良く成ってたのね」


㋯「ええ」


㋹「それで、重責から解放されて激しかったんだ」


㋷「そうだと思いますよ」


㋯「朝もあるかも知れないから楽しみだわ」


㋕「朝もですか?」


㋹「今日の感じだと有りそうね」


㋷「カーラは嫌なの?」


㋕「嫌では有りませんけど、腰が痛くて・・・」


㋯「それならカーラだけ用事が有ると言えば良いのよ。何なら私が話しておくけれど如何?」


㋕「起きてみないと解りませんが本当に痛かったら自分で言いますわ」


㋯「そう」


㋹「朝ならエマも居るし問題ないわよ。私はまだまだ平気だし」


㋷「私もまだまだ欲しいですよ」


㋹「ミーシャには聞く必要もないから良いけど」


㋯「あら、聞かないの」


㋹「ミーシャが断る訳無いもの」


㋷㋕「そうですよ(わ)ね」


㋯「・・・」


㋹「朝もって考えたら早く寝た方が良いわね」


㋯「そうね」


㋷「そうですね早く休みましょう」


㋕「おやすみなさい」


㋹「はやっ。なんだカーラも期待してるじゃない」


㋕「・・・」


㋯「おやすみなさい」


㋷㋹「おやすみ~」

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