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神様の棄児  作者: ryo-KK
4章 王国
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翌日もユークとミーシャ、リオの3人はダンジョンに潜っていた。


昨日の続きと言う事で、16階層からだ。


オーガを狩りながら順調にマッピングをして行く。


ユーク達は行き止まりの壁の前で立ち止まった。


「この壁の向こうから魔物の気配がしてるから、隠し部屋だと思うんだけど」


「そうですね、多分壁に触れると姿を現すタイプだと思います」


ミーシャが言うが誰も壁に触れようとはしない。


壁に近づいて解る事だが壁の向こうから漂う気配が半端無い数なのだ。


勿論ユークには何とも無い敵だから気にはしていないのだが・・・


「さて、倒そうか!」


「はい、私達は待機ですね」


「うん、大きな魔法を使うから入って来ないでね」


「「解りました。」」


ユークは壁にそっと手を触れると同時にファイアーストームを唱えた。


一瞬でオーガの群れは倒れていき部屋は空き部屋と化した。


オーガはアイテムを残さない魔物だから仕方無い。


しかし部屋の真ん中辺りに土が盛り上がった場所が見て取れた。


俗に言う宝の山(宝箱?)剣で軽く突くと土が爆ぜてアイテムが出てくるのだ。


ユーク達は欲しい訳でも無いが、レアアイテムかも知れないので確認だけしてみる。


出てきたのは竜皮の帽子だ。


他の人の為にそのままにしておく。


そのまま探索を続けて階段を見つけて17階層に降りていった。


探索のスキルで魔物を探すが何の気配も感じられない。


「あれ?この階層に魔物がいないんだけど」


「本当ですか?」


探索の苦手なミーシャが聞いて来る。


リオも探索スキルを発動するが全く反応が無かった。


「トラップ階かも知れませんね。」


リオの予想は的中なのだが危険なトラップと言う事ではなく、迷路状の道が動くと言う変わった物だったのだ。


少し待機してると道が出来たり、壁が出来たりを繰り返しているのだ。


転移系の魔法が有るから困らないが、無ければ戻る事すら出来無く成る階層なのだ。


リオはマッピングを諦めて内容だけをメモしている。


ここまでの攻略で階段の位置はおおよそ見当がついている。


必ず階段から一番遠い壁際に有るのだ。


ユークは面倒だと壁を黒耀剣で切りながら真っ直ぐ進み階段に辿り着いた。


「面倒な階層だけど魔物が出ない分ましかもね」


「ですが抜けられない場合は助けることも難しいですよ」


「最悪さっきの方法で真っ直ぐ助けに行くしかないね」


「ご主人様にしか出来ませんね」


ミーシャもリオも呆れがちで答える。


18階層、19階層と順調に攻略していき20階層から雰囲気が大きく変わったのだ。


「最下層では無いみたいだけど何か強い魔物が居るね」


見た感じは落とし穴が有った階層に近い広い空間なのだが漂う気配は地竜に似ていた。


「地竜っぽい魔力なんだけどダンジョンにいる訳無いよね?」


「聞いた事は有りませんが、この広さだと可能性は有りますね」


ミーシャが答えてリオも頷いた。


探索を発動しても場所の特定が難しい。


地竜なら潜っていると察知しにくいのだ。


ユークは落とし穴の時と同じ様に震地を軽く唱えた。


姿を表したのは予想通りに地竜だがダンジョンの範囲(1kmx1km)四方に約30匹も出現したのだ。


これは凄いとユークは魔法で倒す。広範囲だと<神がかり>の魔法が良いのだが威力が大きすぎて天井まで落ちてきそうなので使えない。


天井も40m以上上なのだが崩れるのは勘弁して欲しいとストーム系を連発で浴びせていく。


10分程で30匹の地竜は姿を消した。


ミーシャとリオは手分けしてアイテムの回収に当たる。


レアアイテムの土の結晶が3つと更にレアのオリハルコンのインゴッドが2つ取れたのだ。


「珍しいのが出たね。これで国も潤うね」


「そうですね。騎士隊の武器が強化されますし。【地竜の棘】だけでも高く売れますから」


「しかしダンジョンに地竜が居ると言う事は火竜なんかも出るかも知れないね」


「そうですね。そうなると一般の冒険者には荷が重いです」


ミーシャの言う事は最もだった。


現時点でSランクの魔物を倒せるのは各国の騎士団位しか無理なのだ。


それも軍隊で挑んで1匹狩るのがやっとだろう。


勿論ドラゴン部隊は除外してだ。


だがドラゴン部隊はダンジョンにははいれないから実質この階層をクリア出来るのはユークしかいない事に成る。


リオはメモにその事を書いて次の階層に行こうと促した。


21階層は更に怪しい雰囲気だった。


ただ火竜等のSランクの魔物は出ない。


道幅的に普通の魔物しか通れない道だからだ。


しかし魔物の気配はこの階層も全く無かった。どうやらここが最下層のようなのだ。


ユーク達はこの階層を徹底的に探索して行く。


「この扉ってなんだろ?」


ユーク達はある扉の前で立ち止まった。


「中からは何の気配も感じられないから開けてみようか?」


「はい、ご主人様が大丈夫と言うならお任せします」


ミーシャに言われて扉を開けようとするのだが全く開かないのだ。


ユークの力で叩いてもびくともしない。


黒耀剣なら切れるかもと試してみたが弾かれて着ることも出来無かった。


扉の周りには文字の様な物が刻まれていたのでリオに写して貰った。


「ラクトさんに後で調べて貰おう」


ユークはそう言い何か仕掛があるかもと周りも注意深く探したが何も見つからなかった。


マッピングだけして他も探索をする事にして扉のある場所を後にした。


結果21階層は扉しか発見出来なかった。


もう一度扉の前に戻り色々試した。


「開け~ごま!」「あけて~」等等叫んでも見たが全くダメだった。


ノックもしてみたし呼びかけても見た。


リオも扉の前で歌ったり踊ったりしていたが全く開かなかった。


当然魔法で扉を焼こうともしてみたが全く無駄に終わった。


仕方無くユーク達は城に戻り報告をしたのだった。


「ユーク様が壊せない物が有る事が1番の驚きですが、気になりますね」


セドリックは本当に驚いていた。


「ラクトさんにリオの書いたメモを渡して調べて貰ってくれる?」


「解りました。直ぐに知らせておきます。」


セドリックと別れ部屋に戻る。


ラクトからの知らせは翌日には届いたのだった。


ラクトの報告書では何かの結界だろうと言う事だが文字もこの世界の物では無いので解読には短くても1年以上かかるだろうと言われたのだ。


ユークは定期的に確認に行く事にして手出しはしないと放置する事にしたのだった。


ミーシャが2人っきりになった時にもしかしたらと言葉を発した。


「この世界に無い文字ならばアポリウス様なら解るかも知れませんね」


ユークはそうかとも思ったがアポリウスがいつ来るかも解らないと諦めていた。


だけどミーシャが答えた。


「ユーク様の念話なら話せるのでは有りませんか?」


「そうか。顔も名前も知ってるし距離も関係無いって言ってたもんね」


ユークは手を叩きすぐに念話で呼びかけてみた。


(アポリウスさん聞こえますか。ユークです。)


見事にビンゴだった。


(えっ!ユークなの?本当に?)


(はいユークです!)


(地上界からも念話って届く事を初めて知ったわ)



その少し前、天界でアポリウスはユーリアの世話をしていた。


「ユーリア様、お茶を召し上がりますか?」


「そうね、お願~~い」


アポリウスがカップにお茶を注いで居た時にユークから念話が届いたのだ。


「きゃっ!」


「アポリウス?どうかしたの~?」


「いえ、今ユーク様から念話でよばれました」


「え~~ユークちゃん!で、何って言ってるの!」


「まだ返事しかしてませんので解りません」


「も~~早く要件を聞きなさいよ~~~」


ユーリアはアポリウスを急かす。


「では少し失礼して」


アポリウスはユーリアに断ってからユークとの念話に答えた。


(地上界からも念話って届く事を初めて知ったわ)


(突然すいません、母も元気にしてますか?)


(問題有りません。元気にされてますよ。で、いきなりで何か緊急事態ですか?)


(はい実は・・・)


ユークはダンジョンで発見した扉の事と扉に書かれた文字をそのまま思い浮かべアポリウスに送ったのだ。


アポリウスはユークから送られて来た文字を記憶して行く。


(少し待ってて貰える?)


(はい、何か解れば声を掛けて下さい)


(いや、このまま待ってて、私の力だとユークに念話は届かないと思うから)


(解りました)


ユークは暫く待つ事にした。



一方アポリウスサイドでは・・・


「ねえねえ、ユークちゃんは何て言ってるの?」


「ユーリア様は元気にしてるかとお尋ねになられましたから問題無いと答えておきました。」


「も~ユークちゃんって優しい子ね~~」


「それとこの文字を知らないかと」


アポリウスはユークから送られた文字を空中に描きユーリアに見せた。


「これって魔法陣でしょ~~文字からすると魔族の転移魔法陣だと思うわよ~~」


「やはりそうですよね。これがユーク様の国のダンジョンで見つかったと仰っています」


「え~~どうして地上界にあるの~」


「それは解りませんがハーデスが何か企んでいるのでは?」


「そうね~~結界が有るからこのままだと転移も出来無い筈だけど何か考えてるかも知れないわね~こっちでも手を打つから近づかない様に言っておいて」


「はい解りました」


(ユーク聞こえる?)


(はい、何か分かりましたか?)


(これは転移用の魔法陣よ。しかも魔族のね)


(魔族がこっちに来るって事ですか?)


(今は大丈夫だと思うわ、魔界には結界が有るからそれをどうにかしないと転移魔法陣は使えないの)


(では僕達はどうすれば良いですか?)


(触らないで監視だけしていてくれる、もし魔法陣が光りだしたら直ぐに逃げて知らせてくれる?)


(解りました。そうします)


(お願いね)


(はい、母さんにも宜しくお伝え下さい)


そう言ってユークは念話を終わらせた。



「ユーリア様に宜しくと仰ってましたよ」


「う~~んユークちゃんて本当に良い子ね~~」


「それは解りましたから転移魔法陣をどうしましょう」


「そうね~ユークちゃんに迷惑かけたくないし~~何か考えるしか無いわね~~」



ユークはミーシャに転移魔法陣の事を話し対策として監視だけすると様にとアポリウスからの言葉を伝えた。


「やはりお母様方はご存知でしたね」


「うん、何か手を考えてくれるって言ってたから様子だけ見てればいいよ」


「はい、お母様が仰るなら問題は有りませんね」


絶対神の言う事だからと本人の性格を知らない2人は楽観視していた。


セドリックに扉監視用に騎士達を一度21階層に連れて行き毎日監視させるように徹底すると伝えてダンジョンに戻りダンジョンワープを使える騎士4人を21階層に連れていった。


「この扉は危険な扉だと判明したからこれから毎日2回監視しに来て欲しい」


「危険とはどれほどの事なのでしょう?」


「そうだね今は結界で封鎖されてるんだけど過去の神魔対戦の時の魔物が出てくると考えて間違い無いと思う」


「ではこれは魔物を封印してるのですか?」


「そう考えて間違いないよ。しらべてた結論から言うと結界が破られる可能性は低いのだけど何か変化が有ると直ぐに知らせて欲しい。それと間違っても手は出さない事ね。僕でも倒せるか解らないまものだと思うから」


「ユーク様でも倒せない魔物なら逃げるしかありませんね。」


「うん、直ぐに逃げて、僕に知らせて!」


ユークは騎士に注意もしてから城に戻った。


この扉が開かれる事が有るのかは神すら解らない事だ。


ハーデスの本当の狙いがこの扉と関係してるかもハーデス本人にしか解らないが近い未来に何かが起こるのは避けられ無いのかも知れなかった・・・・。


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