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神様の棄児  作者: ryo-KK
1章 捨て子
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依頼

まだ日がのぼり始め出した頃 むくっと起き食堂へと向かうユーク、期待と興奮で早く目が覚めた という訳でもない、いつもと同じ健やかな目覚めだ。


食堂でパンとスープとコーヒーを、ここの主人兼料理長のシャイトさんから受け取り、空いていた席に腰掛ける。

まわりでは、装備を整えた冒険者達が、同じように朝食をとっていた。

時折聞こえてくる内容には、今日の依頼、何を受ける?とかの話がちらほらと届いていた。

ユークも今日が初依頼だ、はやる気持ちを抑え朝食を済ませシャイトさんに挨拶をして、部屋に戻り装備を整えた 革のジャッケットを纏い 腰にダガーを挿しポーチとリュックを持って鍵を受付に渡す。


「おはよ~今から仕事かい?」


受付で鍵を預ける時、宿屋の女将リーンさんに声をかけられる。


「おはようございます! はい 今からギルドにいってきます」


「初めての仕事だからこそ、無理しちゃだめだよ!最初から無理すると、あとがキツイからね。 怪我しないようにがんばってきな!」


大きく頷いて宿屋を出て冒険者ギルドに向かう


ギルドは人もまばらで、どちらかと言えば静かだった。依頼を確かめようと掲示版に向かう。

掲示版のまえにも、人は少なっかった


Fランクと書かれたコーナーを眺める


「あれ なんで雑事系の報酬って高いの? 普通討伐や護衛の方が報酬いいんじゃないの?」


取り敢えず お金を貯めるのが目的なので、薬草採取の依頼を持って受付にむかった。受付にレミーの姿を見つけそこに行き、気になったことを訪ねてみた。


「お早うございます この依頼を受けたいのですが、いいですか?」


「おはようございます 薬草30株採取の依頼ですね Fランクの依頼で間違いないですか?」


「え えっと 自分のランクしか依頼って受けられないんですよね?」


「一人で受けるならそうですね」


「なら大丈夫です」


「解りました。受付ますので腕輪の確認をさせて戴きます」


 言われる通りに腕を前に差し出しステータスをみせる


「ユーク様 Fランク確認しました。 依頼の方よろしくお願いします。」


年上の女性からの様、呼ばわりがとてもむず痒く


「様とか付けなくていいですよ! 年下だしそれに何だか落ち着かなくて」


少し照れた感じで告げる


「そう?じゃぁ これからは、ユークくんって呼ばせてもらうね」


「はい、そうしてくれると助かります」


「あははは」


「それに一つ聞きたいことが、有るのですが、いいですか?」


「聞きたい事? なんだろ スリーサイズとか? 彼氏いるのかとかかな?」


「ち 違いますよ~ い 依頼のことで少し」


「あっは、ユークくんってかわいいな~もう」

 

真っ赤になるユーク


「えっと 依頼で討伐や護衛と比べて、雑事系の依頼のほうが報酬の割合が高いような気がしたのですが」


「あ~それはね 雑事系依頼は、経験値が入らないから受ける人が少ないのよ だから報酬を良くして、受けてもらえるようにしてるのよ」


「なるほど そうだったんですね 納得しました」


だからと言って、討伐系の依頼が安価ではない。 雑事より遥かに高額の報酬なのだ 薬草30株で600Gとゴブリン2匹討伐で100Gというような感じっだったのだ  命をかける分、報酬が良いのは当然である。


薬草の取れる場所と注意事項を聞き、レミーにお礼を言いギルドを後にした。


向かう場所は、南門をでて、みぎに行けば小川が流れていて、それを 南に行けば有るらしい。 魔物もいるかも、ということなので、気をひきしめ 南門に向かった。 来た時に通ったのは、東門らしい



南門で、騎士に挨拶をし依頼を受けて、薬草お取りに行く事を告げて、外に出た


しばらくして、川を見つけ川沿いに南に進む


魔物が居ると聞いていたが こんな大物がいるなんて・・・・


たまたま出くわしたのは、(ポイズンクラブ)と言う大型の毒蟹だった。それを知るのはギルドに帰ってからなのだが、実際オークよりは弱いのだが、やっかいなのは通常攻撃にも毒付与の効果があることと、全身甲羅なので硬いというところだろう 


ユーク自身 見るのも初めての魔物


「カニだよね?」


見た目カニでも大きさは1mを雄に超えている。まして毒々しい紫色をしている。見た目カニは、横歩きしながらユークに向かってきた。

もともと母アルバとの訓練で、勝てないまでも、負けない実力のユークにとって、母より遅い動きに遅れを取る事などなかった。


さっと身を躱し、抜き身のダガーをカニの足の関節に向かって、振り抜いていく そんな攻防が10分程過ぎた頃、 

カニは力尽き消えていった。残った結晶の様な物を拾いポーチにいれた。


そのあとも一角兎が何度かでてきたが、さっくりと倒していく。依頼の薬草もすぐに見つかり、ギルドにもどった。

時間は、昼を少し回った頃だろうか 受付にレミーがいたのでそこに行く


「レミーさん 依頼の薬草集めてきました」


といって とってきた薬草を渡す


「あら ユークくん随分早かったのね? 確認しますね 」


確認作業をしたあと 初依頼について聞かれた。


「どうだった 初依頼は?」


「そうですね~ 依頼自体は簡単だったんですけど、 魔物の討伐に時間が、かかってしまって」


「魔物でたの?」


「うん 一角兎が3匹と 大きなカニみたいなやつ」


「カニって? あそこらへんには、でないはずだよ!」


「1匹だけだったけど 多分カニだと思う 横歩きしてたし 爪もあったから」


「そっか 調べる必要ありかな~ でも良く逃げられたね、カニ系の魔物はDランク位ないと危ないから 無事でよかった」


「えっ 倒したけど何かまずかった?」


ユークの軽い返答にレミーは、ユークが嘘をついて無いことを知り、驚いていた


「倒したんだ すごいね~ あっそうだカニのドロップアイテムって、塩だよね ここでも買取してるから良かったらここで売っていってね」


「塩? これって塩なの?」


と結晶を取り出しレミーにみせた


「こっこれって、毒の結晶じゃない もしかして倒したカニって、紫色したやつだったの?」


「そうだよ、紫色してた」


「・・・・・・」


しばし沈黙がながれた


「ユーくんがたおしたのは、ポイズンクラブっていう魔物で、Cランク扱いの魔物なのよ」


「そうなんだ」


いつのまにか呼び方が変わっていたが・・・ かるく答えるユークにレミーは呆気にとられる

 

「しかも初討伐で、超レアドロップの毒の結晶って、ユーくん凄すぎ!」

  

「それってレア素材なんだ?」


「そうよ レアどころじゃないわよ いい 結晶そのものが超レアで、武器や防具にスキル付与できるのは結晶だけなの。この場合武器なら毒攻撃 防具なら毒耐性が付けられるわ 普通ならポイズンクラブ50匹狩って、出るかどうかの品物よ」


「そうなんだ ラッキーだね」


「ところで、どうするの?これ」


「う~ん 何も考えてないけど」


「ユーくん 覚醒まだだったよね?使い道が決まってないなら売って覚醒すればいいんじゃないかな」


「えっ そんなに高く売れるの?」


「10万や20万じゃ効かないわよ! それほどレアなのよ」


置いておくべきか 覚醒を急ぐべきか悩みどころである


「別にどっちも急いてはないんだけど」


「結晶はね王都のオークションでも売りに出されてるから、欲しくなったらオークションに行けば買えるわ

でも、オークションは高値が付くから早くランクを上げて、高額報酬の以来を受けられるようにしたほうがいいと思うの」


「なんだ 買えるのなら そうしようかな」

 

「覚醒するなら用意しておくわ」


「おねがいします」


覚醒の申請をして、買取カウンターに結晶を持っていく レミーとの会話が聞こえていたのか査定はすぐに終わった。

一角兎の角といっしょに買い取って貰った 


「全部で40万450Gになります」


うけとった金貨40枚、半銀貨4枚、銅貨50枚を確認した


(結晶が40万Gだから、一角兎の角は1本150Gか)


もともと相場も解らないので、納得するしかなかったのだが 結晶のおかげで、がっぽり儲かったのは言うまでもない

 

金貨10枚だけ手に持ち、レミーの所へ向かう


レミーに案内され、カウンターの奥に進み立派な扉を開け中に入る。 中には戦乙女の像が有り、ピーンと張り詰めた重苦しい空気が流れていた。

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