里帰り2
コンラットで揉めて居た事も知らずにユーク達はア-テ村に到着していた。
リオに案内して貰いリオの実家に付いた。
リオはノックもせずに中に入っていく。
ユーク達はどうして良いか解らずに外で待ったいた。
暫くしてリオが両親を連れて出て来た。
「始めましてユークと言います。リオと結婚した事を報告に来ました。」
ユークが先に自己紹介をした。
「リオの父のダンです」
「母のアンナです。」
「突然お伺いして申し訳有りませんでした。本来なら結婚前に挨拶に来るものですが遅くなって本当にすみませんでした。」
「いえいえ、ユークさんの事は優秀な冒険者だとコンラットの商人から聞いてます。」
「商人からですか?」
「はい、王家からユークさんに宜しく伝えて欲しいと様々な物資も頂きました。おかげで暮らしも楽になりました。」
「お父さんもお母さんも受け取ったの?」
「くれると言うなら貰うさ、この村に物資は必要だからな」
リオは、勝手に受け取った両親に恥ずかしくなった。
「ご主人様申し訳有りません、両親が勝手に受け取ってしまって」
「あはは、リオもご両親も悪くないよ。くれるのなら僕だって貰うからね」
「しかしコンラットが主人様に恩を売った事に成ります」
「僕が思って無かったら関係ないよ」
「確かにそうですが・・・」
「受け取ったら不味かったのか?」
「いえ、構いませんよ。ただ僕を利用しようとする贈り物だと思うので、今後は受け取らない方が良いかも知れません。僕がコンラットと何かあるとお父さん達に迷惑がかかるかもしれませんから。」
「そんな理由だったのか」
「理由も聞かずに受け取る方がおかしいのよ」
リオを落ち着かせてから両親に話をした。
「贈り物の事は別に良いです。今後何か有ればセルトの僕の家に連絡下さい。」
「はい」
「それより結婚の報告ですが、リオさんと結婚しました。これからよろしくお願いします。」
「それはリオが決める事ですから構いません。娘を宜しくお願いします。」
リオに贈り物の事を怒られ、奴隷として売った娘にまた迷惑をかけた事に情けなくて動転してしまいこれ以上話にも成らなかった。
報告も終わったので挨拶をしてレミーの実家が有るブルーメ村にワープした。
ブルーメ村はセルトからコンラット王都に行く途中に有る村なので、何度か通っていた。ワープで行くことが出来るのだ。
だがユークは一番緊張していた。
挨拶では無くドリーの事がユークを緊張させている原因だった。
レミーの案内で向かおうとした時に後ろから抱きつかれる。
ユークを見つけてドリーが走って抱きついて来たのだ。
「ユークくん!子供作る気になったの、待ってたわ~さ~こっちよ」
隣に居るレミー達を完全無視してユークをグイグイ引っ張っていく。
「お母さん!」
レミーが大声で叫ぶ。
「あらレミー居たの?今忙しいから話なら後で聞くわ」
「あ、あのドリーさん?」
「も~ユークくん『さん』なんて水臭い、ドリーってよ・ん・で!」
相変わらずのハチャメチャ振りだ。
レミーがドリーの頭をはたいた。
「いった~~い。何するのよレミー」
「ユーク様は私達のものなの!お母さんは触らないでよ」
「あら、ユークくんは嫌がってないわよ、ねっ!」
「いや、流石に困ってます」
「もう、照れ屋さんね、そんな所も可愛いけど」
レミーにもう一度叩かれて抱きつくのを止めてくれた。
「レミーは何しに来たのよ」
「ユーク様と結婚したからその報告よ」
「あら、結婚しちゃったの?そう、でも良いわ、私も結婚して貰うから」
丁度ギルドの近くを通りかかったので、ユークのガードをミーシャに任せてチャックを呼びにレミーは走っていった。
ドリーはチャンスとばかりにユークに抱きつこうとするがユークの両側にはミーシャとリオが陣取っていた。
簡単に諦めないドリーは正面から抱きつこうとするも今度はカーラに阻止されたのだった。
「何よ貴方達、レミーが居ない今がチャンスなのよ少し位抱きついたって良いじゃない。」
「いえ、先程ご主人様も困ると仰っていました。レミーのお母様でも黙認は出来ません」
ミーシャが答える。
ギルドからレミーとチャックが走ってきた。
ドリーは何事も無かった様にチャックに告げる。
「あなた、ユークくんとレミーが結婚したんですって」
「レミーから聞いたよ」
「突然来て申し訳有りません。レミーと結婚した事を報告に来ました。宜しくお願いします。」
「わかった。レミーを宜しく頼んだよ」
「はい、必ず幸せにします」
「ねえ、ユークくん今日は泊まっていくでしょ」
公衆の面前でこの状況なのだ。泊まると何をされるか解ったものではなかった。
「まだ行く所もありますので」
丁重に断り帰ろうとする。
チャックにまたそっちに行くからその時はゆっくり話そうと言われた。
チャックは仕事中だからとギルドに戻っていった。
チャックが居なくなるやドリーがまた迫ってくる。
「ねえ、ユークくんレミーで満足しなかったら何時でも来てね。」
「いや、あの、十分満足してますから、お気遣い無く」
そう言い残し足早に移動したのだった。
「相変わらずドリーさんには参るよね」
「お母さんの気持ちも解るけど娘の旦那様に迫るってどうなの?」
全員が『おかしい』と言うのだが
「そうよね、結婚する前だったら解るけど」
と、的はずれな事を言っていた。
最後にフルール王都にワープして王宮まで歩いて行った。
門番にバッカスを呼んで貰いエルマー王に謁見を申し込んだ。
謁見室で、エルマーと向かい合い対談をする。
「ユーク殿、我が国の依頼も良く解決して頂き感謝している。して今日は何用かな?」
「はい、カーラと結婚したのでその報告に来ました」
「おぉ、それは目出度い。カーラよ良かったなおめでとう」
「有難う御座います。お父様」
「それではユーク殿はフルールに移住してくれるのだな」
「いえ、残念ですがその予定は御座いません」
「なんと、カーラは時期女王だぞ」
「いいえ、お父様。いえ、国王様。私の継承権も剥奪と仰られて私はユーク様の元へと赴きました。その事も確認した上での結婚ですから、幾ら国王様の意見でもユーク様を縛れませんわよ。」
「カーラ。そなたは父を捨てると申すのか」
「最初に私を捨てたのはお父様では有りませんか」
「あれは、ユーク殿にこの国に来て貰う為にだな」
「今更遅いですわ、でもユーク様はフルール王国の依頼も優先的に引き受けて下さってます。これ以上をお望みなら私からお願いしてでも断って頂きますよ。」
「エルマー様、住む事は有りませんが依頼はこれまで通り出来るだけ引き受けます。それで勘弁して頂けませんか?」
「うむ、ユーク殿が変らず受けてくれるなら、もう言うまい」
「有難う御座います。カーラの事は幸せにします。ご安心下さい」
「お父様、ユーク様の元に嫁がせて頂いた事、本当に感謝してます。お体に気を付けて長生きしてくださいね」
「うむ、カーラも元気でな、継承権は無くても娘に変わりは無いのだからたまには帰ってくるのだぞ」
「はい、お父様。有難う御座います」
王とバッカスに頭を下げて謁見室から屋敷にワープして帰った。
2日の強行軍だったせいかかなり疲れた気がしてユークは休むつもりでベッドに入った。
ミーシャ達も続いて入ってきた。
6日ぶりの5人の揃い踏みだ。
疲れていたはずだが無性にハッスルしてしまった。
その頃コンラット皇国ではアレックスに任せると言う意見で決定し、伝えられていた。
「これで、あのクソ生意気な奴隷を泣かせてやれる」
コンラット崩壊の引き金がゆっくり引かれた瞬間だった。




