ライバル?X決闘X小間使い
ねぼすけの太陽が、ようやく顔を見せ始めた頃、ミーシャも目を覚ましていた。
(そろそろかしら?)
ユークの奴隷と成ってから半年は過ぎていた。
毎日の日課、今日1日の活力、ミーシャにとっても、朝のキスは大事な意味が有ったのだ。
リオとレミーも仲間になった。
だけども、毎日1番にキスを交わすのは、ミーシャの絶対だった。
ユークが寝ぼけて、リオからキスをしようとした事も有ったが、強引に軌道修正してきた。
今日も、ユークが起きる気配を察知して、ユークを自分に向き直らせて、準備は万端だ。
「ぅ~・・・」
小さく漏れたユークの声に、瞼が動くのを今かと待つ。
少し動いた瞼を合図に、キスをする。
ミーシャのキスに反応して、ユークの舌が、ミーシャを誘う。
ユークの誘いに、逆らわない様に、でも多少の抵抗もしながら、ユークの口内を味わっていく。
ねっとりとした、キスをしながらユークは、胸も触ってきた。
薄いスリップの布越しに優しく嬲られていく。
「あんっ」
小さな喘ぎで、リオとレミーも反応する。
ミーシャは、肌着を脱ぎ、りオとレミーはユークトキスを交わしながら、ユークの服を脱がせていく。
頃合を見計らい、ミーシャはユークに抱きついていくと、ユークは優しくミーシャを可愛がり出すのだった。
朝から激しい時間を堪能した4人は、昼頃までベッドで、微睡んでいた。
昼から、ユークは、冒険者ギルドのギルドマスターに呼ばれていた。
Aランクに成ったユークへの指名依頼か何かだろうと思っていた。
「僕1人で話聞いてくるから。皆はゆっくりしててね」
軽く、遅い朝食を食べながらユークに言われて、皆で3階の掃除をすることに成ったのだった。
ガールズトーク IN 3階(掃除中)
㋹「余り汚れてないけど、この部屋って使うの?」
㋯「使うかは解りませんけど、ご主人様の住む家ですから何処も綺麗にしておくのは当然ですよ」
㋷「もしもの時に恥をかくのはご主人様ですもんね」
㋯「そうですよ、ご主人様が居て下さるから私達も、此処に住む事が出来てるのだから」
㋹「わ、解ってるわよ!べ、別に掃除が嫌だとは言ってないでしょ!」
㋷「レミーさんは、家政奴隷なんですから、掃除が主な仕事なのに、掃除嫌いですよね~」
㋹「き。嫌いじゃないわよ、ただこのお屋敷大きすぎるのよ」
㋯「このお屋敷はご主人様がお選びに成ったものです。それを否定すると言う事は、ご主人様を否定すると同じ事ですよ!」
㋷「ですよね~後で、報告しましょうミーシャさん!」
㋹「ま、ま、ま、ま、待ってよ!、否定じゃ無いわよ、ただの感想よ、だからユーク様には言わないで!」
㋯「レミーは、まだ奴隷としての自覚が足りない様ですね」
㋷「ご主人様に報告して、地下牢で、反省してもらいます?」
㋯㋷「フフフフフ」
㋹「何でも言うこと聞くから許して~~」
㋯「冗談はこの位にして、リオもてを動かしてね」
㋷「は~い」
㋹「冗談だったんだ」
㋯「今のは、ね、 レミーは自覚が足りないのも確かですから、努力して下さいね」
その頃ユークは、ギルドマスターの部屋で1人の冒険者と対峙していた。
彼の名は、フレイザー、エルフ族の男で、この国唯一のAランク冒険者だそうだ。
「マスター、この若造がAランクなのか?冗談だろ!」
かなりの上から目線に温厚なユークもイラッとした。
「確かに若いが、間違いなくAランクじゃよ」
「坊主、名前は?」
幾ら年上だからと言っても同じAランクである。貴族と同じ扱いを受けられる特権階級なのだ。
それを、坊主呼ばわりその前は若造呼ばわりであった。
「あんたに、教える必要が有るのか?」
相手の態度に、ユークも引く気は全くなかった。
「口だけは一人前だが、Aランクはお前みたいなガキが来て良い世界じゃないからな」
「あんたに決められることでも無いし、あんたみたいな奴の指図も受けないよ!」
「ユージンから地竜を倒したって聞いたから、見に来てやったが、何かの間違いだな、こんなガキに倒せる訳がね~からな」
「好きに思えば良いよ。 あんたには、一生掛かっても倒せないから妬んでるんだろ、さっさと帰れば!」
「はぁ?妬む?この俺様が?調子こいてんじゃね~ぞ、小僧! 昨日、今日Aランクに成ったガキに俺が羨ましがってるとでも?」
エスカレートして行く言い合いにマスターが止めようとするのだが、フレイザーは静止を無視して続ける。
「お前の噂も多少は聞いてたがな、冒険者としてじゃなく、可愛い奴隷と乳繰り合ってる馬鹿が居るって噂だ!」
「あんたが、僕を妬んで、好き勝手言うのは構わない! でも俺の女達を侮辱した事は許さない」
「別にガキに許して貰おうなんて、思ってね~よ! ガキの女なんかどうせ、乳臭いガキだろうしな」
「また侮辱しましたね、あんたがどんなオバさんを連れてるのかは知らないが、あんたの様な男の仲間ならたかが知れてる。 馬鹿を相手にするのも疲れるので、帰らせて貰います」
マスターがユークを留めようとするが、怒ってるユークは無視してギルドを出ていった。
ギルドでは、マスターがフレイザーを宥めていた。
「何だ、あのガキは!目上の者への礼儀も知らんのか」
「フレイザー卿もいけませんぞ、この世界はランクが全て、同じAランクのユーク卿にあの様な態度は頂けません」
「ん?俺が悪いとでも言うのか?、 あのガキめ、仕返しとばかりに俺の女達をオバさん呼ばわりしやがって、絶対許さん」
フレイザーも怒り心頭でギルドを出ていった。
残されたギルドマスターは、『やれやれ』と一人頭を抱えていたのだった。
屋敷に戻り、ギルドでの顛末を皆に話す。
ユークよりもミーシャ達の方が激怒していた。
「ご主人様を馬鹿にするなんて、絶対に許せません」
ミーシャの発言を皮切りにリオやレミーもフレイザーへの不満を爆発させていた。
そんな時に門番のハンクからユージンが呼んでると告げられた。
フレイザーの話の後だったので、嫌な予感が脳裏を駆け抜けた。
「多分フレイザー関係だと思うから1人で行ってくるね」
皆にそう告げて、1人ユージンのもとに向かった。
城門で待ったいたユージンの後ろにフレイザーが仲間を3人引き連れて立っていた。
やっぱりとユークは思った。
フレイザーのパーティーも女ばかりで、顔も悪く無い、年齢は確かに逝ってる様だが、しかし、ミーシャ達の方が、贔屓目無しに、数倍いい女だ。
「ユージン様お呼びだとか?」
「うむ。少し頼みがあってな」
「頼みですか、後ろのおじさんとおばさん達も関係有るのでしょうか?」
わざと挑発してのける。
「ガキが吠えるなよ!、俺の女達を見て照れなくていいさ、ガキには目の毒だからな」
「毒ですか、確かに異臭を放ちそうですね」
この言葉にはフレイザーも真っ赤になって、怒りを表にした。
「このガキが、俺様が大人しくしてるからといい気になりやがって」
「いい気になってるのは、お前だろうが」
「2人とも落ち着け」
なだめるユージンを無視して、フレイザーはユークの胸ぐらを掴んだ。
止めようとするユージンよりも先にフレイザーに剣が伸びた。
剣はフレイザーの顔面2Cmで止まる。
「汚い手を放しなさい」
ミーシャがレイピアをフレイザーに突き立てていたのだ。
「もう一度言います、直ぐにその汚い手をご主人様から放しなさい」
ユークの美女達の揃い踏みだった。
「どうして此処に?」
「先程の話から、こうなるだろうと思い、付いて来ました。」
ミーシャの威圧に手を離すフレイザーだが決して、剣にビビった訳ではなかった。
「お前たちがそのガキの女だと?」
フレイザーの問いかけにミーシャ達は一斉に頷きユークの後ろに控える。
「ご主人様への暴言や無礼の数々は拝見しました。 許し難い事です、謝罪を要求します」
ミーシャの言葉にフレイザーは悪びれもせずに言い返す。
「ガキにガキと言って、何がおかしい、乳臭いガキ同士で、仲良くやってろ」
「相手の実力も判断出来無い3流の冒険者風情が偉そうに」
ミーシャの容赦無い罵倒にフレイザーは、真剣での立会いを申し込んだ。
貴族や騎士に良く有る決闘だ。
ユークは別に決闘に不満は無いのだが、名誉やプライドも気にしてないので、この決闘にメリットも無かったのだ。
「逃げるのか?」
「なんで逃げるの?」
「今なら泣いて土下座するなら許してやってもいいぞ」
フレイザーの言葉にも全く負ける気もしないユークは、負けた場合の条件を決める事にした。
ユークが負けた場合は、一生フレイザーの小間使いに成れと言われた。
フレイザーが負けた場合は、冒険者を引退して、辺境で暮らす所払いにしようと告げたが、ユージンに却下された。
数少ないAランクの冒険者は国にとっても財産なので、勝手に居なく成られては問題に成るという事だ。
仕方が無いので、ユークが勝ったら、一生逆らわずにユークの屋敷の庭師兼雑用と言う厳しい条件が決まった。
どちらの場合も勝者に逆らったら、即死罪と血判を押し誓ったのだった。
ユージンの立会いで、行われる為に訓練場に移動する事になった。
「決闘となりましたが、ご主人様が負ける道理は御座いませんから、心配はしてないのですが」
「うん」
「あの様な輩を雇うのは如何なものかと・・」
この意見にはリオやレミーも同意見だそうだ。
「無料で、雇えて、逆らえ無いのなら問題ないよ」
「そうですが」
「屋敷には入れないし、冒険者としての依頼も勝手にやって貰うつもりだから庭の手入れを怠ったら、消せば良い事だしね」
「それはやり過ぎだと思いますが」
「あいつは、先にミーシャ達を侮辱したからね、ミーシャ達を蔑んだ奴は絶対に許さない、本当ならこの決闘で、殺しても良いのだけど、奴にも女の人が居るからね、彼女達まで巻き込むのは忍びない」
「ご主人様がそこまでお考えでしたら私達は何も言いません。 存分にお楽しみください」
一方、フレイザーサイドでは、ユークとミーシャ達の使い道を話し合っていた。
「ガキは毎日便所掃除だな」
「あの娘達は?」
「若いし、良い仕事もするだろうから、玩具にすればいいだろ」
「フレイザー様のえっち~」
「私達も可愛がって下さいね」
等と、最低の考えを巡らせていたのだ。
訓練場に到着して、ユージンは何故か、フレイザーにだけ、止める気は無いかと聞いていた。
ユージンは、ユークの規格外の強さを垣間見てきてるからだ。
フレイザーが幾らAランクとは言え地竜の相手が出来るかと言えばNOだと知ってるからであった。
ユージンは、フレイザーの仲間達にも決闘の中止を呼びかけるが全く聞き分けて貰えなかった。
もう回避は不可能とユージンは諦めて決闘の開始を宣言した。
流石にフレイザーはAランクらしく、魔法も剣技も上手かった。
だがユークの神速の前では、掠る事さえないのだ。
ユークはまだ剣を抜きもしてない。ただ避けているだけだった。
フレイザーの不利に動いたのは、フレイザーの奴隷達で有った。
ミーシャ達に刄を向けたのだ。
フレイザーの奴隷達は皆Cランクの冒険者で、ミーシャは、Bランク、相手になる筈も無かった。
ユージンは一時停戦を告げ、立会いを見物していた騎士達にフレイザーの女たちを捉えさせた。
停戦させていたにも係わらずに、フレイザーは攻撃を仕掛けていた。
ユークはそれさえも全く気にせず避けていた。
(皆怪我してない?大丈夫?)
戦いながら念話でミーシャたちの無事を確認する。
㋯(こちらは、大丈夫です)
㋷(問題ありません)
㋹(ユーク様もそろそろ遊びは終わりにしてくださいね)
3人の無事も確認したので、そろそろと全力の速度へとギアを入れ替え、フレイザーの腹に蹴りを入れた。
動きすら見えなかったフレイザーは体をくの字に曲げたまま10数m飛ばされて、そのまま気を失った。
捉えられた女達も言葉が出ない。
ユージンがユークの勝利を宣言する。
フレイザーに水を掛け目を覚まさせる。
フレイザーは意識を取り戻し、土下座して敗北を認めたのだ。
奴隷達もユークに跪き先程の非礼を詫び、許しを請う。
今度何か起こせば地下牢に閉じ込めて、処分しますと強く脅し、ユーク家の小間使いが決定したのだった。
フレイザーはこの後も何度かユークに挑もうとするのだが、桁違いの力で毎回圧倒されて、逆らう事すら出来無くなっていくのであった。
フレイザーの奴隷達は3人共エルフで、名前をジャネット・ジャニス・ジョアンと言い3Jと言われた。
3Jは、冒険者として失脚気味のフレイザーからユークに乗り換えようとするのだが、ベッドは疎か、屋敷にも入ることが出来なかったのである。




