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神様の棄児  作者: ryo-KK
2章 仲間
26/88

奇策

あれから2日が過ぎ、レミーの体調もめっきり良く成った頃だろうと尋ねる。


「おはようレミー、入っていい?」


扉をノックしてから、声を掛けた。


「ユーくん!入って」


ゆっくりドアを開け、中には以前の様な元気なレミーがベッドの上に腰掛けていた。


ミーシャやリオも挨拶を交わし、本題にはいる。


「何かいい案、見つかった?」


レミーは首を振るが、これは予想通りの反応だ。


そもそも、レミーに次案が有ったのなら、あんな大怪我なんて、する必要も無かった筈だからである。


ユークも家で、ミーシャ達と散々話し合ったのだが、ユークがレミーを、パーティーに入れるしか無いと言う結論しか出てこなかった。


しかし、これには最大の心配が有った。


ユークの、超人級な能力の露見である。


ミーシャやリオは奴隷なので、主人の秘密は死んでも喋らないと誓っている。


しかし、レミーは、縛る効力も無いし、レミーの性格上、何処で喋るか解ったものでは無かった。


ユークもレミーの事は、嫌いではない。


どちらかと言うと好きだと言える。


ましてや、自分と暮らしたい一心で、死に目に有った女の子を嫌いに成れる道理も無かった。


「僕たちも、散々考えたんだけど、いい案が浮かばなくて」


レミーは覚悟を決めたのか、自身を奴隷商に売るから付いてきて買い取って欲しいと懇願してきた。


「でも、それは、検査とか有るから絶対嫌だって、言ってたよね?」


「でも、それしか方法がないじゃない!」


悲痛な叫びで、答えるレミーだった。


確かに、確実にそうするのが一番無難だとも思うのだが、我慢してまでと考えるとユークも心が痛い。


しばしの沈黙の後に、リオが一つ思いついたのですがと切り出した。


「これは、ご主人様に財力が無ければ無理だと思われる方法ですので、駄目かもしれませんが」


「財力って、持ってるお金って事?」


「はい、私達は、ご主人様の奴隷ですが、現金までは把握出来てません。ご主人様の懐具合を考えるなんて、恐れ多い事なので、考えても居ませんでしたから、この発想が出てきませんでしたが。」


「お金なら、皆で20年は暮らして行ける位持ってるけど、足りる?」


(申し訳無いのですが、具体的な数字で、教えて頂けないでしょうか?)


回りに聞かれない様にリオは、念話で話しかけてきた。


(具体的に言うなら、500万位じゃ無いかな?)


(そんなにお持ちだったのですね、失礼しました。)


「それ程お有りでしたら、何とか成るかも知れません」


と前置きしてから説明を始めた。


「ご主人様は自由民ですから、ギルドの変更は自由に行えますよね?」


自由民とは、貴族や奴隷等の特別な存在以外の平民だ。


「うん」


「でしたら、商人に変更して、奴隷商人に成れば良いのですよ」


これには、周りも驚いたが、確かに一理ある。


ユークが奴隷商人に登録すれば、レミーを自分で買うことも、自分の奴隷にすることも可能なのだ。


「ギルドを変更してから、レミーさんをご主人様の奴隷にして、その後冒険者に戻せば問題は無いかと」


名案だとばかりに、ユークはリオを褒めちぎったのだが、レミーは待ったをかけてきた。


「その方法だと、いったいどれ程のお金が掛かるか解ってる?」


「知らないけど、何とか成るよ」


「ギルドの登録変更だけでも、20万G要るのよ」


「へーそうなんだ、では、2回するから40万で良いのか、それ位なら全然問題ないよ」


「それだけじゃ無いわよ! 奴隷商人なら、登録の石像も買わないといけないでしよ!」


「登録の石像って、あの小さい腕輪に名前とか入れる奴だよね?」


「えぇ、あれが無いと腕輪に登録出来ないし、名前を書いていた紙も特別な物よ」


「それって幾ら位するものなの?」


「はっきりした値段は解らないけど、紙は100枚で1万Gだったと思うわ」


「石像が1000万位なら1週間で貯めてみせるから、それまで待って貰わないといけないけど・・・」


ユークの言葉にビックリしたのはレミーだけだった。


Bランクの冒険者と言えども1週間で、1000万Gを稼ぐなんて絶対に不可能だと、元ギルド職員のレミーだからこそ解っているからだ。


ミーシャもリオも、1日で、200万位稼いでしまうユークの無茶苦茶振りを知っているので、1000万位なら余裕だろうと思っていたから平然としていた。


「何にせよ、金額聞いてから考えれば良い事だし、早速商人ギルドに行ってみようか」


心配なレミーも付いてくる事に成り、4人で、商人ギルドに向かった。


聞いた話しだと、石像は思ったよりも安く、120万Gだった。


紙も最初に100枚は付いてくるらしくて購入の必要は無かった。


それ位なら問題も無いと思い、登録の変更をお願いしようと思った時に、ミーシャが止めた。


「ご主人様、お待ち下さい。」


「どうしたの、ミーシャ?」


「変更の前に、確認しておきたい事が御座います。 お時間を頂けませんか?」


ここまで来れば、慌てる事も無いので、一度出て、カフェに行く事にした。


それぞれお茶を注文して、落ち着いた所でミーシャが話し始めた。


「ご主人様にとって、先程の金額なら問題はないでしょうが、普通の方なら手が出ない程の金額だとご存知でしょう」


ミーシャはレミーに向けての発言であった。


「勿論、解っているわよ」


「やっぱり意味がお解りに成っていらっしゃらない様なので、はっきりと申し上げます。」


「意味?」


「はい、ご主人様はレミーさんの為だけに、大金をお使いに成られようとして下さっています。」


「自分に関係無いから嫌だとでも言うの」


「やはり誤解なさっているようですね、ご主人様が決めた事に私達奴隷が嫌だと言う訳が有りません。 ましてや、大好きなご主人様が決めた事なら尚更です。」


ミーシャはリオの方を見た。


リオも当然と頷いた。


「私が言いたいのは、レミーさんの事です。 奴隷商に売られた者は解りますが、140万Gの価値の有る奴隷がどれ程の者かお解りになりますか?」


ミーシャが言いたいのは、レミーが金額に見合うかどうかは別にして、その金額を出すユークにそれだけの恩返しする覚悟が有るのかと聞いているのだ。


「・・・・・」


やっとミーシャの意図する所を理解したレミーは言葉をなくした。


「ご主人様は本当にお優しくて、頼りになるお方ですから、何も言わないでしょう。 ですがレミーさんが奴隷に成るなら同じ奴隷として、これだけは言っておかないといけないと思い。言わせて頂きました。」


黙り込んだレミーをを見かねたユークが言葉を繋いだ。


「ミーシャにも言ったけど、価値なんて僕が決めることだから、幾ら使うかって事も、レミーさんには関係無いんだ。 だから金額は気にしなくて良いよ」


そう言われても、レミーは考えてしまう。


自分がもし、140万Gを貯めようと思ったら10年はかかるだろう、その10年分の金額を出させ様としている事に


「ミーシャさんの言う通りね、私も浮かれすぎて、考えが足りなかったわ」


「私達は、レミーさんを嫌いではありませんし、ご主人様の奴隷に成る事も反対ではありません、奴隷を簡単に考えていた事に気づいて欲しかったから意見させて頂きました。」


「ミーシャさん、私が間違ってました。御免なさい。」


「謝って欲しくて、言ったのでは有りませんから」


「でも、ユーくんと一緒に居たいと言う思いだけは止められないの」


「それも良く解ってますし、ご主人様がレミーさんも近くに居て貰いたいと思ってる事も十分理解してございます」


そこまで聞いてユークは、話も纏まったし登録すませて終わらそうと提案したのだが、もう少しだけお時間をと言われ椅子に座り直した。


「レミーさんは、商館で売られて奴隷になる訳では無い特例です。 ですから、全く奴隷教育も出来てません。

言葉遣いやご主人様への態度、普段の行動等も改善しなくてはいけません。 それにご主人様の所有物になるのですから、今までの様に自由にも成れません。 現在の私物もご主人様の物に成りますから勝手に処分も出来ませんし、勿論お金もご主人様の物ですから、勝手に使う事も許されません。」


耐えられますか?と言うミーシャの言葉にレミーは頑張ると答えたのだがミーシャは強く言い返した。


「頑張るでは駄目なのです。 頑張るのは当然の事で、全く奴隷としての知識の無いレミーさんは、必死でやらないといけないのですよ。 ご主人様は、とてもお優しいから何も言わないでしょう。 ですが、奴隷の立場を理解して下さらない場合、馬鹿にされ傲られるのはご主人様なののです。 ご主人様がもしその様に言われたり陰口を叩かれたりした場合、その原因がレミーさんに有ったなら私は絶対許しません」


「解ったわ・・・・解りました」


「奴隷としての教育は、私やリオがお教えします。」


『いいですね』と見たミーシャにリオは頷きを返した。


「もう良いのかな? それじゃあ登録しに行こうか」


皆に聞き、了承の返事を貰ったので、商人ギルドに戻った。


ギルドで、登録変更をして奴隷商に成ると登録をした。


登録の石像を購入するのも伝え、石像と登録用紙100枚の束を受け取り、変更費用と合わせて140万Gを閃貨1枚金貨40枚で支払った。


石像には、マニュアル(取説)も付いているので、後で、しっかり読むようにと職員に注意された。

簡単に扱い方と、奴隷商人の使う誓約の魔法の書いた奴隷商人の規則も受け取り一度屋敷に戻る事にした。


レミーは宿を引き払う準備と荷物の整理があるので、宿屋に戻った。


権力の門の通行と荷物の運搬に困るだろうと、屋敷に着いてからリオにマジックポーチ(大)を持たせ、宿屋に行かせた。


居間に石像と誓約の儀式で使う小皿やナイフ、登録の紙にペンを用意して、ミーシャの入れた紅茶を飲みながらマニュアルや規則を熟読していた。


石像のマニュアルに寄ると、ギルドや商館に有る石像は全て同じ仕組みになってて、この石像があれば

パーティーの登録や変更も自宅で出来る様に成るらしい。


難しい呪文や魔法も無く紙に指定したい項目と名前を書くだけで良いらしい。


奴隷商の規則には、商売をするならと言う大前提が有るので、レミーにしか使わないユークは、軽く流し読む程度で、誓約の紋の呪文だけしっかり覚えたのだった。


1時間程して、リオがレミーを連れて帰ってきた。


ミーシャにお茶を入れさせ、準備に入る。


「レミーさんは、戦闘奴隷になるのでしょうか?」


何気ないリオの一言に皆の視線がレミーに集まる。


「私に戦いは出来無いと思うし、怖くて・・・・」


見かねたユークが言葉を繋げる。


「レミーは家政奴隷って、事で良いよ、 でもスキルの念話は欲しいし、自身を守れる様に最低DかCランクまでは、上げて貰うつもりだけど、戦いは全くさせないから装備も今のままでいいよ」


そう告げるとレミー以外は、了解と頭を下げた。


「私、戦わなくてもランク上がるの?」


その答えをミーシャが教えていたのだが、理解の範疇外なのだろう、レミーは付いて行けて無かった。


早速登録と一枚づつに皆の名前を書いていく。


最初に奴隷の登録とレミーの紙に奴隷、ユークの紙に所有者と書2枚重ねて、石像の下に挟んだ。


何度も見た光景が訪れ、何度もやって来た様に腕輪を石像にかざした。


確認すると所持奴隷の所にレミーの名前が増えていた。


レミーもミーシャに、ユークに見せるように言われて、腕を伸ばし確認を求めた来た。


所有者ユークと出ていたので、奴隷の登録は、完了だ。


そのままパーティー登録はレミーが慣れた手つきで、終わらせてくれた。


誓約の紋は別に必要無いとユークが言ったのだが、これには、全員がけじめだからと許してもらえなかった。


全ての作業を終えて、レミーはユークの奴隷として生きる事になった。


レミー  20歳                

ランク F (白)        

人族                


パーティー             

ユーク  人族             

ミーシャ 獣族

リオ エルフ族

                            

所有者                

ユーク  人族                            


体力 150           


魔力 50            


所持魔法              

 

生活魔法 2            


魔法 


なし

                

特殊スキル


なし


権力の門で、通行証の切り替えを行ってもらいレミーが屋敷で、住むことが認められたのだった。


屋敷で、レミーの部屋割りが言い渡されたのだが、あまり関係無かったりもする。


実際に寝るのはユークの部屋なので、部屋割りをしてもクローゼットとタンスしか置いてないので意味は無かった。


レミーは生活用品や服もそれなりに持っていたので余り買い物も必要無いのだが、家政奴隷と成ったからとミーシャに侍女服の購入とエプロン等の必需品を買うべきだと言われた。


レミーも納得してくれたので、買うことにして、他に何か無いのかと相談していた。


「私も、ミーシャさんや、リオさんの様なユーク様の選んでくれた服や肌着が欲しいです」


これには、ミーシャも怒っていた


「買って頂く事が悪いとは言いませんが、服のおねだりはしてはいけません、肌着も持ってるのなら必要有りません」


「まあまあミーシャも落ち着いて」


「しかしご主人様、必要の無い物にこれ以上ご主人様が無駄遣いをする必要が有りません。」


確かにかなりの散財だとも思うのだが、今後も使えると思うので、苦にも成って無い。


「そうだね、余り甘やかすのもレミーの為に成らないから、侍女服と肌着関係だけにしておこうか、服はまた今度皆の分を一緒に買いに行こう、レミーのクローゼットも必要に成るだろうしね」


「ご主人様クローゼットなら1つ空いております。」


「作ったの2つだから余ってないよね? それともどこかに初めから有った?」


「いえ、私もリオも掛けておく服は、少ないですから、一緒に着替えられる様に共用にしております。」


「そうなの」


「「はい」」


今度大きいのを頼むか1部屋改装しようと思いはなしを打ち切った。


早速買い物と冒険者への再変更の為に街に繰り出した。


服屋で、レミーの侍女服の注文と肌着3枚、スリップ2着を購入して、レミーの採寸を済ませ、冒険者ギルドに行き、再登録を済ませた。


レミーは、念願が叶い、ユークと暮らせる様に成った事を元同僚達に告げていたし奴隷に成った事もはっきりと宣言して、言葉遣いににも気をつけて話していた。


それを見たミーシャは、少し嬉しそうにしていたのは、ユークしか気づかなかっただろう。


大事な事を忘れていたと、言われたのは、夜のベッドの中であった。


最初だしレミーからとたぎる下半身を我慢しつつ、優しく触っていた時にミーシャが思い出したのだ。


「ご主人様、レミーさんはまだ、避妊術が終わってません!」


言われてはっとして飛び起きた。


完全に忘れていたのだがレミーも人族なので、妊娠の可能性があるのだ。


レミーは残念そうな顔を一瞬した様にも見えたので、覚えていたのかも知れないが、定かではない。


「今日レミーさんは、触って頂くだけで我慢して下さいね」


「外に出したら・・・・」


レミーの発言に『はしたない』とミーシャが言い、ユークも仕方ないからとレミーは、お預けが確定した。


その気に成ってたので、ユークも我慢出来なかった。 ミーシャとリオを堪能しながら、レミーとキスを繰り返して夜は更けていった。




ガールズトーク INベッド 会話&念話バージョン


㋷「ご主人様はお休みに成られた様ですね」


㋯「そうね」


いつものリオの台詞にミーシャが答える。  

 

ユークの、左側にミーシャが寝ていて、右側にリオ、その隣にレミーが寝ている。


全ての順番はミーシャ・リオ・レミーの序列順に決まっているし奴隷の世界での絶対だと教えられている(体育会系の序列版)年齢は関係無いのだ。

だからと言って、奴隷同士はご主人様にとっては、同じ奴隷でしかないので、敬語も必要無い。


㋯「レミーはお情け頂けなくて、残念でしょうけど、明日は今日の分も可愛がって下さると思うわよ」


㋹「ほんと残念よ、もっと早くに気づいてれば、良かったわ」


㋷(レミーさんは狙ってた様な気がするのですが)


リオからの念話が突然ミーシャに囁いてきた。


㋯(私もそう思うわ、気づいてよかったわ)


㋷(ほんとうです)


㋹「でもユーク様って、寝顔も格好良くて可愛いし見れて幸せ」


㋯「ご主人様の失礼の無い様に発言には、普段から気を付けて下さいね」


㋹「それは、納得してるし、椅子の指定席も納得した。序列も解るけどこの寝る位置だけは、譲れない」


㋷「あまり大きい声を出しますとご主人様が起きてしまいますよ」


㋯「そうねだけど、私はご主人様にここが指定席と言われてるので(本当は言われてない)勝手に代われないし、譲る気も無いから、決めるのならリオと相談してね」


㋷㋹「「そんなのずるい・です」」


㋯「ご主人様の意見は絶対よ」


㋹「それじゃあリオちゃん代わって」


㋷「私も嫌です。絶対変わりません」


㋹「お姉さんの私に譲ってくれても良いんじゃないの?」


ミーシャは蚊帳の外とばかりに、声は小さく話し合ってねと先に寝てしまった。


㋷「年齢は関係無いって言いましたよね、それに私の方が先輩ですから、絶対譲りません」


埓の行かない話し合いは全く進展しないので、翌日まで、持ち越しとなったのであった。

  


 





















 





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